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2021年10月30日発売

ナカニシヤ出版

ラボラトリー・ライフ 科学的事実の構築

科学的事実の構築
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内容紹介
アクターネットワーク理論の源流に迫る!

21世紀前半において最も注目される思想家の一人ブリュノ・ラトゥールと社会学者スティーヴ・ウールガーによるラボのエスノグラフィー第一世代の代表的研究にして、科学人類学・科学社会学における「古典」、待望の邦訳


囲碁のゲームは何もない盤面から始まり,盤面に一手ずつ石が置かれていく。置かれた石がチェスのように盤面を動くことはない。よって,最初の一手はほぼ完全に偶然的であるのだが,対局が進行するにつれて,どこにでも石を打つことはどんどんと容易ではなくなっていく。つまり,科学の闘争の場のように,前の手の結果が可能な次の手の組み合わせに変換されるのである。すべての手が同等に可能ではなくなるのだ。(「第6章 無秩序からの秩序の創造」より)

●著者紹介

ブリュノ・ラトゥール
トゥール大学でPh. Dを取得。フランスのパリ国立高等鉱業学校イノベーション社会学センター教授,パリ政治学院メディアラボ教授を経て,現在パリ政治学院名誉教授。2020年にスピノザ賞,2021年に京都賞が授与されるなど,数々の受賞歴がある。
専門は科学技術社会学/社会思想。主著に,『科学が作られているとき――人類学的考察』(原著1987年/邦訳1999年),『虚構の「近代」――科学人類学に警告する』(原著1991 年/邦訳2008 年),『社会的なものを組み直す――アクターネットワーク理論入門』(原著2005 年/邦訳2019 年)などがある。

スティーヴ・ウールガー
ケンブリッジ大学でPh. Dを取得。イギリスのブルネル大学イノベーション/文化/技術研究センター教授,オックスフォード大学サイード・ビジネス・スクール教授を経て,現在オックスフォード大学名誉教授。2008 年に,
科学技術社会論(STS)で名誉あるジョン・デズモンド・バナール賞を受賞。
専門は科学技術社会学。主著に,ドロシー・ポーラッチとの共著で「オントロジカル・ゲリマンダリング――社会問題をめぐる説明の解剖学」(原著1985 年/翻訳2006 年),Knowledge and reflexivity.(1988 年)やVirtual society? technology, cyberbole, reality: New frontiers in the socology of knowledge.(2002 年)など。
目次
 第2版へのはしがき
 謝 辞
 序 文(ジョナス・ソーク)

01 秩序から無秩序へ

 1 観察者と科学者

 2 社会的なものと科学的なもの:参与者のための資源

 3 社会的なものと科学的なもの:観察者のジレンマ

 4 科学の「人類学」

 5 秩序の構築

 6 資料と方法

 7 本書の構成

02 ラボを訪れた人類学者

 1 文書への描出

 2 ラボの文化

  神経内分泌学についての論文
   「現象工学」

 3 文書と事実

  出版物のリスト
  言明タイプ
  言明タイプの変換

 4 結 論

03 事実の構築:TRF(TRH)の場合

 1 さまざまな文脈の中にあるTRF(TRH)

 2 専門分野の略図を描く:TRF(TRH)の単離と特性解析

 3 戦略の選択

 4 新たな投資による競争相手の排除

 5 新たな対象の構築

 6 TRFのペプチド性

 7 可能性を絞り込む

 8 TRFは他のネットワークへ

04 事実のマイクロプロセッシング

 1 会話における事実の構築と分解

 2 「思考プロセス」の社会学的分析

 3 事実と人工物

05 信用のサイクル

 1 信用:報賞と信頼資本

  何が科学者を動機づけるのか?
  報賞としての信用の概念が持つ限界
  信頼資本の追求
  ある信頼資本の形式から別の信頼資本の形式への転換
  信頼できる情報に対する需要

 2 戦略,ポジション,キャリアパス

  履歴書
  ポジション
  キャリアパス
  集団構造
  集団力学

06 無秩序からの秩序の創造

 1 ラボを創造する:私たちの議論における主要な要素

 2 無秩序からの秩序〔の創造〕

 3 古い虚構に取って代わる新しい虚構?

参考文献

第2版へのあとがき(1986)

  急進主義的なものはいかにして急進主義的なのか
  民族誌的であるとはどういうことなのか
  哲学の居場所
  「社会的」なものという言葉の消滅
  反省性
  結 論

解説論文 経験的研究においてブリュノ・ラトゥールの理論はいかなる意義を持つのか――ラトゥールが行なった経験的研究の比較検討に基づくアクターネットワーク理論の学説史/理論研究(金信行)

