近刊検索 デルタ

2021年6月9日発売

彩流社

出版社名ヨミ:サイリュウシャ

ハロルド・ピンター

不条理演劇と記憶の政治学
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内容紹介
英国の劇作家ハロルド・ピンターは代表作『誕生日パーティー』が
興行的不振のために、早々と打ち切られるなど
正当な評価を得ることができていなかったが、
1960年初演『管理人』の成功によって一躍注目を集め、
65年初演の名作『帰郷』によって不動の名声を確立した。
80年初演の『温室』以降は、国際社会における人権侵害や弾圧などに
対して積極的に発言をするようになり、活動家として様々な問題に
コミットしつつ、幾つもの優れた政治劇を世に送り出した。
96年初演の『灰から灰へ』は、後期における彼の代表作である。
本書は、第一章で、言語に関わるピンターの問題意識を考察し、
続く第二章では、彼の作品群に描かれるミスコミュニケーション、
あるいは社会学者クラウス・ミューラーが
「歪曲されたコミュニケーション」と名づけたものの表象を分析し、
それらに表出する記憶の政治学のあり方を読み解いた。
第二部をなす三つの章も、多くの点でこの第一部の議論を引き継ぐもの
であるが、ここでは第一部で提示した読解から零れ落ちてしまった論点
をも拾い上げながら、『誕生日パーティー』『温室』『管理人』『帰郷』、
そして後期の政治劇といった彼の代表作を詳細に検討していく。
第一部におけるミスコミュニケーションに関する議論、第二部における
ピンター劇の暴力性に関わる議論、そして本書全体に通底する
記憶の政治学というテーゼは、いずれも「ホロコースト」という
歴史上の大事件と多かれ少なかれ関係しているのである。

【目次】
1章 ホロコーストのあとで(1)
2章 ホロコーストのあとで(2)
3章 死産するスタンリーと声の剥奪
4章 何かが起こる/何も起きない
5章 言語、政治、記憶
目次
1章 ホロコーストのあとで(1)
2章 ホロコーストのあとで(2)
3章 死産するスタンリーと声の剥奪
4章 何かが起こる/何も起きない
5章 言語、政治、記憶
著者略歴
奥畑 豊(オクハタユタカ okuhatayutaka)
Yutaka Okuhata 1990年生まれ。日本女子大学文学部英文学科専任講師。 慶應義塾大学文学部卒。東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了。 ロンドン大学バークベック校大学院博士課程修了(PhD)。 単著に Angela Carter's Critique of Her Contemporary World : Politics, History, and Mortality (Peter Lang, 2021)、 主な論文に 「ハリウッド、冷戦、家庭 :Angela CarterのThe Passion of New Eveにおける女性像の構築」 (『英文学研究』95巻 2018年)、 「ハロルド・ピンターの政治劇におけるユダヤ性、記憶、声の剥奪」 (広瀬佳司・伊達雅彦編『ユダヤの記憶と伝統』、彩流社、2019年) などがある。
タイトルヨミ
カナ:ハロルドピンター
ローマ字:harorudopintaa

※近刊検索デルタの書誌情報はopenBDのAPIを使用しています。

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