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2019年10月11日発売

ひつじ書房

民主的シティズンシップの育て方

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内容紹介
本書は「民主的シティズンシップ」を広めよう育てようと意図して編まれた。まずドイツにおける民主的シティズンシップ教育の歴史と理念を確認し現地の学校の授業について報告する。続けて日本語教育における実践とドイツ語教育における実践の報告を行う。最後は語学教育や教育機関を超えたアジアにおける若者の国際共修実践を報告する。本書は、理念と実践、言語教育と国際共修、ドイツ欧州・日本・アジアといった「異なるもの」が境界を超えて融合したハイブリッドな「複数性」を重視した書籍である。

執筆者:中川慎二、名嶋義直、野呂加代子、三輪聖、室田元美
目次
序章  執筆者一同
1. 今なぜ民主主義と民主的シティズンシップの必要性を主張するのか
1.1 民主主義と民主的シティズンシップの重要性
1.2 民主主義と民主的シティズンシップへの批判に対して
2. 民主的シティズンシップ教育としての日本語教育が持つ可能性
3. 本書の構成と特色

第1章 ドイツの政治教育  中川慎二
1. はじめに―ネットで学ぶドイツ総選挙
1.1 Wahl-O-Mat(ヴァールォーマット)で選挙のシミュレーション
1.2 政治教育は日常生活から―こどものためのカード教材から
2. ドイツの政治教育の歴史的変遷
2.1 連邦と州の政治教育センター
2.2 政治教育をさかのぼる―宗教改革からワイマール共和国まで
2.3 20世紀の2つの独裁政治
2.4 戦後西ドイツの再教育から1968年学生運動まで
2.5 社会変革の闘争から合意形成へ―ボイテルスバッハ・コンセンサス
2.6 政治教育の評価認証―ナショナル・スタンダードの時代
3. 政治教育とは民主主義を学ぶこと(Himmelmann 2006)
4. 政治的成熟とは
5. おわりに

第2章 ドイツにおける学校教育について―見学報告  名嶋義直・野呂香代子・三輪聖
1. はじめに
2. 見学した学校の概要
2.1 ドイツの学校制度
2.2 見学先学校の概要
3. Evangelische Schule Berlin Zentrum(ベルリン市)
3.1 ホームルーム見学1
3.2 ホームルーム見学2
3.3 その他に気づいたこと
4. Carolus-Magnus-Gymnasium(アーヘン市)
4.1 政治教育授業の見学
4.2 教員・生徒会メンバーとの意見交換(授業後)
4.3 ホームルーム見学
4.4 生徒の活動に関するQ&A タイム(授業後)
4.5 その他に気づいたこと
5. 考察
6. まとめ
6.1 そこから学ぶもの
6.2 3・4・5 章に向けて

第3章 複言語教育の社会的意義  野呂香代子
1. 複言語主義とは何か?
1.1 基本理念としての複言語主義
1.2 複言語主義と民主的シティズンシップ教育、文化間教育
2. 複言語主義の理念が生まれた背景
3. 理念に含まれる政治的、社会的意味
3.1 複言語主義の基本的な捉え方
3.2 文化間対話
3.3 多様性、ハイブリッド性
4. 複言語主義から日本社会、日本語、日本語教育を捉える
―その可能性と社会的意義
4.1 価値の共有、維持は行われてきたか
4.2 文化間対話の欠如
4.3 複言語主義における「政治」と日本の
コンテクストにおける「政治」
4.4 複言語主義から日本語教育を捉える
―まとめにかえて

第4章 民主的シティズンシップ教育としての日本語教育を考える  三輪 聖
1. はじめに
2. 日本語教育が目指す方向性の再考
3. 「共に生きる力」の獲得を目的とした言語教育とは
3.1 複言語・複文化教育ではぐくまれる能力
3.2 民主的シティズンシップ教育と文化間教育ではぐくまれる能力
3.3 ドイツにおける政治教育(politische Bildung)
3.4 民主的シティズンシップ教育としての日本語教育の可能性
4. 民主的シティズンシップ教育、文化間教育、政治教育の枠組みから
日本語教育を捉える―おわりにかえて

第5章 なぜ批判的談話研究を日本語教育に取り込むのか  名嶋義直
1. なぜ日本語教育で批判的リテラシーに焦点を当てるのか
2. 批判的談話研究という姿勢と分析における政治性
2.1 批判的談話研究について
2.2 政治性について
2.3 分析するテクストと着目点について
3. 4 つの社説の批判的分析
3.1 読売新聞社説1と産経新聞社説1の比較
3.2 読売新聞社説2と産経新聞社説2の比較
4. 4 つの社説の共通点と相違点
5. 私たちにはどのような挑戦ができるか

