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2019年2月23日発売

慶應義塾大学出版会

出版社名ヨミ:ケイオウギジュクダイガクシュッパンカイ

監視カメラと閉鎖する共同体

敵対性と排除の社会学
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内容紹介
異物を敵視し、不安に揺れる私たち
なぜ監視カメラの急速な拡大が生じたのか。
誰がその設置活動を担ったのか。
日本社会の監視化の実態を鋭く捉えなおす力作。


急速に監視化を進める現代社会。
GPS や生体認証などの技術の急速な広がりは、
従来のような政府の統制や隣組による相互監視とは異なる様式の監視が
社会的に受容され、日常の風景の一部になりつつあることを示している。
そのなかでも特に日常化したものの代表例が「監視カメラ」である。

なぜ監視カメラの急速な拡大が生じたのか。誰がその設置活動を担ったのか。
日本社会の監視化の実態を鋭く捉え直す力作。
目次
はじめに

第1章 監視社会研究再考
 1 はじめに
 2 監視カメラの効果研究とそれを支えるもの
 3 近代化と国民国家による社会の監視
 4 消費社会と技術による情報の管理
 5 本書の視座

第2章 監視カメラ表象の変遷
 1 はじめに
 2 公的機関による監視カメラの設置と普及
  2-1 1950~1960年代/2-2 1970~1980年代/
  2-3 1990~2000年代
 3 民間における監視カメラの設置と普及
  3-1 1950~1960年代/3-2 1970~1980年代/
  3-3 1990~2000年代
 4 おわりに

第3章 地域における監視カメラ設置の論理
 1 はじめに
 2 調査の概要
 3 なぜ監視カメラは設置されるのか
 4 監視カメラ設置の舞台裏
 5 監視カメラをめぐる「物語」の構成
 6 おわりに

第4章 現代の閉じた卜占
 1 はじめに
 2 監視カメラの経験的な機制
 3 分析の枠組み
 4 現代の卜占としての監視カメラ
  4-1 現代の監視カメラの特徴/4-2 2方向の解釈/
  4-3 閉じた卜占
 5 おわりに

第5章 地域住民が監視カメラによせる別様の意味
 1 はじめに
 2 地域の概要
 3 第Ⅰ期 意味の競合
  3-1 監視カメラの課題化(~2004年秋)/
  3-2 警察の設置提案と自治会の拒否(2004年秋~2005年3月)
 4 第Ⅱ期 意味の統合
  4-1 協議会における再提案(2006年7月~12月)/
  4-2 まちづくりのための監視カメラという意味の形成(2006年
  12月~2007年12月)/
  4-3 関係者の間接的な支援と設置の正当化(2008年1月~2008年
  12月)
 5 第Ⅲ期 意味の弱体化(~2009年6月)
 6 おわりに

終 章 開かれた反省性と閉じた反省性
 1 監視カメラとコミュニティの循環的構成
 2 3つの機制による空間の再定義
 3 反復的な異物の視聴と自己撞着としての権力
 4 権力の文脈を確定する共同体の呪術
 5 2つの反省性

あとがき
参考文献
索引
著者略歴
朝田 佳尚(アサダ ヨシタカ asada yoshitaka)
京都府立大学公共政策学部准教授 1978年生まれ。2009年、京都大学大学院文学研究科行動文化学専攻社会学専修単位取得退学。 2012年課程博士。京都府立大学公共政策学部講師を経て、2015年より現職。 主要論文に、「偽装されたセキュリティ」『現代思想』(35巻14号)、「現代の閉じた卜占」『現代の社会病理』(26号)等がある。
タイトルヨミ
カナ:カンシカメラトヘイサスルキョウドウタイ
ローマ字:kanshikameratoheisasurukyoudoutai

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