( )
定価:6,930円(6,300円+税)
判型:A5
書店在庫をチェック
内容紹介
日本の発展を導いたのは、日銀中心の銀行システムだけではなかった。現代の郵便貯金や農協に連なる系譜をもつ「大衆資金ネットワーク」が地方経済の安定と成長に果たした役割を、資金供給の実例や制度設計から解明。見過ごされてきた半身に光を当て、経済成長の条件を問い直す意欲作。
目次
序 章 個人少額貯蓄と日本の経済発展
1 近代化を支えた大衆資金ネットワークとは
2 分析対象と研究史上の位置づけ
3 構成と手法
第Ⅰ部 集める・回す
第1章 農村在来経済の発展を支えたもの
―忘れられた金融インフラ―
1 はじめに
2 日本の近代化とその基盤
3 個人貯蓄による資金形成
4 日本経済における大衆資金の規模
5 小 括
第2章 郵便貯金の誕生
―個人少額貯蓄収集システムの形成―
1 はじめに
2 個人向け貯蓄機関の登場
―郵便貯金制度の成立
3 貯蓄習慣の広がり
―郵便貯金の普及過程
4 小 括
第3章 産業組合の形成と発展
―自己循環するマイクロクレジット―
1 はじめに
2 新たな少額金融の担い手
―産業組合と地域社会
3 和産業組合の設立
4 和産業組合の経営発展
5 その後の展開と小括
第4章 郵便貯金の地方還元
―再分配機構としての大蔵省預金部―
1 はじめに
2 預金部とは何か
―制度的起源と運用方針
3 1914年の緊急融資
―重要輸出産業救済融資の概観
4 救済融資の発動過程と機能
―長野県の事例から
5 小 括
補 論 大蔵省預金部改革
―巨額資金運用の諸問題と諮問委員会―
1 はじめに
2 改革以前の預金部の姿
3 大蔵省預金部資金運用委員会の役割
4 小 括
第Ⅱ部 分かち合う
第5章 恐慌・災害救済融資の拡大へ
―戦間期の産業組合と中央金庫の成立―
1 はじめに
2 恐慌下農村への救済資金供給
―大規模霜害への対応
3 長野県内における融資状況
―個別事例の検討
4 小 括
第6章 セーフティネットとしての産業組合
―産業構造的不況を越えて―
1 はじめに
2 戦間期の和産業組合をめぐる背景
3 産業組合間の連携に向けて
―ネットワーク形成の模索
4 長期不況下の和産業組合
5 小 括
第7章 産業組合不在の影響
―満洲移民の背景―
1 はじめに
2 清内路村という事例
3 恐慌からの救済に向けて
―中央の政策と地域社会
4 セーフティネット提供の限界と満洲移民政策
5 その後の状況と小括
第8章 戦後日本へ
―「もう一つの金融システム」としての郵便貯金と農協―
1 はじめに
2 統計的概観
3 制度的連続性と断絶性
―大蔵省預金部から資金運用部へ
4 協同組合系金融機関の展開
―産業組合から農協・信組へ
5 その後の展開
―大衆資金ネットワークと現代日本経済
終 章 近代化の淵源としてのもう一つの金融システム
―市場経済の荒波への防波堤―
1 社会基盤としての大衆資金ネットワークの力
2 本書の含意
注
参考文献
あとがき
初出一覧
図表一覧
索 引
1 近代化を支えた大衆資金ネットワークとは
2 分析対象と研究史上の位置づけ
3 構成と手法
第Ⅰ部 集める・回す
第1章 農村在来経済の発展を支えたもの
―忘れられた金融インフラ―
1 はじめに
2 日本の近代化とその基盤
3 個人貯蓄による資金形成
4 日本経済における大衆資金の規模
5 小 括
第2章 郵便貯金の誕生
―個人少額貯蓄収集システムの形成―
1 はじめに
2 個人向け貯蓄機関の登場
―郵便貯金制度の成立
3 貯蓄習慣の広がり
―郵便貯金の普及過程
4 小 括
第3章 産業組合の形成と発展
―自己循環するマイクロクレジット―
1 はじめに
2 新たな少額金融の担い手
―産業組合と地域社会
3 和産業組合の設立
4 和産業組合の経営発展
5 その後の展開と小括
第4章 郵便貯金の地方還元
―再分配機構としての大蔵省預金部―
1 はじめに
2 預金部とは何か
―制度的起源と運用方針
3 1914年の緊急融資
―重要輸出産業救済融資の概観
4 救済融資の発動過程と機能
―長野県の事例から
5 小 括
補 論 大蔵省預金部改革
―巨額資金運用の諸問題と諮問委員会―
1 はじめに
2 改革以前の預金部の姿
3 大蔵省預金部資金運用委員会の役割
4 小 括
第Ⅱ部 分かち合う
第5章 恐慌・災害救済融資の拡大へ
―戦間期の産業組合と中央金庫の成立―
1 はじめに
2 恐慌下農村への救済資金供給
―大規模霜害への対応
3 長野県内における融資状況
―個別事例の検討
4 小 括
第6章 セーフティネットとしての産業組合
―産業構造的不況を越えて―
1 はじめに
2 戦間期の和産業組合をめぐる背景
3 産業組合間の連携に向けて
―ネットワーク形成の模索
4 長期不況下の和産業組合
5 小 括
第7章 産業組合不在の影響
―満洲移民の背景―
1 はじめに
2 清内路村という事例
3 恐慌からの救済に向けて
―中央の政策と地域社会
4 セーフティネット提供の限界と満洲移民政策
5 その後の状況と小括
第8章 戦後日本へ
―「もう一つの金融システム」としての郵便貯金と農協―
1 はじめに
2 統計的概観
3 制度的連続性と断絶性
―大蔵省預金部から資金運用部へ
4 協同組合系金融機関の展開
―産業組合から農協・信組へ
5 その後の展開
―大衆資金ネットワークと現代日本経済
終 章 近代化の淵源としてのもう一つの金融システム
―市場経済の荒波への防波堤―
1 社会基盤としての大衆資金ネットワークの力
2 本書の含意
注
参考文献
あとがき
初出一覧
図表一覧
索 引
著者略歴
田中 光(タナカ ヒカル tanaka hikaru)
1983年生まれ
2013年 東京大学大学院経済学研究科博士課程修了
日本学術振興会特別研究員、東京大学大学院経済学
研究科特任助教などをへて、
現 在 神戸大学大学院経済学研究科講師
タイトルヨミ
カナ:モウヒトツノキンユウシステム
ローマ字:mouhitotsunokinyuushisutemu
※近刊検索デルタの書誌情報はopenBDのAPIを使用しています。
田中 光 最近の著作
もうすぐ発売(1週間以内)
※近刊検索デルタの書誌情報はopenBDのAPIを利用しています。