第6章 複言語・複文化主義に基づく対話に焦点を当てた日本語教育を考える
―民主的シティズンシップ教育と文化間教育の観点から  野呂香代子・三輪聖
1. はじめに
2. 「言葉を学ぶ」から「世界を学ぶ」へ
2.1 複言語主義とフレイレの識字活動
2.2 フレイレの「対話」
2.3 「対話」を通して何が得られるか
3. 複言語・複文化主義に基づいた対話ベースの実践―民主的シティズンシップ教育と文化間教育の観点から
3.1 A1 レベルにおける対話ベースの授業実践の試み―自己紹介・家族紹介
3.2 A2 レベルにおける対話ベースの授業実践の試み―恋愛と今後の人生
3.3 B1 レベルにおける対話ベースの授業実践の試み
3.4 B2 レベルにおける対話ベースの授業実践の試み―日本人留学生と日本学科学生の合同コース
4. まとめと展望

第7章 新聞記事の批判的談話研究─読解授業での活用  名嶋義直
1. 私たちには批判的リテラシーが欠けているのではないか
2. 援用した理論的枠組みと授業の概要
2.1 批判的談話研究について
2.2 民主的シティズンシップに求められる能力について
2.3 授業と受講生について
3. 取り組みの目標
4. 授業での実践
4.1 授業の流れ
4.2 批判的読みのための着目点
5. 4つの新聞記事の分析と比較
5.1 誰が何をしたかについての分析1
5.2 誰が何をしたかについての分析2
6. 分析から見えてくるもの
7. 批判的「読み」から批判的「対話」へ
8. 批判的談話研究の可能性

第8章 言語教育と民主的シティズンシップ教育―政治教育フィールドワーク、オモニハッキョ  中川慎二
1. はじめに―民主的シティズンシップとドイツ語教育
2. ドイツ語海外研修―ドイツでの葛藤事例から市民性を考える
2.1 異文化間コミュニケーション能力とドイツの政治教育
2.2 ドイツ語海外研修(ドイツ語研修+フィールドワーク)
2.3 フィールドワーク―ドイツ社会との対話の実践
2.4 事前研修―危機的事例法を用いたトレーニング
2.5 ドイツ語を学んでから市民性教育をするべきなのか?
3. 識字と市民権、生野オモニハッキョの40年―
「月曜木曜7 時半いつものオモニがやって来る」
3.1 在日外国人と識字教育運動―地問懇と生野識字学校
3.2 生野地域問題懇談会、生野識字学校、70年代のオモニハッキョ
3.3 オモニのことばと声―80 年代のオモニハッキョ
3.4 戦後の在日朝鮮人の教育―教育を受ける権利
3.5 シティズンシップを学び実践する
4. 2つの活動とアクティブ・シティズンシップ

第9章 対話や学習を通じて、「育ち合う」東アジアの若者たち  室田元美
1. ナショナリズム克服のために、何ができるのか
2. 相互理解のためのプログラム―
「東アジア青少年歴史体験キャンプ」
2.1 日中韓合同の歴史研究から生まれた、若者たちのキャンプ
2.2 自己の先入観や偏見を疑うことから始める
2.3 身近な生活の中から生まれる、討論のテーマ
3. 遺骨発掘を目的に集まった若者たちの20年―東アジア共同ワークショップ
3.1 北海道の戦時強制労働を通じて、過去と現在を考える
3.2 「これまでの歴史とは違う、よりよい未来を創る」ための交流
3.3 互いの言語を学び合い、留学によって専門知識も
4. 戦争被害者と加害者の映像を、対話のきっかけに―
ブリッジ・フォー・ピース
4.1 フィリピンと日本の戦争体験者を、ビデオメッセージでつなぐ
4.2 当事者性を持ってディスカッションすることの意義
5. 対話は何を生み出すのか

終章  名嶋義直

あとがき
執筆者紹介
著者略歴
名嶋 義直(ナジマ ヨシナオ)
琉球大学グローバル教育支援機構教授 主な著書:『批判的談話研究をはじめる』(ひつじ書房、2018)、『メディアのことばを読み解く7つのこころみ』(編著、ひつじ書房、2017)

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ひつじ書房の既刊から
井出里咲子/著 砂川千穂/著 山口征孝/著
秋田喜代美/編集 斎藤兆史/編集 藤江康彦/編集
真田信治/著
日本読書学会/編集

連載記事

発売してからどうです(仮)

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