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2021年7月24日発売

アルテスパブリッシング

vol.18 ピアノへの旅(コモンズ: スコラ)

commmons: schola 音楽の学校
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内容紹介
坂本龍一「音楽の学校(=schola)」、リニューアル第1弾!
プレイリストで楽しむ書籍として再始動。
ピアノ成立史のミステリーを追って、楽器と音楽の長い旅へ──

2008年にVol.1『J. S. バッハ』でスタートし、
2018年『ロマン派音楽』まで17巻(CDと本)をエイベックスから刊行してきた、
坂本龍一監修のユニークな音楽全集〈音楽の学校=コモンズ・スコラ〉。
このVol.18から、プレイリストで音楽を聴きながら読む書籍として生まれ変わります。

リニューアル第1弾のテーマは、坂本龍一がもっとも長く深く付き合ってきた楽器、ピアノ。
だれにでも正確で大きな音が出すことができて、「楽器の王様」とも呼ばれるピアノは、
ギターと並んで世界的にもっともポピュラーな楽器です。

私たちが慣れ親しんでいるタイプのピアノは、約300年ほど前、
18世紀初頭のイタリアでクリストフォリが作った楽器が元祖とされます。
では多くの弦とハンマーアクションを備えた鍵盤を押して音を出す、という
ピアノの基本的な仕組みは、いったいいつ、どのようにできあがったのでしょうか?
ピアノが生まれるまでの歴史をたどっていくと、
意外なほど多くの謎に包まれていることが分かってきます。

本書では、そのピアノ成立史のミステリーに挑むとともに、
工業化の粋を極めたピアノという楽器とその音楽の本質を
多彩な視点から縦横無尽に語り合います。
東日本大震災で出会った「津波ピアノ」に象徴されるように、
ピアノを不自由で儚い楽器ととらえ近代に抗う
坂本の楽器観・音楽観も浮き彫りになります。

ゲストに迎えたのは、ピアノよりさらに古い鍵盤楽器の成立史に詳しい研究者・上尾信也さんと、
中欧・東欧の芸術音楽、民族音楽がご専門でピアノをめぐる文化史にも造詣の深い音楽学者・伊東信宏さんのおふたり。

第1部は3人の鼎談。国立音楽大学の楽器学資料館で歴史的な鍵盤楽器に触れたあと(その模様はカラーで紹介)、紀元前のローマ、ギリシャやイスラム世界まで視野を広げて、ピアノ成立史のミステリーに挑みます。

後半の第2部は坂本☓伊東の対談。バッハからライヒまで、
坂本が慣れ親しんできたピアノ曲を聴きながら、
不自然で不自由で、そこがいじらしくもある楽器=ピアノの本質に迫ります。

対談のなかで取りあげた楽曲のCD音源ガイドを掲載するとともに
(伊東さんに加えて気鋭の音楽ジャーナリスト・小室敬幸さんも執筆)、
この巻からSpotifyとApple Musicにプレイリストをご用意して、
リンクQRコードでご案内します。

※〈コモンズ・スコラ〉は、坂本龍一総合監修のユニークな「音楽全集」。
音楽の洪水を泳ぐ指針として企画編纂され、2008年から18年まで17巻をエイベックスより刊行。
NHK教育テレビの番組(2010年)も好評を博しました。
目次
スコラ・シリーズとは ─ はじめに  坂本龍一

第1部[鼎談]ピアノへの旅
坂本龍一×上尾信也×伊東信宏

ピアノはどこからやってきたのか?
[カラー]鍵盤楽器の歴史を体験する─国立音楽大学楽器学資料館を訪ねて

ピアノをめぐる壮大で自由な旅へ
最初期の鍵盤楽器 ─ 水力オルガン「ヒュドラウリス」
「叩く」「引っ掻く」から「止める」へ
金属を鍵盤で鳴らす ─ カリヨンとクラヴィチンバルム
金属加工と機械技術の結晶
チェンバロとクラヴィコード、どっちが先?
12音音階はいつ、なぜ生まれたか?
ピアノが世界に広まった理由
ヨーロッパ的な発想としての鍵盤
自分の耳で音を、響きを聴くこと
規格化された耳をひらく
正統化と合理性 ─ スイッチとしての鍵盤
自然に戻るピアノ
グールドとクラヴィコード
音の消えていくところを聴く
音律と時間の統一
ピアノの起源はアラブだった?

第2部[対談]
静かで弱い音楽へ ─ 近現代のピアノ曲を語る
坂本龍一×伊東信宏

坂本龍一選曲リスト

「響き」への関心
原点は〈テル・ミー〉
「ピアニストになろうと思ったことはないんですよ」
練習で弾く曲
調律をやめたスタインウェイ ─ ノイズとテンポ
ショパンのゆらぎ
グールドはなぜ歌うのか?
リストとグールドが弾いたチッカリング
グールドとダリと『裸のランチ』
晩年のホロヴィッツ
聴きながら弾く、聴くために弾く
雲の流れのような音楽
ドビュッシーが弾いたブリュートナー
モーツァルトは扱いにくい
永遠に持続する音への憧れ
ピアノならではの響きの良い音楽
無時間の音楽
即興楽器としてのピアノ
リズム楽器としてのピアノ
調律できない不便な楽器
歌とピアノ
楽譜と首っ引きで聴いたベートーヴェンの協奏曲
神がかってる《ジュピター》と未完の恐怖
減衰への抗いの歴史
弾かないピアニスト
津波ピアノ ─ 崩壊と喪
不自由で儚いゆえのいじらしさ

