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2021年8月26日発売

青弓社

出版社名ヨミ:セイキュウシャ

多様な子どもの近代

稼ぐ・貰われる・消費する年少者たち
青弓社ライブラリー
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内容紹介
工場や曲芸で稼ぐ年少者、貰い子、孤児や棄児、金銭を消費する年少者――日本の戦前期の年少者の生とそれを取り巻く社会的な言説や制度を丁寧に掘り起こし、アリエスが『〈子供〉の誕生』で示した子ども観とは異なる多様な子どもの近代に光を当てる。
目次
はじめに――二〇二〇年代初頭の光景から 元森絵里子

序 章 子ども観の近代性と多様性への視角――「誕生」図式を問い直す 元森絵里子
 1 「子どもの誕生」を問い直す視角
 2 メタファーとしての「複合体」と「逃走線」
 3 本書の構成

第1章 「稼ぐ子ども」をめぐるポリティクス――児童保護をめぐる多様な論理 元森絵里子
 1 多様な論理の存在――児童保護規範の浸透図式を問い直す
 2 子どもを働かせない理由/働かせる理由――工場法の年齢規定
 3 「憐れな子ども」の社会問題化と消費――曲芸する子ども

第2章 貰い子たちのゆくえ――昭和戦前期の児童虐待問題にみる子どもの保護の接合と分散 高橋靖幸
 1 明治期における「児童虐待」の概念
 2 法律によって貰い子を虐待から救う
 3 岩の坂貰い子殺し事件と児童虐待問題の変化
 4 新たな貰い子殺し事件と産院・産婆問題
 5 児童虐待防止法の成果の無効化

第3章 孤児、棄児・浮浪児の保護にみる「家庭」/「教育」――戦前期の東京市養育院での里親委託の軌跡から 土屋 敦
 1 近代的子ども観の単線的な「誕生→浸透」図式を再考する
 2 東京市養育院はどのような場所だったのか
 3 「子どもの生存」のための里親委託の増加――一九〇〇年代初頭―一〇年代半ば
 4 子どもの死亡率の改善と里親委託批判の形成――一九一〇年代半ば―三〇年代初頭
 5 一般家庭児童に比する施設児童の「発達の遅れ」という視角の形成

第4章 消費する年少者と家族の戦略――「活動写真」から「映画」へ 貞包英之
 1 年少者の消費を問い直す
 2 活動写真を見る年少者
 3 「映画」の誕生
 4 こづかいという鎖
 5 発声漫画映画と紙芝居
 6 サブカルチャーの発生とゆらぎ

終 章 多様性としての近代から現代へ 元森絵里子
 1 多様性としての子どもの近代
 2 子どもの現代の系譜学的相対化へ

おわりに 高橋靖幸
著者略歴
元森 絵里子(モトモリ エリコ motomori eriko)
1977年、東京都生まれ。明治学院大学社会学部教授。専攻は歴史社会学、子ども社会学。著書に『「子ども」語りの社会学』『語られない「子ども」の近代』(ともに勁草書房)、共編著に『子どもへの視角』、訳書にアラン・プラウト『これからの子ども社会学』(ともに新曜社)など。
高橋 靖幸(タカハシ ヤスユキ takahashi yasuyuki)
1978年、東京都生まれ。新潟県立大学人間生活学部講師。専攻は教育社会学、子ども社会学。共編著に『子どもへの視角』(新曜社)、共著に『教師のメソドロジー』(北樹出版)、論文に「昭和戦前期の児童虐待問題と「子ども期の享受」」(「教育社会学研究」第102集)など。
土屋 敦(ツチヤ アツシ tsuchiya atsushi)
1977年、神奈川県生まれ。関西大学社会学部教授。専攻は歴史社会学、福祉社会学、子ども社会学。著書に『はじき出された子どもたち』、共編著に『孤児と救済のエポック』(ともに勁草書房)、論文に「「保護されるべき子ども」と親権制限問題の一系譜」(「子ども社会研究」第23号)など。
貞包 英之(サダカネ ヒデユキ sadakane hideyuki)
1973年、山口県生まれ。立教大学社会学部教授。専攻は社会学、消費社会論、歴史社会学。著書に『地方都市を考える』(花伝社)、『消費は誘惑する 遊廓・白米・変化朝顔』(青土社)、共著に『自殺の歴史社会学』(青弓社)、『未明からの思考』(ハーベスト社)など。
タイトルヨミ
カナ:タヨウナコドモノキンダイ
ローマ字:tayounakodomonokindai

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