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2024年4月30日発売

明石書店

出版社名ヨミ:アカシショテン

ポスト資本主義時代の地域主義

草の根の価値創造の実践
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内容紹介
ポスト資本主義を構想する鍵は地域主義にある。どのように地域の経済を振興し、生活のレジリエンスを高め、子どもを守り育て、将来世代の教育を進めればよいのか。これらの課題に取り組む世界各地の人々の営みをもとに、地域の価値創造の手がかりをさぐる。
目次
序文[真崎克彦・藍澤淑雄]


はじめに

第1章 ポスト資本主義時代における地域主義[真崎克彦]
 Ⅰ.ポスト資本主義――「対抗」と「構想」のバランス
 Ⅱ.地域主義の概要――「複合的かつ重層的な動き」の重視
  1 地域を包摂する「ふくらみ」
  2 近代による「裁断」の超克
 Ⅲ.地域主義の推進――「関係論的な発想」の発揚
  1 従来型からシステム思考への転換
  2 多様な経済論による「主従」関係の超克
 Ⅳ.まとめ――ポスト資本主義に向けた価値創造

第2章 「公共」の再審と地域社会――「私」を開き「共」を通じて「公」と向き合う地域社会の実践に向けて[中西典子]
 Ⅰ.はじめに
 Ⅱ.地域コミュニティへの着目と「新たな公共」
  1 「自助・共助・公助」にみる「日本版補完性原理」
  2 政策的に奨励される「新たな公共」と「分権型社会」
 Ⅲ.地域社会と「公共」をめぐる問題
  1 「コミュニティの再発見」にみる地域社会の位相
  2 「公共」の名の下で不可視化される排除と「閉じるコミュニティ」
 Ⅳ.地域社会の公共的課題への対応可能性
  1 日本における「公(おおやけ)」の伝統と「公=官/私=民」の二元論を越えて
  2 「官」と「民」がともに支える多元的な「公共」へ
  3 「私」が開く「公」と等身大の時空間から生み出される地域社会


第一部 協同性に根差したローカル経済

第3章 地域から掘り起こす新しい「豊かさ」――東日本大震災を経験した福島県二本松市の取り組みから[斎藤文彦]
 Ⅰ.はじめに
 Ⅱ.福島県二本松市の取り組み
  1 背景と東日本大震災を乗り越える努力
  2 地域おこしの諸活動
  3 オーガニックビレッジ(OV)構想の宣言と今後
 Ⅲ.オーガニックビレッジ(OV)構想が突きつける諸課題
 Ⅳ.地域に根差しつつも開かれた関係性を
 Ⅴ.結びに代えて

第4章 社会的連帯経済における互酬性の役割――パキスタンのイスラム金融マイクロファイナンス機関・アフワット[高須直子]
 Ⅰ.はじめに
 Ⅱ.パキスタンとイスラム金融マイクロファイナンスについて
  1 パキスタンについて
  2 イスラム金融について
 Ⅲ.アフワットのケース
  1 アフワットの特徴
  2 なぜ無利子融資でも拡大しているのか
  3 カスール県での取り組み
 Ⅳ.考察:アフワットにみる社会的連帯経済の互酬性と地域主義
 Ⅴ.おわりに

第5章 加工業者・グループの発展とローカル経済の関わり――タンザニア・モロゴロ州における「混合粥の素」の生産[加藤(山内)珠比]
 Ⅰ.はじめに
 Ⅱ.在来粥「リシェ」の発展
 Ⅲ.「リシェ」の製造と基準、販売
 Ⅳ.「リシェ」に対する栄養専門家からの懸念と加工業者の素早い対応
 Ⅴ.モロゴロ加工業者クラスターイニシアティブの発展
 Ⅵ.「リシェ」加工業者の事例
  1 加工グループ
  2 個人
 Ⅶ.本事例から見えてくること
 Ⅷ.むすびに――「リシェ」加工を通じたコミュニティ経済の振興

