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定価:4,620円(4,200円+税)
判型:A5
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内容紹介
▼実験経済学の最先端が示す2015年「ポスト京都」への指針
不確実性に満ちた現実社会では市場は必ずしもうまく機能しない。温暖化ガスの総排出量を制御できても、効率性が常に達成されるわけではないのだ。
本書は、被験者を用いた実験分析とコンピュータ・シミュレーション分析を駆使して、多様な主体からなる市場の姿と取引の帰結を解明、2015年に向け新たな交渉が進む排出権取引市場の制度設計に具体的指針を示す。
不確実性に満ちた現実社会では市場は必ずしもうまく機能しない。温暖化ガスの総排出量を制御できても、効率性が常に達成されるわけではないのだ。
本書は、被験者を用いた実験分析とコンピュータ・シミュレーション分析を駆使して、多様な主体からなる市場の姿と取引の帰結を解明、2015年に向け新たな交渉が進む排出権取引市場の制度設計に具体的指針を示す。
目次
はしがき
序章 排出権取引の光と影
1 ヒトの特性と排出権取引
2 米国の二酸化硫黄排出権取引
3 本書の目的
第1章 排出権取引のしくみ
1 はじめに
2 京都議定書での削減分担
3 数値例で考える排出権取引
3.1 最小の削減総費用は?
3.2 割り当てられた削減量を自国だけで減らした場合
3.3 排出権取引のルール
3.4 排出権取引を使うとどうなるか
4 排出権取引の問題点
5 次章以降の排出権取引実験の概略
5.1 排出権取引実験の特徴
5.2 第2章実験
5.3 第3章実験
5.4 第4章実験
5.5 第5章実験
5.6 ペナルティ制度シミュレーション
6 おわりに
第2章 削減投資が可逆的でタイムラグがない状況での排出権取引
1 はじめに
2 相対取引
2.1 実験のデザイン
2.2 実験結果
3 ダブルオークション
3.1 実験のデザイン
3.2 実験結果
4 結語
第3章 削減投資の非可逆性とタイムラグの効果の分析
1 はじめに
2 モデル
2.1 排出権取引制度の枠組み
2.2 利潤関数および効用関数
2.3 第2期の市場の均衡の導出
2.4 第1期における各主体の最適行動の導出
2.5 第1期の均衡価格と価格変動パターンの導出
3 実験のデザイン
4 移動均衡
5 余剰のロスの評価
6 結果
6.1 静学的な分析
6.2 価格ダイナミクスの分析
7 結語と政策的含意
第4章 責任制度実験
1 はじめに
2 責任制度
2.1 責任制度の種類
2.2 売手責任制度の数値例
2.3 買手責任制度の数値例
3 投資の特徴
3.1 単年度のSMC とLMC の導出
3.2 投資のタイムラグの導入
3.3 投資の非可逆性の導入
3.4 実験での設定
4 実験手続き
5 買手責任制度における意図的デフォルト
5.1 仮定
5.2 非デフォルト戦略の利潤
5.3 取引国先買手責任制度で意図的デフォルト戦略を用いたときの
利潤
5.4 議定書先買手責任制度で意図的デフォルト戦略を用いたときの
利潤
5.5 非デフォルト戦略 vs. 意図的デフォルト戦略
6 実験結果
6.1 静学的な分析
6.2 動学的な価格変動プロセスの分析
7 結語
第5章 売却上限が排出権取引に与える効果の実験分析
1 はじめに
2 排出権の売買制限の経済学的分析
2.1 排出権の買い手国に対する制限の効果
2.2 排出権の売り手国に対する制限の効果
2.3 売買制限の単純な理論分析の問題点
3 約束期間リザーブとは何か
4 実験のデザイン
4.1 「正味売却量」という概念の導入
4.2 売却上限による正味売却量の制限
4.3 2種類の売却上限の導入
4.4 正味売却量が売却上限を超えたときの回復方法
4.5 他の被験者の売却上限、正味売却量、および売却上限の達成状
況
4.6 実験の手続き
5 実験結果
5.1 静学的な分析
5.2 動学的な分析
6 おわりに
第6章 排出権取引のエージェント・ベース・シミュレーション
――不遵守ペナルティ制度の評価
1 はじめに
2 第4章実験とシミュレーションのルールの違い
2.1 第4章実験での排出権取引ルールの要点
2.2 シミュレーションでの排出権取引ルール
3 学習アルゴリズム
4 不遵守ペナルティ制度
5 シミュレーション結果
6 結語と政策的インプリケーション
索引
序章 排出権取引の光と影
1 ヒトの特性と排出権取引
2 米国の二酸化硫黄排出権取引
3 本書の目的
第1章 排出権取引のしくみ
1 はじめに
2 京都議定書での削減分担
3 数値例で考える排出権取引
3.1 最小の削減総費用は?
