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定価:1,210円(1,100円+税)
判型:四六
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内容紹介
何を書いても詩になるという人がいる。
三隅美奈子さんの作品を初めて見たのは、読売新聞神奈川版の五行歌欄への投稿からであった。
すかすかの
夏の昼月
段ボールの
ような
ビルの上
おそらく、これは最初の投稿歌じゃないかと思う。ああ、詩人だなあと思った内心の興奮をよく覚えている。夏の昼月と段ボールのようなビルの取り合わせがなんともいえない。ビルはわれらの文明のシンボルだが、所詮は段ボールですよと言っているようでもある。それとなんとない倦怠感。
少ない言葉で、尽きない思いに誘う言葉、それが詩である。そのうえ、勝ち誇ったような詩語を使ってもいない。ふだんの言葉である。だからなお深く驚くのだ。
彼女が五行歌の会の会員になり、同人になり、もう十六、七年になる。この間、彼女は素晴らしい詩歌を書き続けてくれた。私の憧れのような期待は、実現した。それがこの歌集である。
(草壁焔太跋文より)
三隅美奈子さんの作品を初めて見たのは、読売新聞神奈川版の五行歌欄への投稿からであった。
すかすかの
夏の昼月
段ボールの
ような
ビルの上
おそらく、これは最初の投稿歌じゃないかと思う。ああ、詩人だなあと思った内心の興奮をよく覚えている。夏の昼月と段ボールのようなビルの取り合わせがなんともいえない。ビルはわれらの文明のシンボルだが、所詮は段ボールですよと言っているようでもある。それとなんとない倦怠感。
少ない言葉で、尽きない思いに誘う言葉、それが詩である。そのうえ、勝ち誇ったような詩語を使ってもいない。ふだんの言葉である。だからなお深く驚くのだ。
彼女が五行歌の会の会員になり、同人になり、もう十六、七年になる。この間、彼女は素晴らしい詩歌を書き続けてくれた。私の憧れのような期待は、実現した。それがこの歌集である。
(草壁焔太跋文より)