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2019年8月14日発売

青弓社

ネット右派の歴史社会学

アンダーグラウンド平成史1990-2000年代
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内容紹介
保守的・愛国的な信条を背景に、その言動でしばしば他者を排撃する「ネット右派」。彼らはどのように生まれ、いかに日本社会を侵食していったのか。その真の意図とは何だったのか。

前史にあたる1990年代の雑誌論壇と草創期のネット論壇、55年体制の崩壊から現政権の成立までの政治状況、マンガ・アニメや「2ちゃんねる」などの文化状況、歴史教科書問題や外国人労働者問題、日本会議・在特会・極右組織などの団体の動向――。

日本社会に全面展開するネット右派の2000年代までを、嫌韓・反リベラル市民・歴史修正主義・排外主義・反マスメディアという5つのアジェンダ(論題)と、サブカル保守・バックラッシュ保守・ネオナチ極右・ビジネス保守という4つのクラスタ(担い手)からあざやかに分析する。

圧巻の情報量で「ネット右派の現代史」と「平成のアンダーグラウンド」を描き出す「ネット/右翼」研究の決定版。
目次
はじめに

第1章 新保守論壇と嫌韓アジェンダ――一九九〇年代前半まで
 1 既成保守論壇から新保守論壇へ
 2 『SAPIO』の登場とその後の右傾化
 3 嫌韓アジェンダと反日アジェンダ
 4 『SAPIO』の反日国家スキームの変遷
 5 ジャパンバッシングの嵐のなかから
 6 日本版反ユダヤ主義と陰謀論
 7 「日韓論争」の展開
 8 反日嫌韓スキームの成立
 9 『醜い韓国人』をめぐる動き
 10 歴史認識をめぐる神学論争
 11 リベラル派対保守派の代理戦争
 12 嫌韓アジェンダをめぐるいくつかの通説

第2章 サブカル保守クラスタと反リベラル市民アジェンダ――一九九〇年代半ばまで
 1 リベラル市民主義の盛り上がり
 2 日本型市民社会論と戦後民主主義
 3 市民主義への自己批判という問題意識
 4 ユーフォリアのなかのリベラル市民主義ブーム
 5 小林よしのりによる市民運動批判
 6 市民主義批判から戦後民主主義批判へ
 7 リベラル市民主義の擁護者としての『朝日新聞』
 8 大月隆寛による市民主義批判
 9 サブカル保守クラスタの形成
 10 「市民」対「庶民」の階級対立
 11 サブカル保守クラスタとオタク文化との親和性
 12 戦後民主主義と戦闘サブカルチャー
 13 「上から目線」へのアンチテーゼとして

第3章 バックラッシュ保守クラスタと歴史修正主義アジェンダ――一九九〇年代後半まで
 1 東京裁判史観と歴史教科書問題
 2 バックラッシュ保守クラスタの台頭
 3 自由主義史観研究会から「つくる会」へ
 4 サブカル保守クラスタからの流れ
 5 権威主義と反権威主義との野合
 6 戦前エスタブリッシュメントと戦後エスタブリッシュメント
 7 右からの引力と左からの斥力
 8 ホロコースト否定論と日本型歴史修正主義
 9 サブカル保守クラスタと歴史修正主義アジェンダとの親和性
 10 善悪二元論批判と歴史的物語観
 11 三つのアジェンダの統合と新保守論壇の完成

第4章 ネット右派論壇と保守系・右翼系の二つのセクター――一九九〇年代後半まで
 1 ネット右派論壇の形成
 2 密教を真に受けた人々
 3 掲示板文化とメーリングリスト文化
 4 ネット右派論壇を構成するサイト
 5 新保守論壇の流れを汲む保守系セクター
 6 右翼・民族派の流れを汲む右翼系セクター
 7 保守と右翼との位置付けをめぐって
 8 右翼・民族派をめぐる当時の状況
 9 日本ちゃちゃちゃ倶楽部(日本茶掲示板)――保守系セクターを代表する存在
 10 鐵扇會――既成右翼系クラスタを代表する存在
 11 右翼共和派――新右翼系クラスタを代表する存在