3.2 割り当てられた削減量を自国だけで減らした場合
3.3 排出権取引のルール
3.4 排出権取引を使うとどうなるか
4 排出権取引の問題点
5 次章以降の排出権取引実験の概略
5.1 排出権取引実験の特徴
5.2 第2章実験
5.3 第3章実験
5.4 第4章実験
5.5 第5章実験
5.6 ペナルティ制度シミュレーション
6 おわりに
第2章 削減投資が可逆的でタイムラグがない状況での排出権取引
1 はじめに
2 相対取引
2.1 実験のデザイン
2.2 実験結果
3 ダブルオークション
3.1 実験のデザイン
3.2 実験結果
4 結語
第3章 削減投資の非可逆性とタイムラグの効果の分析
1 はじめに
2 モデル
2.1 排出権取引制度の枠組み
2.2 利潤関数および効用関数
2.3 第2期の市場の均衡の導出
2.4 第1期における各主体の最適行動の導出
2.5 第1期の均衡価格と価格変動パターンの導出
3 実験のデザイン
4 移動均衡
5 余剰のロスの評価
6 結果
6.1 静学的な分析
6.2 価格ダイナミクスの分析
7 結語と政策的含意
第4章 責任制度実験
1 はじめに
2 責任制度
2.1 責任制度の種類
2.2 売手責任制度の数値例
2.3 買手責任制度の数値例
3 投資の特徴
3.1 単年度のSMC とLMC の導出
3.2 投資のタイムラグの導入
3.3 投資の非可逆性の導入
3.4 実験での設定
4 実験手続き
5 買手責任制度における意図的デフォルト
5.1 仮定
5.2 非デフォルト戦略の利潤
5.3 取引国先買手責任制度で意図的デフォルト戦略を用いたときの
利潤
5.4 議定書先買手責任制度で意図的デフォルト戦略を用いたときの
利潤
5.5 非デフォルト戦略 vs. 意図的デフォルト戦略
6 実験結果
6.1 静学的な分析
6.2 動学的な価格変動プロセスの分析
7 結語
第5章 売却上限が排出権取引に与える効果の実験分析
1 はじめに
2 排出権の売買制限の経済学的分析
2.1 排出権の買い手国に対する制限の効果
2.2 排出権の売り手国に対する制限の効果
2.3 売買制限の単純な理論分析の問題点
3 約束期間リザーブとは何か
4 実験のデザイン
4.1 「正味売却量」という概念の導入
4.2 売却上限による正味売却量の制限
4.3 2種類の売却上限の導入
4.4 正味売却量が売却上限を超えたときの回復方法
4.5 他の被験者の売却上限、正味売却量、および売却上限の達成状
況
4.6 実験の手続き
5 実験結果
5.1 静学的な分析
5.2 動学的な分析
6 おわりに
第6章 排出権取引のエージェント・ベース・シミュレーション
――不遵守ペナルティ制度の評価
1 はじめに
2 第4章実験とシミュレーションのルールの違い
2.1 第4章実験での排出権取引ルールの要点
2.2 シミュレーションでの排出権取引ルール
3 学習アルゴリズム
4 不遵守ペナルティ制度
5 シミュレーション結果
6 結語と政策的インプリケーション
索引
著者略歴
西條 辰義(サイジョウ タツヨシ saijou tatsuyoshi)
高知工科大学制度設計工学研究センター・ディレクター、マネジメント学部教授。大阪大学環境イノベーションデザインセンター特任教授。
1975年香川大学経済学部卒業、1978年一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了、1985年ミネソタ大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。オハイオ州立大学講師、カリフォルニア大学サンタバーバラ校助教授、筑波大学教授、大阪大学環境イノベーションデザインセンター教授を経て2013年より現職。専門は、制度設計工学、実験経済学、環境経済学。
主要著書に、『地球温暖化問題の経済学』(共著、大阪大学出版会、2009年)、『実験経済学への招待』(編著、NTT出版、2007年)、『社会科学の実験アプローチ』(共編、勁草書房、2007年)、『地球温暖化対策――排出権取引の制度設計』(共著、日本経済新聞社、2006年)など。
草川 孝夫(クサカワ タカオ kusakawa takao)
広島修道大学経済科学部准教授。
1999年早稲田大学商学部卒業、2001年大阪大学大学院経済学研究科博士前期課程修了、2004年大阪大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(経済学)。専門は、実験経済学的手法を用いた制度設計。
主要論文に、“An experimental investigation of a third-person enforcement in a prisoner’s dilemma game,” Economics Letters, 117(3), 2012/12(共著)、「集合住宅における排出権取引の制度設計――摂津市南千里丘の事例」『都市問題研究』2009年9月号(都市問題研究会、共著)、“When do noise traders affect stock prices? An experimental study,” Proceedings of Asian FA/NFA 2008 International Conference, 2008/7(共著)など。
タイトルヨミ
カナ:ハイシュツケントリヒキ
ローマ字:haishutsukentorihiki
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