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2020年1月30日発売

すぴか書房

人間の「つながり」と心の実在

意味のある偶然あるいは超常的な事実の心理学
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内容紹介
偶然でも,必然でもない。
数々のふしぎな出来事,唯物論では説明できない“奇跡” “運命” “共時性” “憑依”など、超常的な現象のパノラマから
浮かび上がる「心」の存在。脳とは独立に存在する心がある。その意味(本質)を問う。進化論を射程に入れた論究。
「本書の目的は,人間の社会生活の中で起こる出来事には,通常の因果関係では説明できない“意味のある偶然”が存在し,そこには,人と人とを結ぶつながりのようなものが潜在している可能性が少なからずあることを明らかにすることにある。それが成功するかどうかは,ひとえに,本書で提示される事例の質と量とにかかっている。事例として,私自身も繰り返し登場するが,それは,個人を中心にしたつながりが網の目のように広がっていることを示す資料としてお読みいただきたいと思う。この事実が一般化できるとすれば,ひとりの個人を中心にして,「各人は自分自身の劇の主人公であり,かつ同時にまた別の劇の端役」にもなっているという,19世紀ドイツの哲学者,アルトゥル・ショーペンハウアー(1788~1860)の着想(ショーペンハウアー, 1973,p310-311 )が,決して無意味なものではないことを示す,ひとつの裏づけにもなるかもしれない。」(序章―本書の目的)
目次
序章 
 心を欠いた心理学  現行の科学知識では説明の難しい現象 福島泰樹を驚愕させた“偶然の一致  つながりの連鎖  意味のある事実―“符合”の研究法

第1章 探検と科学
今西錦司という生きかた
  中原中也の場合 フェアな探検精神 先陣争い 登山家メスナーの信条 不正行為への誘惑 永井隆という科学者
閉じた道徳と開いた道徳
  科学という名の探検 生活派と芸術派 
認知の歪みと偏見
  認知の変わりやすさと変わりにくさ 科学的営為と人種的偏見 重大な誤訳 人種的偏見の表と裏 権威への従属と自粛
科学が根づかない国
  「科学技術盛んにして、純粋科学の市民権なし」 真理の探究にかける情熱と覚悟

第2章 科学における強大な壁 唯物論というイデオロギー
パウリ効果
  無視された現象 超常現象研究に対する非科学的な否認 ことの重大性
科学は知識を塗り替える
  不可思議なものに魅かれる探検精神 飽くなき事実の探求
現行の科学知識では説明できない現象
  超常現象の実在を否定する人々の論法 超常現象に関心を抱く科学者たち アインシュタインの場合
超常現象研究の特殊性と困難性
  唯物論的知識体系では説明できない現象群 超常現象やその研究に対する抵抗の異常性 実験者効果 とらえにくさ―超常現象研究の妨げとなる現象群
心身二元論
  ベルクソンの主張 心と脳 水頭症の事例 終末期の清明
唯物論者の人間観
  力と数の論理 アンドロイド型ロボットの“心” ダーウィンの功罪 目標指向性
生まれ変わりの事例研究 人格変化,憑依,真性異言
  シャラーダの事例 スミトラの事例

第3章 遍歴と邂逅  1.心理学の森へ
“偶然の一致”という現象
  北海道・天売島での出会い 何が“偶然の一致”を生むのか 生まれ育った場所とつながり 大学の心理学科へ
早稲田大学文学部心理学科
  相場均の講義 ソンディの“運命心理学” 心理学科に在籍するということ 当時の教授・講師陣 “異常”を起こす能力 実験的研究の伝統
主体的な関心に導かれて
  自閉症児研究会 自閉症をめぐる先駆的論争―カナーとアスペルガーの“代理戦争” 『機械の中の幽霊』 大脳の半球優位性や失語症への関心
進路の模索
  恩人たち ニホンザルの観察 ムツゴロウの教え 精神科病院でのアルバイト 永野八王子病院という精神科病院 教授・井村恒郎

第4章 遍歴と邂逅 2.転機―進路を定める
  小樽での経験―精神科病院の心理科 小樽市長橋 石橋病院の歴史 研修に訪れた医学生がもたらした情報
小坂英世を知る
  精神急性症状を示す患者との面接 小坂教室 小坂に対する的外れの批判
“専門家”の実態
  事実に対する不可解な行動 奇妙な態度に通底するもの 小坂療法の追試研究に対する専門誌の拒絶 精神障害者の責任能力論
未知の研究領域へ
  続発する問題―心理療法の手づまり 心理療法における“実証主義” 今西の講演を聴く 超常現象研究の第一歩 欧米の超常現象研究を知る