第6章 地域と「共にある」コミュニティ経済振興――ブータン山村の乳業協同組合[真崎克彦]
 Ⅰ.はじめに
 Ⅱ.コミュニティ経済研究
 Ⅲ.ブータン中部の乳業協同組合
  1 対象地域
  2 乳業協同組合
  3 組合運営の進展:「共にある」原理
 Ⅳ.まとめ


第二部 ローカリゼーションとレジリエンス

第7章 依存的自立を高めるしなやかなローカリゼーション――国内外のエコビレッジとトランジション運動[平山恵]
 Ⅰ.はじめに
 Ⅱ.エコビレッジとトランジション運動
 Ⅲ.ローカリゼーション運動の歴史と動向
  1 エコビレッジ
  2 トランジション・タウン(TT)
 Ⅳ.ローカリゼーションの実際
 Ⅴ.事例の考察
  1 本音が言える関係が作る「しなやかな」依存関係
  2 「ノン・ヒューマン」との対話で中庸な依存
  3 自発的な学びと創造の生活空間
  4 芸術の存在
 Ⅵ.ローカリゼーションの共鳴拡大「レゾナンス」
 Ⅶ.おわりに

第8章 さまよう地域、漂う地域――太平洋島嶼における地域主義の多層性と戦略的依存[関根久雄]
 Ⅰ.地域に向き合う
  1 単純な近代化からの「埋め戻し」
  2 脱・脱成長と地域主義
 Ⅱ.サブシステンスを生きる
  1 太平洋島嶼地域における経済的要素
  2 セーフティネットとしてのサブシステンス・アフルエンス
 Ⅲ.開発的公共圏を生きる――村落社会から州社会へ
 Ⅳ.レントとともに生きる――国際社会における地域主義
  1 レントに依存する太平洋島嶼国
  2 国家=開発的公共圏としての「地域」
 Ⅴ.現代に漂う地域

第9章 「取り残された地域」にとっての持続可能な開発目標――インドネシア・西ティモールの事例[堀江正伸・森田良成]
 Ⅰ.序論
 Ⅱ.SDGsの成り立ち
 Ⅲ.インドネシア開発政策におけるSDGsの導入と地域の位置づけ
 Ⅳ.村落開発の現状
  1 クパン県B村
  2 TTS県N村
 Ⅴ.結論


第三部 地域のつながりで育つ子ども

第10章 地域主義の視点から見た子ども食堂――コロナ禍の青森県における事例からの考察[平井華代]
 Ⅰ.はじめに
 Ⅱ.地域における子ども食堂の取り組み
 Ⅲ.子ども食堂の葛藤
 Ⅳ.青森県八戸こども宅食おすそわけ便の事例
 Ⅴ.調査結果
  1 参加者世帯の生活困難
  2 支援の多面的な効果
  3 ポスト・コロナでの支援
  4 課題
 Ⅵ.事例から導き出される示唆
  1 地域における新たな関わりの創出
  2 食を通じた親子支援とネットワーク形成
  3 共感を通じた地域発展:子ども食堂の役割
 Ⅶ.まとめ

第11章 子どもが紡ぐ社会的結束――ヨルダンの取り組みから[松田裕美]
 Ⅰ.序論
 Ⅱ.社会的結束と地域について
 Ⅲ.社会的結束への取り組み――ヨルダンの事例から
  1 ヨルダンの難民問題
  2 受け入れ側の負担
  3 難民支援とともに社会的結束を育む取り組み
  4 地域で子どもを繋ぐ
 Ⅳ.結論 多文化共生のその先へ


第四部 地域と関わり合う教育

第12章 持続可能な地域づくりへの大学の関わり――茨木中山間地域における取り組みから[秋吉恵]
 Ⅰ.はじめに
 Ⅱ.大学と地域の連携事業
  1 茨木市北部地域の特徴
  2 立命館大学教養教育科目茨木火起こしプロジェクト
  3 2018年度火起こしプロジェクトで起きたこと
 Ⅲ.地域外の人への期待の転換――受益者から行為主体へ
  1 なぜ北部地域の魅力を南部の子どもたちに伝えようとしたのか
  2 2018年の災害がもたらした被害と疑念
 Ⅳ.大字Sを基盤に開発事業後に展開された7つの住民組織
  1 大字Sの生活課題に対応した2つの住民組織
  2 北部地域の持続的な地域づくりへの起点となった住民組織
  3 地域を超えた社会の課題に取り組もうとした組織
 Ⅴ.変化を起こす地域と地域外の人々の関わり方
  1 地域に変化を起こす人と人の相互作用
  2 大学と地域の二者間における変容的関係性への前進
  3 関係性の前進と後退による関係性のゆらぎ
  4 関係性のゆらぎが生み出すもの
 Ⅵ.終わりに

