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2021年9月10日発売

てらいんく

蔵原伸二郎評伝

新興芸術派から詩人への道
てらいんくの評論
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内容紹介
〜熊本、東京、埼玉そして中国を巡った文学者の足跡と作品〜

詩人にして小説家、昭和初期から戦後にかけて文学に人生を捧げた蔵原伸二郎(1899-1965)の生涯とは。
芸術に魅せられた幼い頃、上京後の文学活動、影響を受けた萩原朔太郎や井伏鱒二らとの交友、埼玉での生活と戦後にかけての創作への取り組みなど、彼の人生をたどるとともに作品を幅広く紹介。

*  *  *
 この本は詩人にして小説家であった蔵原伸二郎(一八九九〜一九六五)の評伝である。彼は昭和期の初頭から昭和四十年(一九六五)にかけて活躍した文学者である。この本の副題はもしかしたら、「熊本・東京・埼玉そして中国」である。彼は熊本で生まれ、東京に出てきた、そして戦後は埼玉で暮らした。兄が上海にいたこともあり、中国にたびたび出かけた。また、戦時中、大東亜派遣視察団の一員として昭和十七年(一九四二)、満州に行ったことがある。そのような彼の生きた道程からこの本の副題を「熊本・東京・埼玉そして中国」とするつもりだった。
 文学者の伝記は様々であるが、この本でわたくしの感想・批評を若干、付加した。それが読者の皆さんに楽しみをもたらすかどうか不安である。
(中略)
 ところで、なぜ自分は蔵原の評伝を書いたのだろうか。そう自問して、しばらく瞑想した。すると、答えが出た。
 第一に詩人の生涯に強い関心を持っていたこと。第二に蔵原を基軸としつつあの時代(昭和初期から太平洋戦争中、戦後期)の文学状況を探究したかったこと、第三に飯能の文芸文化誌『飯能文化』『武蔵文化』『雑草』『陽炎』等の関係者に感謝したかったこと。以上三点である。
 そのような次第で、ここにやっと蔵原伸二郎の評伝を出すことになった。
(「あとがき」より)
*  *  *
目次
第一章 熊本阿蘇での生い育ち
第二章 東京で暮らす
第三章 詩の初投稿
第四章 小説家への夢開いて―『葡萄園』時代―
第五章 小説と詩、どちらも好む―『葡萄園』からの出発―
・大正末期から昭和初期にかけての詩壇の状況
・詩誌『亞』と詩誌『赤と黒』、北川冬彦と岡本潤
・井伏鱒二との交友―実の兄貴のようだった
・散文詩から小説へ
第六章 小説の習作―『三田文学』等で発表―
第七章 昭和初期の小説家デビュー 『猫のゐる風景』出版
第八章 詩人の覚醒―昭和初期から戦中へ―
第九章 戦中から戦後へ―埼玉へ移住―
第十章 詩業の到達点―詩集『岩魚』―
あとがき

【資料篇】
・蔵原伸二郎年譜
・雑誌『葡萄園』初期細目と解説
・主要参考文献
・写真解説
・著者の論考初出一覧
著者略歴
竹長吉正(タケナガヨシマサ takenagayoshimasa)
1946年(昭和21)10月、福井県生まれ。高等学校及び大学の教員を勤めた。詩人との交流が多く、特に神保光太郎、吉野弘、宮澤章二、槇晧志、山本和夫、吉田瑞穂、岡本潤、寺島珠雄、飯島正治と親しく交流した。著書に『石垣りん・吉野弘・茨木のり子 詩人の世界』『評伝 霜田史光』『日本近代戦争文学史』等がある。
タイトルヨミ
カナ:クラハラシンジロウヒョウデン
ローマ字:kuraharashinjirouhyouden

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