第5章 ネオナチ極右クラスタと排外主義アジェンダ――二〇〇〇年前後まで
 1 ヨーロッパ極右の流れを汲むネオナチ極右クラスタ
 2 外国人労働者問題と外国人犯罪問題
 3 ヨーロッパ極右をめぐる当時の状況
 4 瀬戸弘幸と世界戦略研究所
 5 篠原節と民族思想研究会
 6 農本主義とエコロジー
 7 「血と土」のイデオロギー
 8 民族主義とディープエコロジー
 9 反ユダヤ主義から外国人労働者排斥へ
 10 山田一成と国家社会主義日本労働者党
 11 ネオナチ極右クラスタの形成
 12 ナチサブカルチャーへの強い志向
 13 「三国人発言」と外国人参政権問題
 14 日本茶掲示板と民団掲示板との論戦
 15 嫌韓アジェンダと排外主義アジェンダとの結合
 16 ネット右派論壇内部のカルチュラルポリティクス
 17 サブカル保守クラスタとナチサブカルチャーとの親和性
 18 民族主義の構造転換
 19 差別主義への志向とカルト宗教
 20 ナショナリズム・ナチュラリズム・スピリチュアリズム

第6章 2ちゃんねる文化と反マスメディアアジェンダ――二〇〇〇年代前半まで
 1 ネット常民としての2ちゃんねらー
 2 「ニホンちゃん」と観客民主主義
 3 2ちゃんねる初の大規模な炎上騒ぎ
 4 屈折した反権威主義の精神
 5 プロ市民概念の発明
 6 「悪い子」的キャラクターと「ダメな子」的キャラクター
 7 ネトウヨ底辺説をめぐる誤解
 8 反リベラル市民から反マスメディアへ
 9 マスメディアのインチキを暴く
 10 女性国際戦犯法廷とNHKの番組改変
 11 朝日新聞叩きの系譜
 12 明示的な偏向批判と暗黙的な特権批判
 13 アングラネット論壇での朝日新聞不買運動
 14 フジテレビ叩きに至る経緯
 15 日韓共催ワールドカップサッカーをめぐって
 16 韓流ゴリ押し姿勢をめぐる誤解
 17 親殺しとしてのフジテレビ叩き
 18 新旧メディアの階級対立
 19 反日マスコミ批判の動き

第7章 ネット右派の顕在化――二〇〇〇年代後半まで
 1 反知性主義の構造転換
 2 エンジョイコリアでの日韓論争
 3 ネイバー総督府とバファリン作戦
 4 反知性主義対主知主義という構図
 5 専門知対集合知という構図
 6 集団思考と決断主義
 7 嫌韓厨から嫌韓流へ
 8 桜井誠と嫌韓コミュニティ
 9 『マンガ嫌韓流』以降の嫌韓本ブーム
 10 『WiLL』の創刊と「大人目線」の右傾化路線
 11 チャンネル桜の開局と右翼・民族派への眼差し
 12 動画共有サイトの普及とチャンネル桜による啓蒙
 13 バックラッシュ保守クラスタの再興とその背景
 14 権威主義と反権威主義との結び付き
 15 決断主義とポピュリズム
 16 シンボルとしての田母神俊雄
 17 在日特権という発想
 18 瀬戸弘幸のその後と西村修平
 19 「行動する保守」の成立

第8章 ネット右派の広がりとビジネス保守クラスタ――二〇一〇年前後まで
 1 ビジネス保守クラスタの形成
 2 三橋貴明とビジネス保守クラスタの思想
 3 日本青年会議所(JC)の右傾化
 4 ビジネス保守クラスタのリアルな支え手
 5 リベラル市民主義への復讐
 6 ネット右派論壇のバージョンアップ
 7 その後のネット右派の成熟と停滞
 8 響きと怒り、そして語り
 9 大衆の原像と幻像

あとがき

人名索引
著者略歴
伊藤 昌亮(イトウ マサアキ)
1961年生まれ。成蹊大学文学部教授。専攻はメディア論。著書に『デモのメディア論――社会運動社会のゆくえ』(筑摩書房)、『フラッシュモブズ――儀礼と運動の交わるところ』(NTT出版)、共著に『奇妙なナショナリズムの時代――排外主義に抗して』(岩波書店)、『ネットが生んだ文化――誰もが表現者の時代』(KADOKAWA)、共訳書にキャロリン・マーヴィン『古いメディアが新しかった時――19世紀末社会と電気テクノロジー』(新曜社)など。

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