第13章 地域の価値創造への大学のかかわり――館ヶ丘団地における取り組みから[藍澤淑雄]
 Ⅰ.はじめに――地域で暮らす者と地域にかかわりたい者
 Ⅱ.館ヶ丘団地
  1 館ヶ丘団地の現状
  2 館ヶ丘自治会
 Ⅲ.大学の地域へのかかわり――「館ヶ丘団地暮らし向上プロジェクト」
  1 「館ヶ丘団地暮らし向上プロジェクト」(館プロ)
  2 館プロの活動における自治会・学生の関係変化と地域の公共性の萌芽
 Ⅳ.館ヶ丘団地の事例から見えてきたこと
 Ⅴ.まとめ


おわりに

第14章 あいだの開発学の可能性――秋田と南アフリカの起業家たちの学び合い[工藤尚悟]
 Ⅰ.はじめに
 Ⅱ.あいだの概念
  1 あいだの定義
  2 差異を認めてあいだを拓く
  3 どのようにあいだをつなぐのか
 Ⅲ.「学び」であいだをつなぐ
  1 通域的な学びの実践:Africa-Asia Business Forum
  2 通域的な学びを通じて何を学んだのか
 Ⅳ.考察とまとめ

第15章 地域主義の意義と可能性――課題を考察する[藍澤淑雄]
 Ⅰ.地域主義の意義――「対抗」を包摂する「構想」
 Ⅱ.地域主義の可能性
  1 地域の実質的な「豊かさ」
  2 地域を再構築する「潜在力」
  3 地域を未来につなげる「ケア力」
  4 「差異」を手がかりとした地域の価値創造
 Ⅲ.おわりに――ポスト資本主義時代における関係論的な発想と地域主義
  1 ポスト資本主義時代における関係論的発想
  2 地域の可能性を手繰り寄せる
著者略歴
真崎 克彦(マサキ カツヒコ masaki katsuhiko)
国際協力の実務を経て、サセックス大学大学院にて博士号(開発学)取得。甲南大学マネジメント創造学部教授。ブータン山村にてコミュニティ経済振興の実践に従事。主要業績は『SDGs時代のグローバル開発協力論――開発援助・パートナーシップの再考』(共編著、明石書店、2019年)、‘A doctor who turned the Afghan desert green: Rectifying international aid through “pure experience”(’Journal of South Asian Research, Vol.1 No.1、2023年)、‘Exploring the “partial connections” between growth and debates: Bhutan's policy of Gross National Happiness’(Journal of Interdisciplinary Economics, Vol.34 No.1、2022年)など。
藍澤 淑雄(アイザワ ヨシオ aizawa yoshio)
青年海外協力隊としてパプアニューギニアで活動した後、国際開発に関する調査やプロジェクトに16年間従事。その間に東京大学大学院で博士号(国際協力学)取得。拓殖大学国際学部教授(コミュニティ開発論、国際協力論)。主要業績は『アフリカの零細鉱業をめぐる社会構造――貧困解消に向けたタンザニアの零細鉱業支援のあり方』(単著、日本評論社、2021年)、‘Socio-economic linkage of artisanal and small-scale miners in Tanzania’(Journal of International Development, Vol.1、2019年)、‘Artisanal and small-scale mining as an informal safety net: Evidence from Tanzania’(Journal of International Development, Wiley, Vol.28 No.7、2016年)など。
タイトルヨミ
カナ:ポストシホンシュギジダイノチイキシュギ
ローマ字:posutoshihonshugijidainochiikishugi

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