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2021年4月1日発売

同時代社

出版社名ヨミ:ドウジダイシャ

金時鐘は「在日」をどう語ったか

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内容紹介
在日朝鮮人文学を代表する詩人として広く知られる金時鐘。
しかし、かつて金時鐘が語った言葉には、「在日二世」である著者とって、共感とともに見過ごせない違和感があった――。その在日観の差異とは何か。
在日が在日知識人を批判的視角から論じる意欲的試み。
目次
 はじめに――本書について
   1 構成
   2 本書の特徴と議論の展開
   3 金時鐘とそのテクストと筆者との関係の推移


第1章 「詩はメシ」か?――サークル詩誌『ヂンダレ』の「前期」と金時鐘
    はじめに
   1 時期区分と対象の限定
   2 『前期』における「事件」
   3 金時鐘における『前期』
   4 金時鐘の在日二世「騙り」
   5 『前期』における鄭仁
    まとめにかえて

第2章 〈一斉糾弾闘争〉と金時鐘の〈自分・在日語り〉――参入初期に限定して
    はじめに――〈一斉糾弾闘争〉と金時鐘
   1 一斉糾弾闘争の概況
   2 一斉糾弾闘争への参入についての金時鐘の回顧的な〈自分・ 在日語り〉
   3 闘争現場への参入に関するリアルタイムの語り――「さらされるものとさらすもの」
   4 テクスト戦略の五――〈強迫観念〉が備える〈威嚇効果〉の積極的活用
    まとめにかえて

第3章 〈一斉糾弾闘争〉の方針転換以降における金時鐘の〈神格化〉の様相
    はじめに――本章のテーマと構成
   1 一斉糾弾闘争の指導部の方針転換―その論理と波紋
   2 方針転換における金時鐘の役割とその論理
   3〈自分・在日語り〉も含めた金時鐘の〈超越的自己認識〉
   4 金時鐘の〈自分・在日語り〉と読者――〈金時鐘の神格化プロジェクト〉
    まとめに代えて――金時鐘の〈自分・在日語り〉と彼の文学的営為との関係について

 おわりに
著者略歴
玄 善允(ヒョン ソニュン hyon sonyun)
韓国済州島出身の両親の二番目の子供として、1950年に大阪で生まれる。日本の公立の小中高を経て大阪大学、大阪市立大学大学院で仏語、仏文学を学んで以降、京阪神の諸大学でフランス語・文学を講じ、その傍ら、在日、済州、中国朝鮮族関連の研究もどきも愉しんでいる。 フランス文学関連の論文としては『フランス文学における自然』(共著)、共訳書に『ロマン・ロラン全集』、『アラゴン、自らを語る』などがある。 他方、在日関連では『在日の言葉』など一連のエッセイ集のほかに、在日一世女性の巫俗信仰関連の論文「在日済州人女性の巫俗実践とその伝承―「龍王宮」を中心にー」、在日文学に関する論文「詩はメシか?―『ヂンダレ』の前期と金時鐘-」(金時鐘)『火山島』の一つの読み方―小説家、語り手、登場人物の関係をめぐって(金石範)、済州関連では「済州4・3事件に関する未体験世代の表象―済州での予備的インタビュー調査―」「不就学女性の生活の中での学び-植民地下の朝鮮済州島で生まれ育った女性のライフヒストリーと学び-」、中国朝鮮族関連では「中国朝鮮族中高校生の内的世界―『全国朝鮮族中学生優秀作文選』の資料的可能性と限界をめぐって―」などがある。 また特に近年の仕事としては、『戦争ごっこ』(玄吉彦著、岩波書店)、『島の反乱』(玄吉彦著、同時代社)などの韓国文学の翻訳がある。
タイトルヨミ
カナ:キム シジョンハザイニチヲドウカタッタカ
ローマ字:kimu shijonhazainichiodoukatattaka

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