近刊検索 デルタ

2023年4月13日発売

京都大学学術出版会

出版社名ヨミ:キョウトダイガクガクジュツシュッパンカイ

微生物との共生

パプアニューギニア高地人の適応システム
生態人類学は挑む MONOGRAPH
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内容紹介
適応と進化のプロセスは、「腸」のなかにつまっている。タンパク質不足でも筋骨隆々のパプアニューギニア高地人。栄養学からは不可解な謎を解く鍵は腸内細菌にある。地球上のあらゆる場所に住むホモ・サピエンスが,適応と進化を繰リ返すなかで獲得してきた生存システム。そのコードのひとつを高地人の低タンパク適応から解明する。
目次
序章
 1 ホモ・サピエンスの適応
 2 腸内細菌叢と適応
 3 パプアニューギニア高地食の問題点
 4 調査の経緯
 5 本書の構成
第1章 フリの社会システム
 1 パプアニューギニア高地
 2 調査地域
 3 生業―サツマイモの集約的栽培
 4 ブタの飼養
 5 対象地域の選定
 6 ハメイギニ
 7 ウェナニ・ヘリ・キキダ
第2章 集団の構造と成り立ち
 1 留まらない人々
 2 頻繁な居住地の移動
 3 人口の変動
 4 人生のなかでの移動
 5 移動の方向
 6 移動と適応
第3章 生業を支える在来知
 1 農学の基本原則に反するタリ盆地のサツマイモ耕作
 2 選択的な植樹と除草
 3 共有されない在来知
 4 サツマイモ畑に植えられた/残された植物
 5 サツマイモの生産性を向上させる植物はどれか
 6 サツマイモ栽培のための人為的植生形成
 7 「あいまいな」知識体系
第4章 高地の食生活
 1 サツマイモ
 2 品種のこと
 3 クム
 4 ブタ
 5 食事調査の方法
 6 タリ盆地での食事調査
第5章 長雨への対応
 1 天候不順に備える方法
 2 長雨のタリ盆地
 3 作物の生産性の低下
 4 食生活にみられた影響
 5 ウェナニとヘリの生存条件のちがい
 6 近年のフリ社会の変化
 7 なぜ「飢えた」か、なぜ「飢えなかった」のか
第6章 部族内戦争
 1 警察権と司法権に優先する平和維持システム
 2 「争い」の単位
 3 「争い」と「集団」の論理
第7章 ポートモレスビー移住者集団の生態学
 1 憧れのポートモレスビー
 2 セトルメントの生活
 3 インフォーマルセクター
 4 移住者の生存戦略
 5 労働とジェンダー
 6 ポートモレスビーの食生活
 7 移住と健康
第8章 低タンパク質適応
 1 フリの適応システムの不思議
 2 低タンパク質適応を支えるメカニズム
 3 腸内細菌の役割
 4 細菌とは
第9章 糞便をあつめる
 1 生体試料の収集
 2 便をあつめるタイミング
 3 低タンパク質適応のメカニズム
 4 細菌叢の特徴
終章
 1 幸せな学問
 2 腸内細菌叢と人類の適応

謝辞
参考文献
索引
著者略歴
梅﨑 昌裕(ウメザキ マサヒロ umezaki masahiro)
東京大学大学院教授。東京大学大学院医学系研究科国際保健学専攻修了、博士(保健学)。専門は人類生態学。主な著作に、『人間の本質にせまる科学―自然人類学の挑戦』(共編、東京大学出版会、2021年)などがある。
タイトルヨミ
カナ:ビセイブツトノキョウセイ
ローマ字:biseibutsutonokyousei

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