 1 はじめに

 2 「インフラ理論」あるいは「インフラ言語」とはいかなるものか
 
 3 科学技術を取り上げたラトゥールの経験的研究

  神経内分泌学ラボの人類学的研究
  炭疽ワクチン開発の科学史研究
  自動運転地下鉄開発プロジェクトの人類学的研究

 4 ANTとはいかなる「インフラ理論」あるいは「インフラ言語」であるのか

  ラトゥールの研究史において本訳書が持つ特徴
  「ANTとはいかなる「インフラ理論」あるいは「インフラ言語」であるのか」

 5 おわりに

 監訳者あとがき

  ラボ研究の古典としての本書の独創性
  翻訳について

  事項索引
  人名索引
著者略歴
ブリュノ・ラトゥール(ブリュノ ラトゥール buryuno ratuuru)
トゥール大学でPh. Dを取得。フランスのパリ国立高等鉱業学校イノベーション社会学センター教授,パリ政治学院メディアラボ教授を経て,現在パリ政治学院名誉教授。2020年にスピノザ賞,2021年に京都賞が授与されるなど,数々の受賞歴がある。 専門は科学技術社会学/社会思想。主著に,『科学が作られているとき――人類学的考察』(原著1987年/邦訳1999年),『虚構の「近代」――科学人類学に警告する』(原著1991 年/邦訳2008 年),『社会的なものを組み直す――アクターネットワーク理論入門』(原著2005 年/邦訳2019 年)などがある。
スティーヴ・ウールガー(スティーヴ ウールガー sutiiヴ uurugaa)
ケンブリッジ大学でPh. Dを取得。イギリスのブルネル大学イノベーション/文化/技術研究センター教授,オックスフォード大学サイード・ビジネス・スクール教授を経て,現在オックスフォード大学名誉教授。2008 年に, 科学技術社会論(STS)で名誉あるジョン・デズモンド・バナール賞を受賞。 専門は科学技術社会学。主著に,ドロシー・ポーラッチとの共著で「オントロジカル・ゲリマンダリング――社会問題をめぐる説明の解剖学」(原著1985 年/翻訳2006 年),Knowledge and reflexivity.(1988 年)やVirtual society? technology, cyberbole, reality: New frontiers in the socology of knowledge.(2002 年)など。
立石 裕二(タテイシ ユウジ tateishi yuuji)
関西学院大学 社会学部 教授 主要著作・論文:『環境問題の科学社会学』(世界思想社,2011 年),「気候変動と専門家:2つの「現場」のつながりに注目して」(『環境社会学研究』,2020 年)。
森下 翔(モリシタ ショウ morishita shou)
大阪大学社会技術共創研究センター 特任研究員 主要著作・論文:「「融合」としての認識=存在論:「非-自然主義的」な科学実践を構成する「観測データへの不信」と「ア・プリオリなデータ」の概念」(『文化人類学』, 2020 年),「不可視の世界を畳み込む : 固体地球物理学の実践における「観測」 と「モデリング」」(『文化人類学』,2014 年)。
金 信行(キム ノブユキ kimu nobuyuki)
東京大学大学院学際情報学府社会情報学コース博士課程 主要著作・論文:‘On“infra-theory”or“infra-language”: A clarification of Actor-Network Theory via Bruno Latour's case studies.’(Journal of Asian Sociology,2019 年),「遂行性アプローチと価値評価研究――ドナルド・マッケンジーの5概念の展開可能性」(『日本情報経営学会誌』,2020年)。
猪口 智広(イノクチ トモヒロ inokuchi tomohiro)
東京大学大学院学際情報学府文化・人間情報学コース博士課程,大正大学 非常勤講師,理化学研究所革新知能統合研究センター(AIP)研究パートタイマー ほか 主要著作・主要論文:From Cyborgs to Companion Species: Affinity and Solidarity in Donna Haraway's Feminist Theory(. Applied Ethics: The Past, Present and Future of Applied Ethics,2017 年)
小川 湧司(オガワ ユウジ ogawa yuuji)
一橋大学大学院社会学研究科(博士前期課程)修了
水上 拓哉(ミズカミ タクヤ mizukami takuya)
東京大学大学院学際情報学府文化・人間情報学コース博士課程,単位取得退学 理化学研究所革新知能統合研究センター(AIP)リサーチアソシエイト,帝京大学 非常勤講師 主要著作・主要論文:「ソーシャルロボットの倫理における仮想的行為者性概念の可能性と限界」(『 新進研究者Research Notes』,2020年),「技術的人工物による「発話」の道徳的身分について――言語行為論の枠組みを用いた検討」(『哲学の門』,2020 年)
吉田 航太(ヨシダ コウタ yoshida kouta)
東京大学大学院総合文化研究科博士課程 主要著作・主要論文:「インフラストラクチャー/バウンダリーオブジェクトにおける象徴的価値の問題」(『文化人類学』, 2018 年),『ワードマップ科学技術社会学』(新曜社,分担執筆,2021 年)
タイトルヨミ
カナ:ラボラトリーライフ
ローマ字:raboratoriiraifu

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ナカニシヤ出版の既刊から
梅田拓也/編集 近藤和都/編集 新倉貴仁/編集
市村元/編集 音好宏/編集 「地方の時代」映像祭実行委員会/編集
立見淳哉/編集 長尾謙吉/編集 三浦純一/編集
寺沢秀一/編集 林寛之/編集 氏家靖浩/編集
もうすぐ発売(1週間以内)
東洋経済新報社:城田真琴 
第三書館:高島利行 
集英社:堂場瞬一 
現代書館:インティ・シャベス・ペレス みっつん 

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