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2022年8月25日発売

明石書店

出版社名ヨミ:アカシショテン

「ごみ屋敷」で暮らす高齢者の実態

「重度のためこみ状態にある住宅」の要因から居住者への支援まで
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内容紹介
いわゆる「ゴミ屋敷」となる要因と火災・転倒等のリスク問題をはじめ、ためこみ症についての医学・心理学的な評価、さらに地域包括支援センターへおこなった日本初の本格的な調査による統計データをもとに、居住者へどのような介入・支援ができるかを考察する。
目次
序章
 第1節 研究の背景と目的
 第2節 本研究における“ごみ屋敷”の名称について
 第3節 本書の構成

第1章「重度のためこみ状態にある住宅」(いわゆる“ごみ屋敷”)に居住する高齢者
 第1節 生活環境問題として把握されたいわゆる“ごみ屋敷”
  第1項 いわゆる“ごみ屋敷”に関する調査
  第2項 いわゆる“ごみ屋敷”の定義
  第3項 いわゆる“ごみ屋敷”の認知と実態および対応状況
 第2節 いわゆる“ごみ屋敷”に関する条例
 第3節 いわゆる“ごみ屋敷”の要因
  第1項 不安な気持ちや社会的孤立との関連
  第2項 いわゆる“ごみ屋敷”と疾病

第2章 ためこみ症と「重度のためこみ状態にある住宅」に居住する高齢者
 第1節 ためこみ症の定義の変遷
 第2節 ためこみ症の特徴
  第1項 ためこみ症の中核概念
  第2項 ためこみによる家屋の状態
  第3項 発症時期と経過
  第4項 ためこみ症の危険要因と予後要因
  第5項 ためこみ症と過剰収集
  第6項 ためこみ症の病識
  第7項 ためこみ症の主な併存疾患
  第8項 ためこみ症と診断されないその他の精神疾患
  第9項 「重度のためこみ状態にある住宅」に居住する高齢者の疾患と発症年齢
  第10項 ためこみ症の有病率と性差
 第3節 ライフイベントと社会的孤立、収入、文化
  第1項 ライフイベント
  第2項 社会的孤立
  第3項 収入
  第4項 文化
 第4節 ためこみ症の治療
  第1項 インテーク面接
  第2項 アセスメント
  第3項 アセスメントツール
  第4項 ためこみ症の認知行動療法

第3章 わが国のセルフ・ネグレクトと「重度のためこみ状態にある住宅」に居住する高齢者への支援
 第1節 わが国のセルフ・ネグレクトと「重度のためこみ状態にある住宅」
  第1項 わが国におけるセルフ・ネグレクトの定義と調査
  第2項 わが国のセルフ・ネグレクトの類型
 第2節 わが国の「重度のためこみ状態にある住宅」に居住する高齢者への支援
  第1項 セルフ・ネグレクトの高齢者と権利擁護
  第2項 「重度のためこみ状態にある住宅」に居住する高齢者に対する介入方法
  第3項 セルフ・ネグレクトの高齢者に対する自治体の体制整備の状況
  第4項 「重度のためこみ状態にある住宅」に居住する高齢者に対する支援の課題
  第5項 重層的支援体制整備事業の創設

第4章 海外におけるためこみの課題をもつ人への支援
 第1節 支援への抵抗とためこみ行動の結果
  第1項 苦情と支援への抵抗
  第2項 ためこみ行動と危機
  第3項 立ち退き・ホームレス
 第2節 支援課題
  第1項 隠れた問題
  第2項 住宅所有および住宅形態別の支援課題
  第3項 支援者の健康被害
  第4項 再発防止と片づけ費用の負担の課題
 第3節 アメリカにおける支援
  第1項 アメリカのセルフ・ネグレクトとためこみ
  第2項 ためこみとコミュニティとの関係
  第3項 支援の目的
  第4項 ためこみに関する教育とトレーニング
  第5項 司法システムの関与
  第6項 チームアプローチと地域との連携
  第7項 タスクフォースによる支援
 第4節 イギリスにおける支援
  第1項 イギリスのセルフ・ネグレクトとためこみ
  第2項 支援の原則
  第3項 先駆的な取り組み

第5章 全国地域包括支援センター調査
 第1節 調査の目的と方法
 第2節 調査の概要
  第1項 調査対象
  第2項 調査対象の選定方法
  第3項 調査期間
  第4項 本調査におけるいわゆる“ごみ屋敷”の定義
  第5項 調査の対象事例
  第6項 倫理的配慮
 第3節 調査項目
  第1項 地域包括支援センター
  第2項 本人
  第3項 支援
 第4節 調査票の回収率と所属機関の属性
  第1項 調査票の回収率
  第2項 所属機関の属性
 第5節 シートAとシートBの取り扱いについて

