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2021年8月6日発売

論創社

出版社名ヨミ:ロンソウシャ

異邦人の歌 なかにし礼の〈詩と真実〉

なかにし礼の〈詩と真実〉
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内容紹介
なぜ彼は〈闘いの人生〉を選び取ったのか?
なかにし礼の原点は、少年時代の満州での、祖国に捨てられたという思いと引揚者としての異邦人体験にあった。恋愛の歌に自らの戦争体験を忍ばせたことにもそれが窺われる。売れっ子作詞家時代はもちろん、直木賞作家として、その後の闘病生活を通じてその思いを片時も手放さなかった。――彼の闘いの生涯を一貫して〈詩と真実〉の視点から解き明かす。

なかにし礼の〈詩と真実〉は、まちがいなく、時代の流れと人の〈情〉に、じぶん自身の生い立ちが運命的に交錯しあうこの秘められた場所で、人知れず生まれていたはずである。こうした事情を知ればしるほど、まさに〝歌は世につれ、人につれ〟なのだなあと、私などはふかく実感したのだった。――本文「第八章 なかにし礼の〈詩と真実〉」より  
目次
拝啓 なかにし礼様 プロローグにかえて

序章

第一章 異邦人の覚醒
異邦人の肖像をもとめて 
〈人生の核〉としての少年時代
記憶のなかの原風景
空襲
逃避行
異郷への追放
「引揚げ文学」の観点から

第二章 創作への助走
海のうえの『リンゴの唄』
運命の契機について
小・中学校時代の影と光と
1 〈影〉について
2 〈光〉について 

第三章 詩人の誕生
都市文化の洗礼
孤独の肖像
創作者への道 
シャンソン歌詞と翻訳詩 
「三拍子」をめぐる問題
作詞家への途
1 石原裕次郎
2 丸山明宏(美輪明宏)

第四章 歌謡曲と国家の影
衝撃的な告白 
ダブル・モチーフという戦略 
解釈をかえることのリスクと意味 
みえかくれする国家の影 

第五章 思想としての〈昭和歌謡〉

流行歌の思想
演歌が社会批判だった時代――添田唖蟬坊と「演歌」 
歌の歴史を編むということ
「演歌」と新体詩 

戦後社会と〈昭和歌謡〉
歌をヒットさせるということ
〈ひらめき〉が降りてくる
〈歌謡曲〉が軍歌になった時代 
〈昭和歌謡〉をもたらした〝革命〟
〈昭和歌謡〉が〝思想〟になるとき

第六章 方法的飛翔――『夜の歌』の世界
命がけの飛翔
無類の幻想文学 
ゴーストの原型を追って 
過去の諸作品との関係 
ナターシャがくれた慰撫 
父・政太郎による自己批判 
母・「雪絵」の物語 
兄、あるいは疫病神としての戦後社会 

第七章 なぜ闘うのか、なぜ闘えるのか
この力の源泉はどこから? 
ほんとうの転機は二〇一五年に訪れた?
文学の力が湧きあがる 
背中を押したのは誰か? 
闘えるのは〈文学〉の力があるから

第八章 なかにし礼の〈詩と真実〉
「作詞作法」から「作詩技法」へ
なかにし礼の〈詩と真実〉 
1 底辺のない三角形 
2 歌の五体 
3  「石狩挽歌」の衝撃 
見すえるのは〝世界〟と〝希望〟

エピローグ

なかにし礼・主要著作物一覧
著者略歴
添田馨(ソエダカオル soedakaoru)
1955年宮城県仙台市生まれ。慶應義塾大学文学部独文科卒業。詩人・批評家。 詩集に『語族』(第七回小野十三郎賞)『民族』(ともに思潮社)、『非=戦(非族)』(響文社)、評論集に『戦後ロマンティシズムの終焉――六〇年詩の検証』『吉本隆明――現代思想の光貌』(ともに林道舎)、『吉本隆明――論争のクロニクル』『ゴースト・ポエティカ――添田馨幽霊詩論集』(ともに響文社)、『クリティカル・ライン――詩論・批評・超=批評』(第二十一回小野十三郎賞、思潮社)、『天皇陛下(8・8ビデオメッセージ)の真実』(不知火書房)などがある。
タイトルヨミ
カナ:イホウジンノウタ
ローマ字:ihoujinnouta

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