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2017年10月12日発売

北大路書房

出版社名ヨミ:キタオオジショボウ

子どもの側に立つ学校

生活教育に根ざした主体的・対話的で深い学びの実現
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内容紹介
育ってほしい子どもの姿を
「自主」「連帯」「想像」「健康」の四つの側面で捉え,
カリキュラム編成の出発点とする。

生活経験を基盤とし,仲間づくりを中心に据えた「学ぶシステム」を創造・継承してきた学校。そこでは,深くて力強い協働の探究的学習が生み出されてきた。この自律的な独自のカリキュラム・マネジメントによる日々の教育課程が,「資質・能力の育成」と密接に結びついた結果,子どもたちが「何ができるようになるか」を詳述する。

■岐阜市立長良小学校について
 岐阜市立長良小学校は,日本を代表する生活教育の実践家・野村芳兵衛を戦後新教育の時代に校長とし,一貫して「子どもの側に立つ教育」の理念のもと,仲間づくりを基盤にした子どもたちの自主的・協働的な「学ぶシステム」をつくり出してきた,瞠目に値する特筆すべき公立小学校である。本書は,その教育実践に注目し,そこでの教師と子どもたちによる日々の教育の姿に迫ることによって,日本の小学校教育が独創的に発展させてきた「人間性の教育」,すなわち人づくりの教育がもつ意味と価値を明らかにしようとしたものである。_____(「はじめに」より一部抜粋)
目次
『子どもの側に立つ学校』刊行によせて
はじめに

1章 「子どもの側に立つ教育」の創造と継承
―野村芳兵衞から長良小学校へ
 1節 「子どもの側に立つ教育」のための学校
  1. 子どもたちと同じ目の高さで
  2. 仲間と磨き合い,自分の学習の宝物を築く
 2節 野村芳兵衞の生活教育思想と「子どもの側に立つ教育」
  1. 野村芳兵衞の生活教育実践論における「本を作る教育」のカリキュラム
  2. 「長良プラン」に見る野村芳兵衞の教育思想
  3. 「子どもの側に立つ教育」の方へ
 3節 教師と子どもたちの手で教育課程をつくり出す
  1. 「あおぞら」「いずみ」「みずのわ」の構想と実践
  2. 「子どもの側に立つ教育」の継承

2章 「たくましさ」を培う教育の創造
 1節 長良小学校の研究主題について
  1. はじめに
  2. 研究主題設定の理由
  3. 研究主題
 2節 研究の視点と平成27年度の取り組み
  1. 「たくましさ」を培う教育課程の編成について
  2. 個人研究のさらなる推進について
  実践例 3年生 社会科 岐阜えだまめを育てる農家
  実践例 4年生 体育科 ポートボール
  実践例 4年生 国語科 飼育活動新聞をつくろう
  実践例 1年生 音楽科 はくをかんじてリズムをうとう:「しろくまのジェンカ」
 3節 自己実現を図る力を育てる「いぶき」
  1. 目的的に生きる「主体的な自己」
  2. 自己実現を図る力を育てる「いぶき」の指導
  3. 「いぶき」の活動とは
  実践例 1年生 回れ動物ランド
  実践例 6年生 6-1の舞
  実践例 6年生 速く泳げるようになりたい
  実践例 特別支援学級 自分のめあてを決める
  実践例 3年生 価値ある生き方をとらえ,伝えていく
4.今後の方向

3章 「たくましさ」を培う授業と学級経営
 1節 たくましさ漲る授業―学習集団づくり
  1. たくましさ漲る授業の基盤―聴く力の指導
  2. 仲間とともに学び合う指導
  3. 「考えをもつ」学業指導
  実践例 4年生 社会科の実践から
 2節 「聴く」ことを大切にした学級づくり
 3節 「合言葉」で貫く学級経営
  1. 学級目標は,「合言葉」
  実践例 5年生 看板「合言葉」を掲げる
  2. 合言葉の達成に迫る「核となる活動」
  実践例 1年生 核となる活動で一点突破
 4節 二つだけの生活目標
  実践例 低学年 相手意識を高めるあいさつ
  実践例 中学年 自己意識を高めるそうじ
 5節 一人一人を大切にする学級経営
  1. 玄関で子ども一人一人を見つめる朝
  2. 子どもと汗にまみれる外遊び
  3. 一人一人のよさを位置づけた教室環境
 6節 「たくましさ」を培う土壌づくり
  1. 朝マラソンで心身の活性化―継続は力なり
  2. ノーチャイムの生活―自律性を高める

