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2021年3月15日発売

関西大学出版部

もう一つの内藤湖南像

関西大学内藤文庫探索二十年
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内容紹介
 本書は1999年から2019年までの20年間、関西大学文学部に奉職する著者が内藤文庫所蔵の一次史料を駆使して書いた論文及び同僚・同志たちと協働して行った研究活動記録の集大成である。
 口絵集に配置される臨場感あふれる写真180余点は、湖南の生涯事跡、家族・師友・門下生及びその交流・交渉の相手の同時代日中両国の文人と政治家の肖像(例えば日本側の三宅雪嶺、西村天囚、稲葉岩吉、長尾雨山、富岡鉄斎、石濱純太郎、小村寿太郎、犬養毅、西園寺公望と斎藤実など、中国側の羅振玉、蒋黼、張謇、張爾田、胡適、傅増湘、趙爾巽、熊希齢、鄭孝胥と溥儀など)、および関西大学を中心に展開された研究活動の風景を紹介している。
 冒頭に湖南研究の先達で京都大学名誉教授の礪波護・高田時雄両先生の序文、および「近代に挑む経世気概の東洋史学者―私の湖南像と本書の構成」と題する著者の序説がある。本文は三部構成で、「第一部 研究論文」所収の湖南の学問的・政治的営みとスタンスの特徴とその変化に関する8編は、次のような三つのセクションに分けられている。
I 「欧西と神理相似たる」日中の学問方法論発掘と顕彰
第1章 富永仲基に関する内藤湖南と石濱純太郎の功績―「加上法」と『楽律考』発見の意義と影響;第2章 『文史通義』研究と章学誠年譜作成のインパクト―張爾田、胡適および姚名達との交流について
II 東洋「美術」の精粋たる書画への嗜好と推賞
第3章 中国趣味の形成と清末流出書画の蒐集および発信―『内藤湖南と清人書画―関西大学内藤文庫所蔵品集』序説;第4章 関西における「王右軍」論の展開と湖南の「南帖北碑」関係論の変遷―『大正癸丑蘭亭会への懐古と継承―関西大学内藤文庫所蔵品集を中心に』序説
III アジアをめぐる欧米列強との競合と西洋文明を模倣した近代日本への反省
第5章 日露戦争末期の満洲軍占領地民政調査と小村外相への献策;
第6章 民国初期における日米競合と『支那論』及び対中文化事業構想;第7章 航欧後の「欧米文明礼賛」批判と大阪「東方文化聯盟」への指導;第8章 「満洲国」および日満文化協会創立前後の石原莞爾・羅振玉・鄭孝胥との相談―「満鮮古戦場」探求、『清実録』影印および溥儀の即位儀礼問題をめぐって
 「第二部 史料論考と人物小伝」に収録する「關於内藤文庫所藏鈔本《章氏遺書》之来歴」、「内藤湖南『支那論』的成書過程與民国初期熊希齢内閣的関係」などの論考8編、および富永仲基、重野安繹、宮島誠一郎、山本憲、斎藤実、西村天囚、内藤湖南、小川琢治、富岡謙蔵 今西龍、稲葉岩吉、鈴木虎雄 羽田亨、武内義雄、濱田耕作、岡崎文夫、石濱純太郎、梅原末治、宮崎市定、吉川幸次郎と藤枝晃に関する小伝は、第一部の論文に触れる関連人脈と時代背景を実証し補説している。
「第三部 関連序跋など」は、著者自身の著作及び藤田高夫、藪田貫、吾妻重二、中谷伸生、劉岳兵、傅佛果(Joshua Fogel)、何英鶯、銭婉約、黄俊傑、杉村邦彦諸先生との共編著や共訳計20冊の序跋を収録し、巻末には人名索引、事項索引および「あとがき」を付している。
目次
口絵集
礪波護氏「序文」
高田時雄氏「序」
序説 近代に挑んだ経世気概の東洋史学者─私の湖南像と本書の構成について

