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2023年2月17日発売

明石書店

出版社名ヨミ:アカシショテン

宗教からアメリカ社会を知るための48章

エリア・スタディーズ
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内容紹介
先進国で異例と言えるほど国民の信仰心が篤いアメリカ。憲法で政教分離を謳う「超大国」にして「科学大国」でありながら、宗教が政治、社会、文化などあらゆる面に深く浸透しており、宗教を知らねばこの国は理解しがたい。「多様性」と「分断」の間で揺れるアメリカ社会を宗教にフォーカスして活写する。
目次
 はじめに
 地図「アメリカの地域別宗教熱心度」
 凡例

Ⅰ 現代アメリカの宗教模様

第1章 異質で奇妙な「神の国」アメリカ――IT大国で9割の国民が神を信じている
第2章 アメリカの主要な宗教と教派――民族・人種の多様性を反映する宗教組織
第3章 時代で変わる宗教模様――「スピリチュアルだが宗教的ではない」という主張
第4章 4つの集団からなるユダヤ教――少数派だが影響力の大きい宗教①
第5章 異端視は薄らいだモルモン教――少数派だが影響力の大きい宗教②
第6章 暴力的とみられがちなイスラム教――少数派だが影響力の大きい宗教③
第7章 移民の急増で伸張するヒンドゥー教――少数派だが影響力の大きい宗教④
第8章 西洋先進国で最も宗教的な国――「生活で宗教は重要」とする人は途上国なみの高さ
第9章 2000人が礼拝するメガチャーチ――新しい形の祈りの場①
第10章 インターネット利用のオンライン・チャーチ――新しい形の祈りの場②
第11章 本来の祈りの場として復活したハウス・チャーチ――新しい形の祈りの場③

Ⅱ アメリカ史のなかの宗教

第12章 新大陸での植民地建設――信仰の自由を求めて新大陸へ
第13章 18世紀中ごろから大覚醒・信仰復興――「神の行商人」説教師の情熱
 【コラム1】植民地での魔女裁判と犯罪行為
第14章 アメリカ革命・建国期の宗教――預言者・聖人とされたワシントンが導いた国
第15章 宗教的国家への道――「神に選ばれた民」を強く認識
第16章 信仰復興とカリスマ的説教師――伝道集会で次々と回心体験する人々
 【コラム2】宗教界の頂点に立ったビリー・グラハム
第17章 海外伝道と領土的野心――領土拡大は神から与えられた運命
第18章 トクビルの見たアメリカの宗教――物質的な富も求めているクリスチャン
 【コラム3】国民統合のシンボルとしての市民宗教
第19章 南北戦争とリンカンの信仰――国家統合には宗教的絆が必要
 【コラム4】南北戦争は宗教戦争か

Ⅲ 宗教大国アメリカの諸相

第20章 スコープス裁判(モンキー裁判)と反進化論――今日も続く創造論対進化論の対立①
第21章 「創造科学」という新しい創造論の提案――今日も続く創造論対進化論の対立②
 【コラム5】4割の人が進化論を信じない科学大国アメリカ
第22章 テーマパーク化した創造論――今日も続く創造論対進化論の対立③
第23章 ホーム・スクーリング――公教育に否定的な宗教保守派①
第24章 チャーター・スクールと教育バウチャー――公教育に否定的な宗教保守派②
第25章 宗教とは縁が切れない大統領――政教分離の実態①
第26章 連邦議会と宗教の多様性――政教分離の実態②
第27章 議事堂襲撃事件と宗教勢力――キリスト教ナショナリズムを信奉する暴力的極右団体の信仰心

Ⅳ 「戦争と平和」をめぐる宗教

第28章 ヒロシマ・ナガサキとアメリカのキリスト教――原爆投下の非人道性への賛否
 【コラム6】戦争を正当化するキリスト教の正ジャスト・ウォー戦論
第29章 戦争に反対する信仰――非戦闘業務で兵役免除
第30章 歴史的平和教会とアーミッシュの反戦思想――殺されることも辞さない堅固な信仰
第31章 徹底した平和主義のクエーカー――男女・人種平等で先駆的な教派
第32章 非戦を貫徹するブレザレン――正当防衛でも暴力を否定する無抵抗の抵抗