4章 自主性・連帯性・創造性・健康を育む「ひらがな活動」
 1節 長良小学校の特別活動
 2節 「くらし」(学級活動)
  1. 「くらし」の願い
  2. 「くらし」の単位時間の指導で大切にすること
  3. 「くらし」の授業構造
 3節 「みずのわ活動」(児童会活動)
  1. 「みずのわ」とは
  2. 「みずのわ」で育てる「政治する力」
  3. みずのわ活動の実際
  実践例 みずのわ 一人一人の居場所づくり
 4節 全校係活動
  1. 指導の立場
  2. ねらい
  3. 一年間の指導(例)
 5節 飼育・栽培活動
  1. 指導の立場
  2. ねらい
  3. 取り組み組織と常時活動の例
 6節 「いずみ」(クラブ活動)
  1. 原点からの「いずみ」のとらえ
  2. 「いずみ」におけるたくましさ

5章 仲間づくりの生活としての授業―仲間とともに学び合うシステムをつくり出す
 1節 「守り合っておちつき」「助け合ってたのしみ」「教え合っては

げむ」を基盤にした協働学習の「活動システム」
 2節 子どもたちへの信頼にもとづく授業―学習の責任と権限を委ねる
 3節 自分の願いをもって仲間と高め合う授業

6章 「いぶき」活動と授業における学級づくり―言葉かけによる「自立す

る力」の育成
 1節 長良小学校の福地学級における一日の始まりについて
―「朝のいぶき」の活動
 2節 長良小学校の福地学級における生活としての授業について
―理科の授業を例にして
 3節 長良小学校の福地学級における一日の終わりについて
―「帰りのいぶき」の活動
 4節 「自立する力」の育成―「芳兵衞イズム」の思想


7章 「みずのわ」活動における学校づくり―異学年混合の児童会活動による「政治する力」の育成
 1節 「みずのわ」活動の始まりと「部制」
 2節 野村芳兵衞における「個性づくり」と「仲間づくり」を統合する
教育の場としての「部制」の概念
 3節 政治する力を育む「みずのわ」の思想と現在の在り方
 4節 「みずのわ運動会」の実践における「みずのわ」の思想
 5節 「みずのわ」に継承された野村芳兵衞の思想

8章 座談会1 野村芳兵衞先生の教育を語る会
 野村芳兵衞の人物像
 女性教師と家庭科教育をめぐる野村芳兵衞の信念―民主主義を教えるということ/野村芳兵衞の人物像―掃除のこだわりと植物採集・昆虫採集/学校長としての野村芳兵衞の姿/野村芳兵衞の徹明小学校への転任/ゆすら会について
 第1回作文教育全国協議会(中津川大会)でのできごと
 カリキュラムと「部制」についての語り
 「部制」についての語り/野村芳兵衞からの「子どもの側に立つ教育」の継承/「教科に生きる」長良と「子どもの側に立つ」長良にみる「芳兵衞イズム」/「長良プラン」を推進したころの記憶

9章 座談会2 子どもの可能性を信じ, 独自な教育課程を創造する長良小学校
 長良小学校が求め続けてきたもの
 長良の教師たちに共有されてきたもの
 子どもの見方から学ぶ教師
 次期学習指導要領と長良小学校のこれから
 子どもを人間としてまるごととらえることと学校の総合力

10章 教師インタビュー 同行する教師たち―日々の苦闘と飛躍
 宮川和文:子どもの考え方を見つめて/学び方の指導と子どもの生活経験/子どもたちの主体的な問題解決を中心に/校外学習や修学旅行での子どもたちの追求/学習を通して自分の考えをもつ/自ら意欲的に学ぶ子どもたちに対する喜び
 福地浩太:「ねばならない」から「そうでありたい」への転換/「いぶき」の担当者として/「いぶき」における学級独自の活動/観察から始まる理科学習/学年と教科を超えた観察学習
 楯 朝忠:本質を求める長良小学校/学級の「合言葉」に向かう毎日の生活/子どもに寄り添う一日の中で/社会科の地域学習における子どもたち
 杉野 翼:子どもの側に立つ/みんなで問題を解決していく授業/「みずのわ」における子どもの自主性と成長
 堀田佐和子:子どもの立場を考える/子どもたちを引き込む図画工作科授業/願いを絵で表現する子どもたちの姿
著者略歴
山住 勝広(ヤマズミ カツヒロ yamazumi katsuhiro)
山住 勝広(やまずみ・かつひろ) 関西大学文学部教授。博士(学術)(神戸大学)。 専門は,教育方法学,活動理論。 著書に,『教科学習の社会文化的構成』(勁草書房,1998),『拡張する学校』(東京大学出版会,2017),『ノットワーキング』(共編著,新曜社,2008)ほか。
タイトルヨミ
カナ:コドモノガワニタツガッコウ
ローマ字:kodomonogawanitatsugakkou

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