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2019年12月18日発売

草思社

21世紀の啓蒙 下

理性、科学、ヒューマニズム、進歩
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内容紹介
わたしたちは、今、史上最良の時代を生きている――。
過去を理想化して進歩を否定、未来は衰退に向かうと主張する反啓蒙主義の
嘘・誤りを、データにより明らかにする。

世界の状況を正しく評価するにはどうしたらいいのだろうか。
答えは「数えること」である。今生きている人が何人で、
そのなかの何人が暴力の犠牲になっているのか。
何人が病気にかかり、何人が飢えていて、何人が貧困にあえぎ、
何人が抑圧されていて、何人が読み書きができず、何人が不幸なのか。
……これは実は道義的にも賢明な方法だといえる。
なぜなら、身近な人を優先するわけでも、テレビ受けする人を
特別扱いするわけでもなく、一人ひとりの価値を平等に扱う取り組みだからだ。
――本書より

ポピュリズムの隆盛により、民主主義の死はもはや決定づけられた。
世界人口の増加により、今世紀中の食糧危機の到来は間違いない。
地球温暖化も核兵器拡散も、解決の糸口はまるでつかめていない。
……というのは本当だろうか。
若い人はポピュリズムを支持しておらず、世代交代とともに衰退する可能性が高い。
世界人口が増加しても、農業の進歩により飢餓に苦しむ人の数は大きく減少している。
温暖化も核兵器も現実の脅威だが、GDPあたりの二酸化炭素排出量は減少しており、
また世界の核兵器の数は近年減少し続けている。決して解決できない問題ではない。
データを用いて、無根拠な「衰退の予言」の欠陥を指摘し、
啓蒙の理念による進歩の重要さを説く。
世界をよりよいものにする意志に満ちた、世界的ベストセラー。


第一六章 知識を得て人間は賢くなっている
第一七章 生活の質と選択の自由
第一八章 幸福感が豊かさに比例しない理由
第一九章 存亡に関わる脅威を考える
第二〇章 進歩は続くと期待できる
第三部 理性、科学、ヒューマニズム
第二一章 理性を失わずに議論する方法
第二二章 科学軽視の横行
第二三章 ヒューマニズムを改めて擁護する
目次
第一六章 知識を得て人間は賢くなっている
教育は社会を豊かにし、平和で民主的にする
教育は世界中に広まりつつあり、男女格差も縮小
世界的なIQの上昇「フリン効果」の原因は何か
フリン効果は世界を豊かにした要因の一つ
「人間開発指数」の改善は進歩の実在を証明する

第一七章 生活の質と選択の自由
好きなものを手に入れられるのは良いことだ
労働に費やさなければならない時間が減少
家事や生活維持のためにかかる時間も減少
家族の時間は増え、遠くの人との交流は便利に
食べ物が国際的になり食事の選択肢が増加
文化に触れ学ぶことが簡単・便利・安価に

第一八章 幸福感が豊かさに比例しない理由
わたしたちは豊かになっても幸福を感じないか
客観的な意味での幸福を形づくるものは何か
主観的な幸福はどのように測られるか
人々の幸福感は本当に向上していないのか
裕福でも幸福感が高くない国アメリカの実態
現代人はより孤独になっているというのは誤り
自殺率と不幸度の関係についても誤解が多い
鬱病と診断される人が増えているのはなぜか
本当に鬱病に苦しむ人は増えているのか
自由の獲得が幸福感の伸びない理由の一つ
神や権威から離れ自らの責任で生きる不安

第一九章 存亡に関わる脅威を考える
科学者が提示する数々の「脅威」は本物か
むやみに脅威を語ることが危機をつくり出す
低確率事象のリスク評価は過大になりがち
二〇〇〇年問題に見る科学者のバイアス
科学技術は人間を災害から守っている
人工知能は進化しても人間を滅ぼさない
AIの暴走も人類への脅威とならない
悪意ある個人が世界を滅ぼせるようになるか
世界を滅ぼせるテロリストは存在しえない
バイオテロは非常に困難で効率も悪い
核の脅威は本物だが過大に喧伝されている
核戦争を防いできたのは何かを考えるべき
核は究極兵器でも究極の抑止力でもない
世界の核兵器は近年減少しつづけている
まずは核の運用法を安全にする必要がある

第二〇章 進歩は続くと期待できる
この二世紀半のあいだにもたらされた進歩
進歩は自動的にもたらされるものではない
進歩の継続を信じる合理的理由は歴史に
経済成長の停滞は進歩の継続を妨げるか
将来の進歩をもたらしうる技術の数々
ポピュリズムは進歩をはばむ脅威となるか
ポピュリズムの支持層は「文化競争の敗者」
ポピュリズムは老人の運動。衰退の可能性大
進歩の継続を支持し、前向きに取り組む