プレイリスト
音源(CD)ガイド 伊東信宏・小室敬幸

著者プロフィール
参考文献
著者略歴
坂本龍一(サカモト リュウイチ sakamoto ryuuichi)
さかもと・りゅういち:1952年東京生まれ。3歳からピアノを、10歳から作曲を学ぶ。東京藝術大学大学院修士課程修了。78年にソロ・アルバム『千のナイフ』でデビュー。同年、細野晴臣、髙橋幸宏とともにYMOを結成し、シンセサイザーを駆使したポップ・ミュージックの世界を切り開いた。83年の散開後は、ソロ・ミュージシャンとして最新オリジナル・アルバムの『async』(2017)まで無数の作品を発表。自ら出演した大島渚監督の『戦場のメリークリスマス』(83)をはじめ、ベルトルッチ監督の『ラスト・エンペラー』(87)、『シェルタリング・スカイ』(90)、イニャリトゥ監督の『レヴェナント』(2015)など30本以上を手掛けた映画音楽は、アカデミー賞を受賞するなど高く評価されている。地球の環境と反核・平和活動にも深くコミットし、「more trees」や「Stop Rokkasyo」「No Nukes」などのプロジェクトを立ち上げた。「東北ユースオーケストラ」など音楽を通じた東北地方太平洋沖地震被災者支援活動もおこなっている。2006年に「音楽の共有地」を目指す音楽レーベル「commmons」を設立、08年にスコラ・シリーズをスタートさせている。2014年7月、中咽頭癌の罹患を発表したが翌年に復帰。以後は精力的な活動を続けた。2021年1月に直腸癌の罹患を発表し闘病中。自伝『音楽は自由にする』(新潮社、2009)など著書も多い。
伊東信宏(イトウ ノブヒロ itou nobuhiro)
いとう・のぶひろ:1960年京都市生まれ。大阪大学大学院文学研究科教授。専門は、東欧の音楽史、民俗音楽研究など。大阪大学文学部、同大学院修了。リスト音楽大学(ハンガリー)研究員、大阪教育大学助教授などを経て現職。著書に『バルトーク』(中公新書、1997年)、『中東欧音楽の回路 ロマ・クレズマー・20世紀の前衛』(岩波書店、2009年、サントリー学芸賞)、『東欧音楽綺譚』(音楽之友社、2018年)、『東欧音楽夜話』(同、2021年)、編著に『ピアノはいつピアノになったか?』(大阪大学出版会、2007年)、訳書に『バルトーク音楽論選』(太田峰夫と共訳、ちくま学芸文庫、2019年)、『月下の犯罪』(S.バッチャーニ著、講談社選書メチエ、2019年)ほかがある。
上尾信也(アガリオ シンヤ agario shinya)
あがりお・しんや:1961年生まれ。国際基督大学大学院修了、学術博士。専攻は「音」の歴史や中近世の芸能・芸能者を扱った西洋史、音楽史。近年は「音楽心性から読み解く国歌」や「楽器の社会史」をテーマにしており、クラヴィコード、古代水力オルガン「ヒュドラウロス」、セビリアのイシドルスの楽器などに関する論稿がある。また、「音楽史におけるルネサンス再考―作曲家と作品の「越地域性」をめぐって」(『西洋中世研究6』)に加えて、2021年にヴィンチェンツォ・ガリレイ「古代と当代の音楽についての対話」(抄訳)(『原典イタリア・ルネサンス芸術論』名古屋大学出版会)を上梓。他の著書に『音楽のヨーロッパ史』(講談社現代新書)、『楽師論序説』(国際基督教大学比較文化研究会)、『歴史としての音』(柏書房)、『吟遊詩人』(新紀元社)、監訳書にJ・マッキノン編『西洋音楽の曙』(音楽之友社)などがある。
小室敬幸(コムロ タカユキ komuro takayuki)
こむろ・たかゆき:1986年生まれ。東京音楽大学作曲専攻を卒業後、同大学院音楽学研究領域を修了(研究テーマはエレクトリック期のマイルス・デイヴィス)。作曲を池辺晋一郎氏ほかに師事。現在は和洋女子大学非常勤講師、一般社団法人Music Dialogue事務局等を務めるとともに、フリーランスの音楽ライターとしてクラシック、ジャズ、映画音楽を中心に楽曲解説やインタビュー取材などで幅広く活躍している。
タイトルヨミ
カナ:ジュウハチ ピアノ ヘノ タビ コモンズ スコラ
ローマ字:juuhachi piano heno tabi komonzu sukora

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アルテスパブリッシングの既刊から
坂本龍一/著 伊東信宏/著 上尾信也/著 小室敬幸/著
日本ワーグナー協会/編
ミシェル・ルグラン/著 ステファン・ルルージュ/共著 髙橋明子/翻訳 濱田高志/監修
日本チェンバロ協会/発行
もうすぐ発売(1週間以内)
共立出版:小泉義晴 千葉雅史 内田ヘルムート貴大 
フォト・パブリッシング:諸河久 寺本光照 
集英社:深緑野分 
鳥影社:山上一 

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