近刊検索 デルタ

2023年3月30日発売

以文社

出版社名ヨミ:イブンシャ

なぞること、切り裂くこと

虚構のジェンダー
このエントリーをはてなブックマークに追加
内容紹介
〈書きかえ〉の日本近代文学史
何かを書きつけたい切望、そしてその周囲に生じるさまざな権力関係(=書きかえ)。
近代になって書くことを与えられた女性たち。そのテクストに現れる「複雑性=書きかえ」は何を物語っているのか。文学作品のみならず、書簡、同人誌、雑誌投稿欄など、有名/無名を超えた女性たちの実践の足跡をたどる試み。
手本通りに書くためのなぞり書きが、手本をゆがめ、やがてそれを切り裂くに至るように、SNS時代の今日に通ずる、制度と個々人の関係のその「裂け目」に肉薄した、かつてない日本近代文学史。
文学という“虚構がつくるジェンダー“と、“ジェンダーそのものの虚構性”は、いかなる関係を「現実」において切り結ぶのか?
目次
序 章 書くことを拒否しながら書く──田村俊子「女作者」の複雑さ
第1章 〈女性〉を立ち上げる困難──『青鞜』における小説ジャンルの揺らぎ
第2章 自然主義が消去した欲望──森田草平「煤烟」のマゾヒズム
第3章 大正教養派的〈個性〉とフェミニズム──田村俊子・鈴木悦の愛の陥穽
第4章 労働とロマンティシズムとモダン・ガール
第5章 〈女性作家〉として生き延びる──林芙美子『放浪記』の変節
第6章 盗用がオリジナルを超えるということ──太宰治『女生徒』と川端康成の〈少女〉幻想
第7章 紫式部は作家ではない──国文学研究の乱世と文芸創作
第8章 戦後世界の見取り図を描く──野上彌生子『迷路』と田辺元の哲学
第9章 女性作家という虚構──倉橋由美子『暗い旅』盗作疑惑の周辺

あとがき


初出一覧
索引
著者略歴
小平 麻衣子(オダイラ マイコ odaira maiko)
慶應義塾大学文学部教授。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学(1997年)。博士(文学)。専門は日本近代文学、ジェンダー批評。 著書に『女が女を演じる──文学・欲望・消費』(新曜社、2008年)、『夢みる教養──文系女性のための知的生き方史』(河出書房新社、2016年)、『小説は、わかってくればおもしろい──文学研究の基本15講』(慶應義塾大学出版会,2019年)。 編著書に『文芸雑誌『若草』──私たちは文芸を愛好している』(翰林書房、2018年)、『文藝首都──公器としての同人誌』(翰林書房、2020年)などがある。
タイトルヨミ
カナ:ナゾルコト キリサクコト
ローマ字:nazorukoto kirisakukoto

※近刊検索デルタの書誌情報はopenBDのAPIを使用しています。

-- 広告 -- AD --

【AD】
今、注目すべき第三書館の本
ハイリスク・ノーリターン
公安のスパイ、山口祐二郎とは何者か

-- 広告 -- AD --

もうすぐ発売(1週間以内)

※近刊検索デルタの書誌情報はopenBDのAPIを利用しています。