第三部 理性、科学、ヒューマニズム

第二一章 理性を失わずに議論する方法
理性や客観性を否定したら議論は不可能になる
人間の理性を使う能力は進化によって磨かれてきた
不合理な主張を信じるのは無知だからではない
人は評判を気にして集団内の主流意見に同調する
知識が深まるほどに意見が二極化することさえある
知能が高くても偏見があると誤った結論に飛びつく
左派の右派への、右派の左派への偏見を検証
右も左もイデオロギーのせいで人類に貢献し損ねた
右・左・中道で選ぶのではなく、合理性で選択する
専門家を予測の正確さで評価すると多くが落第
驚くべき精度で予測を当てる「超予測者」の特徴
政治の二極化と大学の左傾化は確かに進んでいる
政治と大学の二極化・偏向は何をもたらしたか
「ファクトチェック」が理性的な人々に力を与える
長期的に見れば理性は今まで真実を広めてきた
認知バイアスに関する教育で「脱バイアス」は可能
党派性の克服には理性的議論のルールも必要
人間はたいていの状況下では十分に理性的
物事が「政治問題化」すると人は理性を失う
理性的な政治の実現をあきらめてはならない

第二二章 科学軽視の横行
科学の偉業は否定しようもなく大きく普遍的だ
アメリカの政治家による科学軽視の事例
多くの知識人たちも科学を軽視・敵視してきた
否定論者はどのように科学を非難してきたか
科学支持者が広めたいと考える二つの理想
「科学は領分を守るべし」という論の誤り
科学や科学論の誤用・誤解・曲解が横行
科学的人種主義の罪を科学は負うべきか
科学の悪者扱いが大学でまかり通っている
バイアスを正すには科学的知識が不可欠
科学と人文学の協力は双方の得になる
知の統合を妨げる「第二の文化」の警察官

第二三章 ヒューマニズムを改めて擁護する
ヒューマニズムとは人類の繁栄を最大化すること
道徳の非宗教的基盤は「公平性」だけでは不足
道徳の基盤となる人間の身体・理性・共感
功利主義的道徳は必ずしも悪いものではない
ヒューマニズムの功利主義的主張がもつ利点
ヒューマニズムを否定したがる二つの勢力
有神論的道徳からのヒューマニズム批判の中身
「基礎物理定数」は神の存在の証拠?
「意識のハードプロブレム」は神の存在の証拠?
有神論的道徳が抱える第二の欠陥
信仰擁護無神論者「信仰を否定するな」
神がいなくても人が生きる意味は見出せる
「宗教は巻き返している」という見解は誤り
宗教復興と見誤らせる「出生率」「投票率」
イスラム諸国の停滞の原因は明らかに宗教
イスラム世界でもヒューマニズム革命は進む
ヒューマニズムの敵を育てたニーチェの思想
ニーチェに感化され独裁者を支持した知識人たち
ニーチェからトランプに至る二つのイデオロギー
トランピズムの思想基盤は論理的に破綻している
啓蒙主義の理念はつねに擁護を必要としている

原 注
参考文献
索 引
著者略歴
スティーブン・ピンカー(スティーブン ピンカー sutiibun pinkaa)
スティーブン・ピンカー Steven Pinker ハーバード大学心理学教授。認知科学者、実験心理学者として視覚認知、心理言語学、人間関係について研究している。進化心理学の第一人者。主著に『言語を生みだす本能』、『心の仕組み』、『人間の本性を考える』、『思考する言語』(以上NHKブックス)、『暴力の人類史』(青土社)、『良い文章とは(The Sense of Style)』(未邦訳)があり、最新の『21世紀の啓蒙』が10冊目になる。研究、教育ならびに著書で数々の受賞歴があり、2004年には米タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」に、2005年にはフォーリンポリシー誌の「知識人トップ100人」に選ばれた。米国科学アカデミー会員。『アメリカン・ヘリテージ英語辞典』の語法諮問委員会議長も務めている。
橘 明美(タチバナ アケミ tachibana akemi)
橘 明美(たちばな・あけみ) 英語・フランス語翻訳家。お茶の水女子大学卒。訳書にドミトリ・チェルノフ+ディディエ・ソネット『大惨事と情報隠蔽』(草思社、共訳)、ジェイミー・A・デイヴィス『人体はこうしてつくられる』(紀伊國屋書店)、フランソワ・ヌーデルマン『ピアノを弾く哲学者』(太田出版)ほか。
坂田 雪子(サカタ ユキコ sakata yukiko)
坂田 雪子(さかた・ゆきこ) 英語・フランス語翻訳家。神戸市外国語大学卒。訳書にドミトリ・チェルノフ+ディディエ・ソネット『大惨事と情報隠蔽』(草思社、共訳)、ロバート・I・サットン『スタンフォードの教授が教える 職場のアホと戦わない技術』(SBクリエイティブ)、クリストフ・アンドレ『はじめてのマインドフルネス』(紀伊國屋書店)ほか。
タイトルヨミ
カナ:ニジュウイッセイキノケイモウ ゲ
ローマ字:nijuuisseikinokeimou ge

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草思社の既刊から
セバスチャン・ハフナー/著 瀬野文教/翻訳
トラウデル・ユンゲ/著 高島市子/翻訳 足立ラーベ加代/翻訳
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