( )
定価:3,080円(2,800円+税)
判型:A5
書店在庫をチェック
内容紹介
◆「日本の心理療法シリーズ」第4回配本
シリーズ第4回配本は「国際比較篇」と題しました。西洋人でありながら東洋的な価値観との精神的な融合を探求し続けたユングは、どんな経緯でこれらに関心を抱くようになったのか。ヨーロッパに長年在住した日本人の心理療法家、来日し仏門に入ったアメリカ人の心理療法家は、それぞれ異文化の中に深く身を浸した実体験からどんな洞察を得たのか。ほかにも、日本人からみた海外の心理療法家の印象、精神医療と関わる「日本的風土」など多種多様な視角から、日本の心理療法で考慮されるべき「ローカリティ」を明らかにしています。
シリーズ第4回配本は「国際比較篇」と題しました。西洋人でありながら東洋的な価値観との精神的な融合を探求し続けたユングは、どんな経緯でこれらに関心を抱くようになったのか。ヨーロッパに長年在住した日本人の心理療法家、来日し仏門に入ったアメリカ人の心理療法家は、それぞれ異文化の中に深く身を浸した実体験からどんな洞察を得たのか。ほかにも、日本人からみた海外の心理療法家の印象、精神医療と関わる「日本的風土」など多種多様な視角から、日本の心理療法で考慮されるべき「ローカリティ」を明らかにしています。
目次
はじめに(各篇共通)
序
国際比較篇――風土・物語・局所性
第一章 分析心理学における東洋と西洋の出会い
――国際的な視点から ポール・クーグラー
●分析心理学初期の歴史 ●ブルクヘルツリ精神科クリニック ●ピエール・ジャネと心理分析
●実験精神病理学研究所 ●ジークムント・フロイトと国際精神分析学会 ●ユングの自己実験――赤の書
●アクティブ・イマジネーション――ポスト植民地時代的臨床解釈学 ●自己――心の宇宙の中心
●東洋思想との対話を開く ●エラノス――国際的視点
第二章 心理療法における「美的なもの」について 樋口和彦
はじめに
本論文の基本的な論点について
基本的に「東」とは何を意味するか?
箱庭療法(Sandspiel Therapie)のわが国への導入について
なぜ河合隼雄は箱庭療法と訳したか?
心理療法における美的基準について
エラノス会議のテーマについて再考する
絶対性・絶対的人格神の理解の重要性について
イメージの遊び
第三章 日英「暮らしの文化」比較――心理臨床家の一考察 佐山菫子
「ふるさと」の発見
文化とは何か
ロンドンでの暮らし
英国とは何か
英国の成り立ち
日本とは何か
ロンドンに暮らす日本人
おわりに
第四章 歎異抄、昔話、近代文学、そして分析 ウルスラ・ヴァイス
はじめに
導入について
●浄土真宗における教えの継承 ●分析心理学における教えの継承 ●導入段階の「長い眠り」
「門」が意味するもの
●移行と変容 ●自我からの解脱 ●門に入る葛藤 ●門を抜ける困難 ●門を見つけること
おわりに――漱石の『門』
第五章 日本体験の再発見
――海外の心理臨床家との出会いを通して 名取琢自
「信じる」ことの三つの層
西洋の心理療法家の印象
●「大人」―「子ども」バランスの安定性と融通性(やわらかく、厳しく生きている)
●率直さ・直接性(さほど裏を読まなくてよい) ●信念――芯の感触(「私」をもっている)
●理性(言語)への信頼(議論できる) ●「存在するもの」への視線(見えるものへのまなざし)
●東洋的なものや異文化の尊重
日本の心理療法での人間関係とコミュニケーション
●「大人」―「子ども」の振れ幅と堅さ ●婉曲・間接性(裏を察すること)
●「信念」への不信(「私」を通すことの不安) ●感情の影響(根に持ちやすさ)
●「見えないもの」への視線(イメージの奥へのまなざし) ●東洋的なものの当然視(「甘え」)
おわりに――シェリー・シェパード氏の論考を参照して
第六章 国際的に見た日本の心理療法
――二〇一一・九・二三会議によせて シェリー・蓮夢・シェパード
「縁」の感覚
繊細さ
守秘の「器」
スピリチュアル・タイプ
第七章 西洋のサイコセラピーと東洋の心性
――認知行動療法の歴史的変遷を通して考える 遊佐安一郎
はじめに――日本での心理療法
欧米のサイコセラピーの傾向
認知行動療法――その三つの波
●第一の波――行動療法 ●第二の波――認知療法・認知行動療法 ●第三の波――従来の認知行動療法を超える新しい波
西洋のサイコセラピーと日本の心理療法
第八章 日本的風土と精神科医療の出会い 吉村夕里
はじめに
風土との出会い
●政策転換と法整備の時代 ●運動体の葛藤と精神科リハビリテーションの隆盛 ●愛憎の風土
精神科医療をめぐる時代の地理や政治や文化
●格差の存在 ●共同体に生きる人々 ●医療中断者たちへのアプローチ ●共同体の新参者と共同体から出立する人たち
日本的風土に精神科医療が与えたもの
おわりに
おわりに
事項索引
人名索引
■装幀 虎尾 隆
序
国際比較篇――風土・物語・局所性
第一章 分析心理学における東洋と西洋の出会い
――国際的な視点から ポール・クーグラー
●分析心理学初期の歴史 ●ブルクヘルツリ精神科クリニック ●ピエール・ジャネと心理分析
●実験精神病理学研究所 ●ジークムント・フロイトと国際精神分析学会 ●ユングの自己実験――赤の書
●アクティブ・イマジネーション――ポスト植民地時代的臨床解釈学 ●自己――心の宇宙の中心
●東洋思想との対話を開く ●エラノス――国際的視点
第二章 心理療法における「美的なもの」について 樋口和彦
はじめに
本論文の基本的な論点について
基本的に「東」とは何を意味するか?
