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2019年6月20日発売

弦書房

出版社名ヨミ:ゲンショボウ

天草島原一揆後を治めた代官鈴木重成

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内容紹介
捨身懸命の生涯。一揆後、疲弊しきった天草と島原で、戦後処理と治国安民を12年にわたって成し遂げた徳川家の側近・鈴木重成とはどのような人物だったのか。重成が実行した特異な復興策とその思想を、天草の鈴木神社宮司が浮き彫りにする。
どのような《復興策》を講じたのか。
・原城で死んでいったキリシタンを仏式で供養。恩讐も宗教の違いも越えた救済と融和を目指した。
・村民の心のよりどころである神社を復興。
・村内を再編成。移民を誘致。大胆な年貢減免。
・キリシタン対策も行う一方で、兄・正三が、庶民のための仏教と勤勉の哲学を説く。
目次
はじめに

第一章  三河今昔
鈴木重成のふるさと/足助のことをもう少し/徳川家康、三河武士を「剛渋の気象あり」と評する/三河の国衆から譜代の臣へ/則定陣屋は語る

第二章  鈴木家の系譜をたどる
鈴木氏の淵源/忠毅なる人びと/末裔のことなど/「徳川の平和」の根源

第三章  文明の衝突、日本の自画像
リンゴを二つに割るように/南蛮人がやって来た/キリスト教の受容と排除/〝伴天連追放令〟を読む/国家理性の発動ということ/徳川日本の国是

第四章  徳川の家臣・幕臣として
駿河台/駿河台の鈴木町から大坂の鈴木町へ/五畿内代官・鈴木重成

第五章  天草島原きりしたん一揆
鈴木重成、島原へ/詳細な原城リポート/原城炎上/あのいくさ、何であったか

第六章  特命代官、海を渡る
〝特命代官〟とはなにか/島原における初期の事績/九死に一生の天然痘/それは決して論功行賞などではなかった

第七章  天草代官(一)
オランダワイン/代官所と天領の村々/移民を呼び込む/四公六民、五公五民の時代にこの年貢率/矛盾/重成、島原代官を兼務/熊本藩主・細川光尚とのよしみ

第八章  天草代官(二)
三州足助から阿弥陀仏と二十五菩薩像を携えて/相次ぐ社寺の再建・創建/松榮山東向寺/よみがえる神社、活気づく村祭り/江戸時代、天草の産土神社

第九章  天草代官(三)
あれから一年、あれから十年…の思い/〝楕円形〟の敵味方供養/中華珪法碑文の読み方/危ういかな武士道/やっぱり、ほうっておけない

第十章  絵踏み考
〈天草崩れ〉は何が問題なのか/〝転び伴天連〟フェレイラ
絵踏みという逆説/天草での絵踏み/禁教下、キリシタンの諸相と命脈

第十一章 鈴木正三
世を捨てなかった世捨て人/正三という僧名の奇跡/職業即仏行・仏法即世法という考え方、そして仏教治国論/恩真寺―在家仏教への転回/『破吉利支丹』の時代性

終章   復興する天草
重成、死す/重成から重辰へ/「天草御条目」に見る復興のすがた(復興証明1)/石高を半減し、年貢率を引き上げる(復興証明2)/富岡城は無用なり(復興証明3)/〈鈴木さま〉のひろがり/鈴木神社/鈴木重成公三百五十年祭/キリスト教伝来四百五十年祭

鈴木重成年譜

おわりに/参考文献
著者略歴
田口 孝雄(タグチ タカオ taguchi takao)
昭和17年、熊本県天草市に社家の長男として生まれる。國學院大學文学部卒。長崎県立佐世保南高校・熊本県立水産高校・同天草高校教諭(国語科)、天草文化協会第6代会長などを歴任。現在、鈴木神社第15代宮司。熊本県神社庁研修所講師。著書に『評伝 天草五十人衆』(共著、弦書房、熊日出版文化賞)などがある。
タイトルヨミ
カナ:アマクサシマバライッキゴヲオサメタダイカンスズキシゲナリ
ローマ字:amakusashimabaraikkigooosametadaikansuzukishigenari

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