Ⅴ 性的マイノリティと宗教

第33章 聖書の教えと性的マイノリティ――「同性愛は死刑」とする聖句の解釈
第34章 信教の自由を利用したLGBTQ差別――公民権法を超える平等法が必要
第35章 トランスジェンダーへの新しい差別――州レベルで多発する反トランスジェンダー立法
 【コラム7】聖句とトランスジェンダー

Ⅵ 生と死をめぐる宗教

第36章 キリスト教は妊娠中絶を禁止しているか――聖書解釈で異なる立場
第37章 妊娠中絶に対する宗教界の立場――妊娠中絶観を変える教会と変えない教会
第38章 ロウ判決が覆ったことの宗教的・政治的意味――ドブス判決で50年間維持した女性の人権が否定された
第39章 安楽死・尊厳死と宗教――クリスチャンに死ぬ権利はあるか①
第40章 自殺と死刑をめぐる宗教――クリスチャンに死ぬ権利はあるか②

Ⅶ 日常生活にかかわる宗教

第41章 歴史にみる疫病と宗教――イエスは治療するメシア、奇跡を起こす治療者
第42章 新型コロナウイルス感染症をめぐる宗教――コロナは神の裁きとしての天罰
 【コラム8】感染症に強いユダヤ教の儀式/
 【コラム9】マスク着用の長期化と信仰上の懸念
第43章 気候変動に影響する聖書解釈――環境破壊の背景にはユダヤ・キリスト教
第44章 世界一のベストセラー 聖書――年間で8000万冊出版と推計
第45章 セレブが愛する聖句のタトゥー――全身にキリスト教がらみの絵図と文字だらけの人も
第46章 聖書をめぐる謎と陰謀説――イエスは青森で死んだという伝承もあり
第47章 イエスの人種をめぐる論争――イエス白人説への疑問・反論
第48章 「クリスマス戦争」という「文化戦争」――「メリー・クリスマス」から「ハッピー・ホリデー」へ
 【コラム10】歴代大統領の公式クリスマス・カード

 おわりに
 索引
 主な分野別引用・参考文献
著者略歴
上坂 昇(コウサカ ノボル kousaka noboru)
1942年、東京生まれ。東京外国語大学卒業後、時事通信社、小学館、在日アメリカ大使館を経て、桜美林大学教授(アメリカ研究)。2013年から同大学名誉教授。 著書(単著)には、『現代アメリカの保守勢力――政治を動かす宗教右翼たち』(ヨルダン社、1984年)、『アメリカ黒人のジレンマ――「逆差別」という新しい人種関係』(明石書店、1987年、増補版1992年)、『アメリカの貧困と不平等』(明石書店、1993年)、『キング牧師とマルコムX』(講談社現代新書、1994年)、『神の国アメリカの論理――宗教右派によるイスラエル支援、中絶・同性結婚の否認』(明石書店、2008年)、『オバマの誤算――「チェンジ」は成功したか』(角川oneテーマ21新書、2010年)、『アメリカの黒人保守思想――反オバマの黒人共和党勢力』(明石書店、2014年)、『カリフォルニアのワイン王薩摩藩士・長沢鼎――宗教コロニーに一流ワイナリーを築いた男』(明石書店、2017年)がある。 訳書には、アンドリュー・ハッカー『アメリカの二つの国民』(明石書店、1994年)、シーモア・M・リプセット『アメリカ例外論――日欧とも異質な超大国の論理とは』(明石書店、1999年、金重紘との共訳)、ティム・ワイズ『オバマを拒絶するアメリカ――レイシズム2.0にひそむ白人の差別意識』(明石書店、2010年)がある。
タイトルヨミ
カナ:シュウキョウカラアメリカシャカイヲシルタメノヨンジュウハッショウ
ローマ字:shuukyoukaraamerikashakaioshirutamenoyonjuuhasshou

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