第6章 「重度のためこみ状態にある住宅」に居住する高齢者の実態
 第1節 高齢者の実態
  第1項 相談受付時の高齢者の基本属性と生活状況
  第2項 物のためこみの種類とためこみ期間
 第2節 家屋の状況
  第1項 住宅形態と所有と部屋数
  第2項 堆積物の範囲
  第3項 家屋のリスク
 第3節 クラッター(取り散らかり)の重症度
  第1項 「最も物の多い事例」と「深く関わった事例」のクラッター・イメージ・スケール(CIR)
  第2項 既成市街地とその他の地域のCIR
  第3項 部屋数別のCIR
  第4項 家屋のリスクとCIR
 第4節 高齢者の疾患の把握
  第1項 高齢者の疾患
  第2項 疾患タイプの分類
  第3項 疾患タイプ別の性差
  第4項 疾患タイプ別のCIR
  第5項 年齢別の認知症と非認知症精神障害の割合
 第5節 過剰収集
  第1項 過剰収集の形式
  第2項 過剰収集の形式の組み合わせ
  第3項 収集タイプ別のCIR
  第4項 収集タイプ別の性差
  第5項 収集タイプと物の種類
 第6節 家屋内の困り事の自覚とためこみに関する本人の認識
  第1項 家屋内の困り事の自覚
  第2項 ためこみに関する本人の認識
  第3項 家屋内の困り事の自覚とためこみに関する本人の認識との関係
 第7節 ためこみの理由
  第1項 ためこみの理由とライフイベント
  第2項 物への愛着等によるためこみ
 第8節 苦情と立ち退き請求
  第1項 苦情
  第2項 立ち退き請求
 第9節 相談経路と家屋内への立入
  第1項 相談経路
  第2項 家屋内への立入
 第10節 片づけ支援
  第1項 片づけの実施
  第2項 片づけに着手できた理由
  第3項 片づけ時の状況
  第4項 片づけ回数と費用
  第5項 片づけ後のCIRと状態維持
  第6項 状態維持が困難な理由
  第7項 片づけを行っていない事例
 第11節 片づけ以外の支援内容と主な連携先
  第1項 片づけ以外の支援内容
  第2項 主な連携先
 第12節 現在の生活場所と対応期間
  第1項 現在の生活場所
  第2項 片づけに着手できた理由と現在の生活場所
  第3項 事例対応期間
 第13節 地域包括支援センターによる支援
  第1項 シートA(最も物の量が多い事例)とシートB(深く関わった事例)の違いから読み取れる地域包括支援センターの支援の特徴
  第2項 地域包括支援センターによる片づけ支援の実態
  第3項 支援方法
  第4項 支援課題
  第5項 片づけ支援に関する体制の課題
 第14節 本章のまとめ

第7章 「重度のためこみ状態にある住宅」に居住する高齢者のタイプ分けと規定要因
 第1節 タイプ分けと規定要因の分析の枠組み
 第2節 「重度のためこみ状態にある住宅」に居住する高齢者のタイプ分け
  第1項 タイプの分類に用いる変数
  第2項 タイプの分類に用いるデータ
  第3項 潜在クラス分析
  第4項 各クラスの特徴と命名
 第3節 タイプの規定要因
  第1項 タイプの規定要因に用いる変数
  第2項 タイプの規定要因に用いるデータ
  第3項 2項ロジスティック回帰分析
 第4節 本章のまとめ

第8章 片づけ実施の要因および片づけ後の状態維持の要因の分析
 第1節 片づけに関する要因の検討
  第1項 片づけに影響を与えると推測される説明変数の選択
  第2項 片づけ実施に関する分析に使用するデータ
  第3項 未実施群の特徴
 第2節 片づけ後の状態維持に関する要因の検討
  第1項 状態維持に影響を与えると推測される説明変数の選択
  第2項 状態維持に関する分析に使用するデータ
  第3項 困難群の特徴
 第3節 本章のまとめ

第9章 考察
 第1節 「重度のためこみ状態にある住宅」に居住する高齢者の様相
  第1項 生物的な側面
  第2項 心理的な側面
  第3項 社会的な側面
 第2節 「重度のためこみ状態にある住宅」の様相
  第1項 全国で測定された重度のクラッターの実態
  第2項 家屋のリスク
 第3節 「重度のためこみ状態にある住宅」に居住する高齢者への支援
  第1項 潜在クラスにみる特徴と支援課題および支援方法
  第2項 片づけ実施に関する要因の分析
  第3項 片づけ後の状態維持に影響を与える要因の分析
 第4節 今後のソーシャルワーク実践への示唆
  第1項 ためこみの課題をもつ人への支援
  第2項 体制整備に向けて

終章
 第1節 要約
 第2節 本研究の限界と今後の実証研究の課題
  第1項 本研究の限界
  第2項 今後の実証研究の課題

 文献一覧
 付表 アンケート調査票(シートA、シートB)
 あとがき
 索引
著者略歴
河合 美千代(カワイ ミチヨ kawai michiyo)
ルーテル学院大学大学院総合人間学研究科社会福祉学専攻博士後期課程修了。 博士(社会福祉学)。社会福祉士。 介護老人保健施設の支援相談員、地域包括支援センターの社会福祉士等を経て、現在、公益財団法人東京都福祉保健財団 人材養成部福祉人材養成室高齢者権利擁護支援センター専門相談員、東京学芸大学教育学部非常勤講師、駒沢女子大学人間総合学群非常勤講師、ルーテル学院大学研究員。
タイトルヨミ
カナ:ゴミヤシキデクラスコウレイシャノジッタイ
ローマ字:gomiyashikidekurasukoureishanojittai

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