第一部 研究論文
Ⅰ「欧西と神理相似たる」日中の学問方法論の発掘と顕彰
第1章 富永仲基顕彰に関する内藤湖南と石濱純太郎の功績─「加上法」と『楽律考』発見の意義と影響
第2章 『文史通義』研究と章学誠年譜作成のインパクト
Ⅱ 東洋「美術」の精粋たる書画への嗜好と推賞
第3章 中国趣味の形成と清末流出書画の蒐集および発信─『内藤湖南と清人書画─関西大学図書館内藤文庫所蔵品集』序説
第4章 関西における「王右軍」論の展開と「南帖北碑」論の変遷─『大正癸丑蘭亭会への懐古と継承─関西大学図書館内藤文庫所蔵品を中心に』序説
Ⅲ アジアをめぐる欧米列強との競合と西洋文明を模倣した近代日本への反省
第5章 日露戦争末期の満洲軍占領地民政調査と小村外相への献策
第6章 民国初期における日米競合と『支那論』および対中文化事業構想
第7章 航欧後の「欧米文明礼賛」批判と大阪「東方文化聯盟」への指導
第8章 満洲建国と日満文化協会創立前後の石原莞爾・羅振玉との相談

第二部 史料論考と人物小伝
論考1 張謇與內藤湖南及西村天囚─内藤文庫所蔵書簡考證之一
論考2 關於張爾田的信函及「臨江仙」詞─内藤文庫所蔵書簡考證之二
論考3 姚名達の湖南宛書簡二通について─内藤文庫所蔵書簡考証之三
論考4 關於内藤文庫所藏鈔本《章氏遺書》來歷之考證
論考5 內藤湖南1905 年奉天調查中的學術和政治─關於內藤文庫所藏筆談記錄的研究
論考6 内藤湖南『支那論』的成書過程與民国初期熊希龄内閣的関係
論考7 鄭孝胥與水野梅曉的交往及其思想初探─兼及其與内藤湖南和長尾雨山的關係
論考8 山本竟山の『鐵雲藏陶』書名題字と羅振玉および楊守敬
人物小伝(生年順 東京堂出版『日本思想史事典』・『近代日中関係史人名辞典』より)

第三部 関連序跋など
1999 『日本漢学思想史論考─徂徠・仲基および近代─』
2005 『近代日中人物史研究の新しい地平』
2007 『明治の漢学者と中国─安繹・天囚・湖南の外交論策─』
2008 関西大学図書館特別企画展「内藤湖南─近代日本の知の巨匠」に寄せて
2008 「第2回研究集会 内藤湖南への新しいアプローチ─文化交渉学の視点から」
2009 『内藤湖南と清人書画─関西大学図書館内藤文庫所蔵品集─』
2013 図録『大正癸丑蘭亭会百周年記念─近代日本における翰墨の盛典─』
2013 『大正癸丑蘭亭会への懐古と継承─関西大学図書館内藤文庫所蔵品を中心に─』
2014  河合教育文化研究所『研究論集』第11集 特集Ⅱ「内藤湖南と中国」
2014  南開大学《世界近現代史研究》第11輯「内藤湖南与中国」專欄
2015 『泊園書院と大正蘭亭会百周年』
2016 《内藤湖南 政治與漢學(1866-1934)》
2016 《内藤湖南漢詩酬唱墨迹輯釋─日本關西大學圖書館內藤文庫藏品集》
2016  関西大学創立130周年記念・泊園記念会企画展『関西大学図書館における日中文化交渉研究の資源─泊園文庫・内藤文庫・増田文庫を中心に─』
2017 『日本における近代中国学の始まり─漢学の革新と同時代文化交渉─』
2017 《内藤文庫蔵鈔本章氏遺書》
2019 『山本竟山の書と学問─湖南・雨山・鉄斎・南岳との文人交流ネットワーク─』
2020 「杉村邦彦先生との『翰墨の縁』」

初出一覧
あとがき
人名・事項索引
著者略歴
陶 徳民(トウ トクミン tou tokumin)
タイトルヨミ
カナ:モウヒトツノナイトウコナンゾウ
ローマ字:mouhitotsunonaitoukonanzou

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