近刊検索 デルタ

2022年2月24日発売

京都大学学術出版会

出版社名ヨミ:キョウトダイガクガクジュツシュッパンカイ

東アジアの家族とセクシュアリティ

規範と逸脱
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内容紹介
包摂しつつ排除する——台湾・韓国の徴兵制、中国性産業の政治化、アジアの生殖補助医療……同姓不婚、妻と妾の身分差など、規範の淵源たる中国古来の「家族」の変化を捉えつつ、多様な主体がせめぎ合う東アジアジェンダー秩序の未来を考える。
目次
総論 東アジアの家族とセクシュアリティの歴史 [小浜正子] 

Ⅰ セクシュアリティ

第1章 冷戦体制と軍事化されたマスキュリニティ
   ――台湾と韓国の徴兵制を事例に [福永玄弥]
 はじめに――近代国民国家とセクシュアリティ
 1 台湾
 2 韓国
 おわりに――冷戦体制と軍事化されたマスキュリニティ

第2章 中国における包括的性教育の推進と反動
   ――『生命を大切に:小学生性健康教育読本』を事例に [郭立夫]
 はじめに
 1 中国における性教育とその実践
 2 マイノリティの連帯としての包括的性教育
 3 『生命を大切に』の挫折
 おわりに

第3章 中国のフェミニズムとセックスワーカー運動
   ――2000年以降、両者の連帯に至るまで [遠山日出也]
 はじめに
 1 2000年頃までの売買春政策とセックスワークをめぐる議論
 2 2000年以降の政策の変化とセックスワーカー
 3 鄧玉嬌事件をめぐって
 4 「売買春一掃」と「セックスワーカーデー」
 5 東莞における売買春一掃をめぐって
 6 連帯の形成要因
 おわりに

第4章 台湾LGBT文学の現在
   ――「新しいホモノーマティビティ」への対抗 [白水紀子]
 はじめに
 1 エイズの問題
 2 同性婚・家族の問題
 3 周縁に追いやられた人々――貧困・老い
 4 LGBT 文学とは

コラム① 女性の作り手による韓国独立ドキュメンタリー
    ――ビョン・ヨンジュから女性映像集団ウムまで [油谷佳歩]

Connecting Section――リプロダクション

第5章 中国における生殖補助医療規制に見る排除と包摂
   ――代理出産をめぐる議論を中心に [姚 毅]
 はじめに
 1 中国におけるART に関する法規制と現状
 2 条件付きでの代理出産合法化賛成論
 3 代理出産慎重論・反対論
 4 誰がどのように利用すべきか――排除と包摂の原理
 おわりに

第6章 アジアにおける代理出産ツーリズム
   ――拡大から廃止、そして法制度化へ [日比野由利]
 はじめに
 1 商業的代理出産と利他的代理出産
 2 拡大から廃止、そして法制度化へ
 3 親族間の人道的代理出産を法制化したベトナム
 4 非商業的代理出産を法制化したタイ
 5 インドにおける利他的代理出産の導入(その1)
 6 インドにおける利他的代理出産の導入(その2)
 おわりに

コラム② 女性映像集団ウムによる映像作品
    ――韓国フェミニズムの一コマ [油谷佳歩]

Ⅱ 家族

第7章 敦煌書儀はかく語る
   ――婚礼史上の“唐宋変革” [下倉 渉]
 はじめに
 1 妻方での挙式
 2 『封氏見聞記』が伝える「拝堂の礼」
 3 建中元年の婚礼儀改革
 4 「婦見舅姑」の儀における拝礼
 おわりに

第8章 近世中国における生命発生論
   ――母子間の継承関係と父系制 [佐々木愛]
 はじめに
 1 母子間における気の継承
 2 「父は種・母は園」――魏禧と魏際端
 3 強固な父子継承を支える気の思想
 おわりに

第9章 魏晋南北朝時代の「以妾爲妻」「以妻爲妾」について [板橋暁子]
 はじめに
 1 魏晋時代の「以妾爲妻」「以妻爲妾」
 2 南北朝時代の「以妾爲妻」「以妻爲妾」
 おわりに

コラム③ 清代の宮廷歳時とジェンダー [小川快之]

第10章 清代の地方志における同姓通婚と同姓不婚 [五味知子]
 はじめに
 1 中国における同姓不婚
 2 地方志の風俗関連の記述にみる同姓通婚
 3 地方志の人物に関する記述にみる同姓不婚
 おわりに

第11章 人民共和国建国初期の大衆運動と主婦
   ――上海市家庭婦連を中心に [泉谷陽子]
 はじめに
 1 家庭婦連の会員と活動
 2 抗米援朝運動と家庭婦連の改組
 3 反革命鎮圧運動と家属座談会
 4 婚姻法貫徹運動と家庭婦連
 おわりに

コラム④ 塞外の都市奉天にとっての女性
    ――上海女性のとある軌跡を手がかりに [上田貴子]

索引
執筆者紹介
著者略歴
小浜 正子(コハマ マサコ kohama masako)
日本大学文理学部教授。(公財)東洋文庫研究員。専門は中国近現代史、中国ジェンダー史。お茶の水女子大学大学院人間文化研究科単位修得退学、博士(人文科学)。主な著作に、『一人っ子政策と中国社会』(京都大学学術出版会、2020年)、『中国ジェンダー史研究入門』(小浜正子・下倉渉・佐々木愛・高嶋航・江上幸子編、京都大学学術出版会、2018年)などがある。
板橋 暁子(イタハシ アキコ itahashi akiko)
東京大学東洋文化研究所助教。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程満期退学、博士(文学)。専門は魏晋南北朝史。主な著作に、「魏晋期における王朝の「内」と「外」をめぐる研究動向」(『中国史学』29、2019年)、「「周縁」からみた東晋の正統性――前涼における西晋愍帝年号「建興」奉用について」(『東洋史研究』78-2、2019年)などがある。
タイトルヨミ
カナ:ヒガシアジアノカゾクトセクシュアリティ
ローマ字:higashiajianokazokutosekushuariti

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