近刊検索 デルタ

2021年7月26日発売

青弓社

出版社名ヨミ:セイキュウシャ

大麻の社会学

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内容紹介
摘発と逮捕、規制史と統治性権力、抵抗と社会運動、そして嗜好する人たちの生そのものを、アメリカと日本の大麻政策の百年間を精査して論じる。参与観察も交えて、有害か自由化かという論争を超えた地平から一石を投じる文化社会学・犯罪社会学の成果である。
目次
序 章 なぜ大麻を語るのか
 1 本書の視点と構成
 2 本書の社会学的視座

第1章 ドラッグとしての大麻――ドラッグ論の視座と刑罰の多元性
 1 ドラッグとは何か
 2 ドラッグをめぐる状況
 3 刑罰の多元性とハーム概念

第2章 現在の欧米における大麻政策――非罰化と合法化をめぐる統治性
 1 変容する政策と非罰化
 2 大麻に関する政治と政策の動向
 3 刑罰規制をめぐる諸論点と統治性
 4 アメリカの合法化と市場

第3章 戦前アメリカの大麻規制――ジャズ・モラルパニック・人種差別
 1 初期的な大麻規制の概要と社会背景
 2 大麻規制の始発点――一九一三―三七年
 3 「リーファーマッドネス」言説とメディア
 4 ハーレム街区の「反抗」と喫煙
 5 大麻とモラルパニック

第4章 ドラッグ戦争と政治――ゲートウェイと新保守主義
 1 ドラッグ戦争の構図
 2 ニクソン政権の「法と秩序」
 3 内戦の展開――ドロップアウト、ゲートウェイ、割れ窓理論へ
 4 レーガン以後

第5章 日本での大麻の変遷――近代帝国主義から戦後の道程
 1 日本での概略と時代区分
 2 東西の医薬品と、帝国日本の表徴――戦前期
 3 戦後日本の大麻――ポツダム省令からフーテン族、「芸能界汚染」まで
 4 現代日本の大麻

第6章 大麻と精神医学――主体なき責任の帰属
 1 戦後日本の大麻と精神医学
 2 大麻精神病という診断
 3 ドラッグ政策の転換
 4 柔らかな政策の一歩手前で

第7章 紫煙と社会運動――戦後日本の大麻自由化運動
 1 戦後日本の大麻運動
 2 前史と状況
 3 大麻非犯罪化運動の展開
 4 非犯罪化運動という場
 5 大麻自由化運動の群像と今後

終 章 大麻規制と人々の生
 1 大麻と懲役刑
 2 本書の政策的含意
 3 今後の展望と状況

あとがき
著者略歴
山本 奈生(ヤマモト ナオ yamamoto nao)
1979年、大阪府生まれ。佛教大学大学院博士課程修了。博士(社会学)。佛教大学社会学部現代社会学科准教授。専門は文化社会学、犯罪社会学。単著に『犯罪統制と空間の社会学――ゼロ年代日本における犯罪・都市政策』(ミネルヴァ書房)、論文に「大麻に関する世界的な動向――文化社会学的視点からのアプローチ」(「犯罪社会学研究」第44号)、「紫煙と社会運動――現代日本における大麻自由化運動」(「年報カルチュラル・スタディーズ」第6号)、「自主防犯活動と街区のポリティクス――京都市繁華街の事例をもとに」(「フォーラム現代社会学」第10号)、「主体なき責任の帰属――ドラッグ政策と診断室のカルテ」(「現代思想」2010年12月号)、翻訳に「ラガーディア委員会報告書――ニューヨーク市における大麻問題」(「佛教大学社会学部論集」第71号)など。
タイトルヨミ
カナ:タイマノシャカイガク
ローマ字:taimanoshakaigaku

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