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2019年3月16日発売

地人書館

絶滅危惧種の生態工学

生きものを絶滅から救う保全技術
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内容紹介
絶滅危惧種を救うためには基礎研究だけでなく応用学が必要である。現実の問題を解決する応用学である生態工学の研究者たちが、絶滅危惧種の保全技術を体系的に取り上げ、分類群ごと典型的な事例と生態工学的なポイントを紹介
目次
絶滅危惧種の生態工学
目  次

 まえがき  亀山 章
 序―本書の目指すもの  亀山 章

第一部 絶滅危惧種の生物学
 第1章 絶滅危惧種の生物学  倉本 宣
   1.1 生物多様性と種
   1.2 絶滅とは
   1.3 レッドデータブックとレッドリスト
   1.4 絶滅の原因

 第2章 絶滅危惧種の保全と遺伝的多様性  佐伯いく代
   2.1 生存と進化の基盤としての遺伝的多様性
   2.2 遺伝的多様性を調べるためのアプローチ
     2.2.1 表現型
     2.2.2 染色体
     2.2.3 タンパク質
     2.2.4 DNA
   2.3 遺伝的多様性の情報を用いた絶滅危惧種の保全
     2.3.1 保全対象となる分類群の識別
     2.3.2 分断化の影響の把握
     2.3.3 遺伝的撹乱の防止
   2.4 今後の展望

 第3章 絶滅危惧種の情報整備と利用  井本郁子
   3.1 絶滅危惧種の情報
   3.2 生物情報と地理情報(GIS)データ
   3.3 データベース整備の今後

第二部 絶滅危惧種の保全技術
 第4章 絶滅危惧種の保全と生態工学  大澤啓志
   4.1 自然的・半自然的空間を扱う生態工学
   4.2 絶滅危惧種に対する配慮
   4.3 人材の育成と技術者の職能

 第5章 生息域内保全と生息域外保全  中村忠昌
   5.1 絶滅危惧種の保全における目標
   5.2 生息域内保全と生息域外保全

 第6章 生息域内保全
   6.1 生息域内保全の計画  八色宏昌
     6.1.1 絶滅危惧種の保全計画の意義
     6.1.2 保全計画の進め方と配慮事項
     6.1.3 計画策定におけるステークホルダーとの協働
     6.1.4 計画の継続性の確保
   6.2 生息域内保全の実践  中村忠昌
     6.2.1 情報収集
     6.2.2 域内における保全活動
     6.2.3 生息域内保全の限界と総合的な保全
   6.3 生息域内保全のための環境ポテンシャル評価  日置佳之・中田奈津子
     6.3.1 保全・再生地の調査
     6.3.2 診断
     6.3.3 処方
     6.3.4 ハッチョウトンボ生息地の環境ポテンシャル評価
      
 第7章 生息域外保全
   7.1 飼育下での繁殖事業  堀 秀正
     7.1.1 はじめに
     7.1.2 動物園の現状
     7.1.3 希少動物の血統登録
     7.1.4 個体群管理
     7.1.5 ツシマヤマネコの飼育繁殖
     7.1.6 動物園における種の保存の課題
   7.2 植物の生息域外保全  田中法生
     7.2.1 植物の生息域外保全の変遷と現在の位置付け
     7.2.2 生育域外保全の課題
     7.2.3 栽培方法の開発
     7.2.4 今後の展開
   7.3 ハビタットの造成による飼育・栽培  板垣範彦
     7.3.1 ハビタットを造成する目的と効果
     7.3.2 ハビタット造成の配慮事項
     7.3.3 ハビタット造成地の種別
     7.3.4 おわりに

 第8章 野生復帰・再導入  園田陽一
   8.1 野生生物保護から野生復帰へ
   8.2 野生復帰・再導入の考え方
   8.3 日本における野生復帰・再導入
     8.3.1 トキの野生復帰・再導入
     8.3.2 コウノトリの野生復帰・再導入
   8.4 多様な主体の協働・連携と地域づくり

 第9章 モニタリング  徳江義宏
   9.1 はじめに
   9.2 順応的管理とは
   9.3 計画・事業の実施
   9.4 モニタリング調査
   9.5 モニタリング結果の評価と見直し
   9.6 モニタリングの体制

第三部 絶滅危惧種の保全事例
 第10章 ツシマヤマネコの交通事故対策  趙 賢一
   10.1 はじめに
   10.2 ツシマヤマネコの概要
     10.2.1 ツシマヤマネコの生態
     10.2.2 生息状況と減少要因
   10.3 交通事故の現状と対策
   10.4 道路整備時の配慮事項
     10.4.1 『ツシマヤマネコに配慮した道路工事ハンドブック』の概要
     10.4.2 各整備段階における配慮事項
   10.5 交通事故対策の課題

 第11章 タンチョウとその保護活動  原田 修
   11.1 はじめに
   11.2 タンチョウとは
     11.2.1 日本最大の野鳥
     11.2.2 タンチョウの生活史
   11.3 タンチョウの保護
     11.3.1 タンチョウ保護の歴史
     11.3.2 タンチョウ保護増殖事業
   11.4 日本野鳥の会のタンチョウ保護活動
     11.4.1 繁殖環境の保全
     11.4.2 冬期自然採食地整備による越冬環境の保全
     11.4.3 新規生息地でのサポート
   11.5 タンチョウ保護のこれから

