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2020年5月27日発売

北海道大学出版会

出版社名ヨミ:ホッカイドウダイガクシュッパンカイ

日本語聞き手待遇表現の社会語用論的研究

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内容紹介
日本語における敬語をはじめとする聞き手の待遇を配慮する表現について、「社会的力関係」「場面形成」「ストラテジー」という視点から社会語用論に分析。「~っス」という形式や「大丈夫です」という婉曲な断り表現など、新しい現象の解明にも取り組む意欲作。
目次
はじめに

第1章 研究目標と本書の構成
 1.1 研究の背景と目標
 1.2 本書の構成


 第Ⅰ部 待遇表現形式の使用/不使用における文体の調整と語用論的発話効果

第2章 聞き手待遇の実現要素
 2.1 聞き手待遇表現の実現要素
 2.2 本研究で扱う聞き手待遇表現の形式
 2.3 聞き手待遇表現形式をめぐる形態的問題
 2.4 本書で用いる聞き手待遇表現関連の用語
 2.5 形態論的解釈による機能
 2.6 語用論的解釈による機能
 2.7 滝浦(2005)の距離化の表現
 2.8 おわりに

第3章 状況的要素と聞き手待遇表現
 3.1 人間関係
 3.2 場面の特徴
 3.3 聞き手待遇と場面形成の機能の連続性
 3.4 おわりに

第4章 ストラテジーと聞き手待遇表現
 4.1 本研究におけるストラテジーという概念の見方
 4.2 ストラテジーの成立条件
 4.3 ストラテジーの成立
 4.4 ストラテジーの不成立
 4.5 有標形式のレジスターと擬似ストラテジー
 4.6 ストラテジー使用における言語的特性
 4.7 おわりに

第5章 「聞き手」をどう捉えるか
 5.1 先行研究における「聞き手」概念の検討
 5.2 本研究における「聞き手」概念の見方
 5.3 聞き手における発話の呼びかけの集約性
 5.4 聞き手待遇に影響を与える範囲の境界線
 5.5 おわりに

第6章 待遇レベルのシフトにおける場面の柔軟性
 6.1 聞き手の変化と場面の関係性
 6.2 場面の動的調整に見る社会語用論的含み
 6.3 おわりに

第7章 ネオ敬語「(ッ)ス」の語用論的機能
 7.1 「デス」の進出と「ス」の出現
 7.2 「ス」の統語的特徴
 7.3 「ス」の語用論的機能
 7.4 丁寧語形式の社会運用能力
 7.5 ストラテジーの成立
 7.6 「ス」の使用動機
 7.7 「ス」の中間話体としての位置づけおよび社会言語学的解釈可能性
 7.8 ネオ敬語の役割語的要素
 7.9 丁寧語形式の運用上の無標性
 7.10 ネオ敬語「ス」の出現と命題内容との関係性
 7.11 おわりに


 第Ⅱ部 対人関係コミュニケーションにおける言語配慮行動

第8章 断り表現の語用論的選択メカニズムに見る配慮行動
 8.1 「いいです」と「大丈夫です」の語用論的選択メカニズム
 8.2 両表現に潜んでいる意味─表意(explicature)の復元─
 8.3 まとめと関連する問題点

第9章 伝聞表現の間接性と対人関係的発話効果
 9.1 はじめに
 9.2 研究の背景
 9.3 伝聞表現の選択に関与する文脈要素
 9.4 伝聞表現と間接化の関係性
 9.5 疑似伝聞表現による間接化
 9.6 伝聞表現の間接性とヘッジ
 9.7 まとめ

第10章 配慮表現としての「言いさし文」の語用論的機能
 10.1 荻原稚佳子(2008)の「言いさし発話の解釈理論」
 10.2 白川博之(2009)の「言いさし文」
 10.3 「言いさし文」における発話内行為と配慮表示機能
 10.4 談話レベルにおける「言いさし文」の特性
 10.5 「言いさし文」における間接発話行為とヘッジ
 10.6 ヘッジが持つ語用論的意義
 10.7 おわりに

第11章 話者交替における発話末形式「みたいな」の語用論的特徴
 11.1 はじめに
 11.2 本研究における問題提起の背景
 11.3 話者交替における「ミタイナ」の特徴
 11.4 談話上の語用論的含み
 11.5 今後の課題

第12章 全体のまとめと今後の課題
 12.1 全体のまとめ
 12.2 今後の課題


参考文献
参考資料Ⅰ 日本語における第三者待遇表現の実態調査の結果
参考資料Ⅱ 日本語の尊敬語形式の改まり度と語用論的機能
あとがき
索 引
著者略歴
呉 泰均(オ テギュン o tegyun)
1980年生まれ。 北海道大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。 専門は、言語学(語用論、日本語学など)。日韓対照言語行動、対人関係コミュニケーション、若者ことば、敬語行動などを研究。 現在、北海道大学大学院文学研究院言語科学研究室専門研究員。北海道大学文学部、北海道教育大学、北海学園大学人文学部、北星学園大学、札幌学院大学、札幌国際大学、酪農学園大学にて非常勤講師。 【著書・論文】 『日本語語用論フォーラム1』(分担執筆、加藤重広(編著)、ひつじ書房、2015年) 『韓国語で説明する日本の文化』(分担執筆、植田一三(編著)、語研、2017年) 「日本語伝聞表現の間接性と対人関係的発話」(韓国日本文化学会発行『日本文化學報』第75輯、2017年) などがある。
タイトルヨミ
カナ:ニホンゴキキテタイグウヒョウゲンノシャカイゴヨウロンテキケンキュウ
ローマ字:nihongokikitetaiguuhyougennoshakaigoyourontekikenkyuu

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