箱庭療法(Sandspiel Therapie)のわが国への導入について
なぜ河合隼雄は箱庭療法と訳したか?
心理療法における美的基準について
エラノス会議のテーマについて再考する
絶対性・絶対的人格神の理解の重要性について
イメージの遊び
第三章 日英「暮らしの文化」比較――心理臨床家の一考察 佐山菫子
「ふるさと」の発見
文化とは何か
ロンドンでの暮らし
英国とは何か
英国の成り立ち
日本とは何か
ロンドンに暮らす日本人
おわりに
第四章 歎異抄、昔話、近代文学、そして分析 ウルスラ・ヴァイス
はじめに
導入について
●浄土真宗における教えの継承 ●分析心理学における教えの継承 ●導入段階の「長い眠り」
「門」が意味するもの
●移行と変容 ●自我からの解脱 ●門に入る葛藤 ●門を抜ける困難 ●門を見つけること
おわりに――漱石の『門』
第五章 日本体験の再発見
――海外の心理臨床家との出会いを通して 名取琢自
「信じる」ことの三つの層
西洋の心理療法家の印象
●「大人」―「子ども」バランスの安定性と融通性(やわらかく、厳しく生きている)
●率直さ・直接性(さほど裏を読まなくてよい) ●信念――芯の感触(「私」をもっている)
●理性(言語)への信頼(議論できる) ●「存在するもの」への視線(見えるものへのまなざし)
●東洋的なものや異文化の尊重
日本の心理療法での人間関係とコミュニケーション
●「大人」―「子ども」の振れ幅と堅さ ●婉曲・間接性(裏を察すること)
●「信念」への不信(「私」を通すことの不安) ●感情の影響(根に持ちやすさ)
●「見えないもの」への視線(イメージの奥へのまなざし) ●東洋的なものの当然視(「甘え」)
おわりに――シェリー・シェパード氏の論考を参照して
第六章 国際的に見た日本の心理療法
――二〇一一・九・二三会議によせて シェリー・蓮夢・シェパード
「縁」の感覚
繊細さ
守秘の「器」
スピリチュアル・タイプ
第七章 西洋のサイコセラピーと東洋の心性
――認知行動療法の歴史的変遷を通して考える 遊佐安一郎
はじめに――日本での心理療法
欧米のサイコセラピーの傾向
認知行動療法――その三つの波
●第一の波――行動療法 ●第二の波――認知療法・認知行動療法 ●第三の波――従来の認知行動療法を超える新しい波
西洋のサイコセラピーと日本の心理療法
第八章 日本的風土と精神科医療の出会い 吉村夕里
はじめに
風土との出会い
●政策転換と法整備の時代 ●運動体の葛藤と精神科リハビリテーションの隆盛 ●愛憎の風土
精神科医療をめぐる時代の地理や政治や文化
●格差の存在 ●共同体に生きる人々 ●医療中断者たちへのアプローチ ●共同体の新参者と共同体から出立する人たち
日本的風土に精神科医療が与えたもの
おわりに
おわりに
事項索引
人名索引
■装幀 虎尾 隆
著者略歴
秋田 巌(アキタ イワオ akita iwao)
名取 琢自(ナトリ タクジ natori takuji)
タイトルヨミ
カナ:ニホンノシンリリョウホウ コクサイヒカクヘン
ローマ字:nihonnoshinriryouhou kokusaihikakuhen
※近刊検索デルタの書誌情報はopenBDのAPIを使用しています。
名取 琢自 最近の著作
もうすぐ発売(1週間以内)
新着:ランダム(5日以内)
※近刊検索デルタの書誌情報はopenBDのAPIを利用しています。