 第12章 サンショウウオ類の保全対策  大澤啓志
   12.1 はじめに
   12.2 サンショウウオ類の生活史
   12.3 環境アセスメントにおける保全措置
     12.3.1 調査段階における絶滅危惧種の保全
     12.3.2 計画段階における絶滅危惧種の保全
     12.3.3 施工段階における絶滅危惧種の保全―工事中の濁水流入に対する対策
     12.3.4 管理段階における絶滅危惧種の保全
   12.4 保全措置で留意すべき点 150

 第13章 ホトケドジョウの保護と生息地復元  勝呂尚之
   13.1 ホトケドジョウの生態
   13.2 ホトケドジョウの復元研究
   13.3 ホトケドジョウの保全活動
   13.4 まとめ

 第14章 絶滅危惧アメンボ類の保全  中尾史郎
   14.1 絶滅危惧のアメンボ類
   14.2 アメンボ類の保全と生態工学的な配慮
   14.3 生態工学的技術の普遍化
     14.3.1 生息空間に対するマクロな視点
     14.3.2 空間整備におけるミクロな視点
     14.3.3 悪影響を回避するための時間的な視点

 第15章 湿地植物ヒメウキガヤの保全  春田章博
   15.1 はじめに
   15.2 絶滅危惧植物の保全措置の進め方
   15.3 絶滅危惧種ヒメウキガヤの生活史と生育環境
     15.3.1 生活史
     15.3.2 生育環境
   15.4 ヒメウキガヤの移植による保全
     15.4.1 代替池の整備
     15.4.2 試験移植による移植手法の検討
     15.4.3 域外保全による系統保存
     15.4.4 ヒメウキガヤの移植
   15.5 生育状態と生育環境の管理

第四部 絶滅危惧種の保全の制度と仕組み
 第16章 絶滅危惧種保全におけるステークホルダー  逸見一郎
   16.1 絶滅危惧種の所有者と管理責任者
   16.2 絶滅危惧種の保全にかかわるステークホルダー
   16.3 ステークホルダーとの合意形成の進め方
     16.3.1 絶滅危惧種をめぐる対立・紛争
     16.3.2 利害調整の目的
     16.3.3 合意形成のためのプラットフォーム
     16.3.4 合意形成と事業実施の要点

 第17章 絶滅危惧種保全の社会的条件  並木 崇
   17.1 はじめに
   17.2 絶滅危惧種の保全を進めるうえで必要な社会面・経済面への配慮
     17.2.1 鍵となる人と自然のかかわり方
     17.2.2 4階層思考モデルとは
   17.3 4階層思考モデルを用いた事例の紹介
      ―島嶼地域における絶滅危惧種アオサンゴの保全
     17.3.1 原因究明と整理
     17.3.2 具体的な保全対策
   17.4 持続可能性の浸透のために

 第18章 絶滅危惧種保全のための法制度  奥田直久
   18.1 種の保存法の制定まで
   18.2 種の保存法の成立
   18.3 種の保存法の概要
     18.3.1 目的と基本方針
     18.3.2 希少野生動植物種の指定
     18.3.3 個体等の取扱いに関する規制
     18.3.4 生息地等の保護に関する規制
     18.3.5 保護増殖事業
     18.3.6 希少種保全動植物園等の認定
   18.4 絶滅危惧種の保全をめぐる法体系
   18.5 わが国の絶滅危惧種の保全にかかる法制度の現状と課題

 索  引

 執筆者一覧
著者略歴
亀山 章(カメヤマ アキラ)
1943年、東京都に生まれる。1968年、東京大学農学部卒業。厚生省国立公園局技官、信州大学農学部助教授、教授を経て、東京農工大学農学部教授ののち、同大名誉教授。現在、公益財団法人日本自然保護協会理事長。農学博士。専門は造園学、景観生態学、地域計画学、環境緑化工学、森林科学。 主な著書に、『緑地生態学―ランドスケープ・エコロジー』朝倉書店(共編著、1998年)、『生態工学』朝倉書店(編著、2002年)、『ミティゲーション―自然環境の保全・復元技術』ソフトサイエンス社(共編著、2001年)、『生物多様性緑化ハンドブック―豊かな環境と生態系を保全・創出するための計画と技術』地人書館(監修、2006年)、『自然再生の手引き』日本緑化センター(共編著、2013年)、などがある。 生物多様性保全の基礎的研究とその応用技術の開発における第一人者であり、80編に及ぶ学術論文と60編もの著書は、専門教育や技術者養成に役立てられている。
倉本 宣(クラモト ノボル)
1955年、東京都生まれ。1983年、東京大学大学院理学系研究科博士課程中退。博士(農学)。東京都庁造園技術職、明治大学農学部専任講師、助教授を経て、現在、明治大学教授。専門は植物生態学、生態工学、保全生態学、市民科学。日本造園学会賞(1997年)、日本緑化工学会賞技術賞(2007年)、第9回とうきゅう環境財団社会貢献学術賞(2017年)など、受賞歴多数。 主な著書に、『雑木林をつくる』百水社(共編著、1996年)、『エコパーク』ソフトサイエンス社(共編著、1996年)、『タンポポとカワラノギク』岩波書店(共著、2001年)、『環境市民とまちづくり1.自然共生編』ぎょうせい(共編著、2002年)、『自然再生―生態工学的アプローチ』ソフトサイエンス社(共編著、2005年)、『生物多様性緑化ハンドブック―豊かな環境と生態系を保全・創出するための計画と技術』地人書館(編著、2006年)、などがある。 研究成果を社会に還元すべく、市民と一体となった生物多様性の保全と再生の活動に取り組み、環境保全分野において多大な貢献をしている。

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