近刊検索 デルタ

2022年11月9日発売

明石書店

出版社名ヨミ:アカシショテン

移民大国化する韓国

労働・家族・ジェンダーの視点から
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内容紹介
日本以上のペースで少子高齢化が進む韓国は、「雇用許可制」を導入し、非熟練外国人労働者を正式に受け入れる政策転換に踏み切った。その労働政策、語学教育、結婚移民などの話題を現地取材で掘り下げ、問題が山積する日本の外国人政策に示唆を与える必読書。
目次
はじめに
 移民大国化する韓国
 なぜ外国人居住者が急増したのか

第一章 非熟練外国人労働者から高度人材まで
 1 企業、外国人双方に利益の雇用許可制
  給与は母国の5倍以上「ずっと働きたい」
  韓国人と同じ待遇を保障
  産業研修制度から雇用許可制に転換
  ベトナム人労働者の選択「日本より韓国」
  「漢江の奇跡」に自身を重ね
 2 労働相談から語学教育まで幅広い支援――現場から
  外国人最多の安山市の「ワンストップセンター」
  15言語に対応の労働相談
  非正規滞在者にも医療サービス提供
  地方都市の外国人労働者支援センターでは――南部光州広域市
  全国9つのセンター、傘下に35の地域拠点も
 3 雇用許可制導入から15年――見えてきた課題
  懸念される非正規滞在者の増加
  新たな在留許可の創設――点数制ビザ
  国の移民政策の将来像を
 4 外国人労働者と韓国語教育
  入国前に「自力で学んで」
  韓国語教育体制は整えられているが
  何が足りないのか
  重要なのは学習の動機づけ
 5 雇用許可制の光と影
  何が問題か
  制度の趣旨との乖離
 6 外国人労働者を支える宗教団体
  キリスト教系団体が牽引した外国人労働者支援
  果たした役割の大きさ
 〇インタビュー1 禹萬善 光州外国人労働者支援センター所長
 コラム1 韓国で働く非熟練外国人労働者
 コラム2 「ハッピーリターン・プログラム」

第二章 韓国系外国人
 1 最大の移民集団――朝鮮族
  朝鮮族流入の経緯
  中国との国交樹立後に激増
  韓国女性の社会進出を支える朝鮮族
  高齢者介護と外国人労働者
  ケアの危機
  映画「ミッドナイト・ランナー」に怒り爆発
  朝鮮族の若い世代の葛藤
  転換期を迎える朝鮮族
 2 高麗人の苦難
  なぜ韓国に
  高麗人のゴッドマザー
  高麗人の子どもたちの問題とは
 コラム3 急激な人口変動にどう向き合っていくのか

第三章 華僑と留学生、そして難民
 1 華僑の苦難
  韓国に定着できなかった華僑
  2人の華僑スター
  なおも残る疎外感
 2 留学生急増の背景と問題点
  最低賃金以下の労働力となる留学生たち
  政府によるアメとムチ
  偽装留学生問題の発生
  留学生に期待される労働力
 3 難民
  イエメン難民パニック
  難民への冷めた視線
  アジアで初めて難民法を制定
  政府の難民への対応には温度差
  過酷な環境にさらされた難民家族
  アフガニスタン難民の入国
 〇インタビュー2 梁起豪 聖公会大学校教授
 コラム4 「社会統合プログラム」とは
 コラム5 国際比較からみた移民統合政策の課題

第四章 結婚移民
 1 自治体が多様な支援を展開――現地取材から
  アジアから農村部へ、国際結婚急増
  韓国中部にある約3万人の小さな村では
  韓流ドラマと違う「毎日、泣いた」
  夫も一緒にカウンセリング
  20年後の「多文化村」は?
  小学校でも国際結婚家庭の子どもを支援
  都市部のセンターの取り組み――ソウル近郊安山市
  24時間受付の電話相談も
  少子化のつけ、結婚移民女性に?
 2 結婚移民女性へのまなざし
  国際結婚の実態
  ある結婚移民女性の表象
  「嫁」役割の呪縛
  CMに描かれる結婚移民女性の変化
  韓国人の夫はどこに?
  嫁姑問題と結婚移民女性
 3 結婚移民女性のエンパワーメント
  ライフサイクルに合わせた支援
  自立に向けたエンパワーメント
  新たな戦力に
  結婚移民者の行政への活用
  地方の村で起きている地殻変動
 〇インタビュー3 李弦珗 全羅北道淳昌郡多文化家族支援センター長

第五章 外国につながりを持つ多様な子どもたち
 1 増え続ける国際結婚家庭の子どもたち
  国際結婚家庭の子どもへの選別的支援
  国際結婚家庭の子どもへのまなざし
  新たなミッション
  バイリンガル教育の功罪
  子どもたちの夢か? 社会の願望の押しつけか?
  多様な出自を持つ子どもたちの教育問題
  急ピッチで進む韓国語学習支援
 コラム6 国民の条件とは――国際比較にみる日本と韓国の相違点

第六章 排外主義の高まり
 1 バックラッシュ
  閉鎖的な意識の拡がり
  逆差別なのか
  自国民セントリズム
 2 意識変化の難しさ
  イスラモフォビア
  「包括的差別禁止法」の行方
 〇インタビュー4 薛東勲 全北大学校教授

おわりに
 1 ヨーロッパの事例(視点)から
  ブリュッセル・テロが奪った日常
  英国のEU離脱の背景にも移民
  オランダでは右翼台頭の要因に
  「移民に職を奪われる」
  循環型から定住型への転換を
 2 ふたたび、韓国
  コロナ禍でみえた現実
  今後の行方
  転換期にきた外国人労働者政策
  積み残した課題

あとがき
 その1
 その2

 参考文献
著者略歴
春木 育美(ハルキ イクミ haruki ikumi)
東京生まれ。同志社大学大学院博士後期課程修了(博士・社会学)。聖学院大学政治経済学部教授、早稲田大学韓国学研究所招聘研究員、東京大学大学院非常勤講師。 単著に『韓国社会の現在――超少子化、貧困・孤立化、デジタル化』(中央公論新社)、『現代韓国と女性』(新幹社)、編著に『韓国の少子高齢化と格差社会』(慶應義塾大学出版会)、『現代韓国の家族政策』(行路社)、共著に『知りたくなる韓国』(有斐閣)、『日韓における外国人労働者の受入れ』(九州大学出版会)、『韓国における市民意識の動態Ⅱ』(慶應義塾大学出版会)など多数。
吉田 美智子(ヨシダ ミチコ yoshida michiko)
山口生まれ。早稲田大学大学院法学研究科修士課程修了(国際公法)、朝日新聞社入社。神戸総局、大阪本社社会部検察担当、特別報道部、ブリュッセル支局、be編集部などをへて、2022年4月から朝日新聞ネットワーク報道本部。早稲田大学次世代ジャーナリズム・メディア研究所招聘研究員。 共著に『プーチンの実像――証言で暴く『皇帝』の素顔』(朝日新聞出版)、『ルポ タックスヘイブン――秘密文書が暴く、税逃れのリアル』(朝日新書)、『負動産時代――マイナス価格となる家と土地』(朝日新書)。
タイトルヨミ
カナ:イミンタイコクカスルカンコク
ローマ字:imintaikokukasurukankoku

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