第5章 遍歴と邂逅 3.心理療法と心の研究
心理療法の新たなフィールド
  日野内科―食事療法を中心とする東洋医学的治療 日野厚という探求者―尋常ならざる経歴 “反応”―心理療法における客観的指標 日野厚とのつながり 松井病院食養内科心理療法室
心理的原因とは何か 小坂の方法論に基づく探究
  心理的原因は症状出現の直前にある ライバル理論 症状の退避という現象
試行錯誤の段階
  予想外の強い反応 内観療法の検討 抵抗と,その指標としての反応 不幸志願という着想
人間の心の本質 
  “幸福否定”という考え方―幼少期の分析が不要になる 感情の演技という方法 “症状”の意味 好転の否定という現象 対比という現象 “ペットロス症候群“ 抵抗の重要性
超常現象の研究 心理療法の中で起こるふしぎな出来事 
  清田益章を被験者とした一連の実験 超常現象に対する抵抗 遠藤周作とのつながり 真理に対する強力な抵抗

第6章 人間のつながり 1.奇縁―秋元波留夫と石田昇
  信じがたい偶然の重なり―亀山郁夫の経験 事実は小説よりも奇なり 秋元を精神医学の道へ進ませたもの
“精神医学こと始め”を担った人びと
  石田昇著『新撰精神病學』(1906年) 岩倉村の先進的実践 透視の実験的研究 石田昇の功績
病前の石田昇
  呉秀三に対する石田の姿勢 秋元の奇妙なまちがい ジョンズ・ホプキンス大学精神病学教室への留学 同時代の群像に見られるつながり アメリカ医学心理学協会名誉会員
事件の発生
  異常行動の始まり 殺人事件に至るまで 留学生たちの冷めた対応 裁判から収監まで 松沢病院で

第7章 人間のつながり 2.輩出する逸材―同時代の群像
行動主義心理学と精神分析の同時代性
  幼鳥の行動観察をしていたジョン・B・ワトソン アドルフ・マイヤーとそのつながり フレデリック・ピーターソンとそのつながり 
京都でつながる俊秀たち
  今西錦司,西堀栄三郎,桑原武夫 湯川秀樹と朝永振一郎 
中原中也の周辺 
著名人が輩出する家族
  学者の家系

第8章 人間のつながり 3.著名人たちの若年での出会い
  偶然との境界線はどこにあるのか
就学前の出会い
  フリードリヒ・ハイエクとコンラート・ローレンツ コンラート・ローレンツとカール・ポパー
小学校での出会い
  呉秀三と和田萬吉 幸田露伴と遅塚麗水 藤原咲平と永田鉄山 吉田秀和と井尻正二 井村恒郎と川島芳子
中学・高校時代の出会い
  ポール・セザンヌとエミール・ゾラ ポール・クローデルとロマン・ロラン 阿部次郎と斎藤茂吉

第9章 人間のつながり 4.活動圏の拡大―南方熊楠の場合
  人類の進歩と社会の変容 探検的生きかたを選択する人々
破天荒な探検者―南方熊楠の生きかた
  ハバナで遭遇した日本人 ロンドンでの名声 フレデリック・ディキンズとの交流 ディキンズという探検家 孫文との出会い 帰国後の熊楠 探検的行動の意味遠隔地に住む人々との交流

第10章 偶然か必然か 共時的な現象、運命、集合的無意識
  今西錦司の種社会概念と集合的無意識 共時性現象,形態共鳴,重複発見
偶然を超える事象の概念化 カンメラー、ユング、ケストラー
カンメラーの連続性 超常現象を体験したユングの研究 J・B・ラインという先覚者 ユングによる共時性の定義 無意識的な直感と意識的な理論 超常現象に対する関心を抱き続けたケストラー 非因果律 安易に行なわれた研究の限界
共時的現象に関する既存の理論が内包する問題点
  カンメラー理論の無理 ユングの論法の欠陥 ケストラーの場合
ユングの“集合的無意識”
  見えないつながりを想定する従来の思想 ユングが唱えた集合的無意識概念 集合的無意識と個人的無意識 論理の飛躍と逸脱
ソンディの“運命心理学”
  『カラマーゾフの兄弟』から得た直観 なぜ特定の相手が恋愛の対象になるのか 遺伝的行動選択学 性愛と情愛 私自身が経験した事例 ユングとの関係

第11章 つながりの検討 1.ミルグラムの実験的研究
“小さな世界”という仮説
  “ 偶然” の出会い ミルグラムの着想と研究法 予想外の成功と低い達成率 追試研究
Webでつながる時代の新たな研究分野 理数系研究者の参入
  両者の社会的距離は近いのか 異質な研究を混在させたミルグラムの研究 驚きと感動―事象の質を分ける指標 科学知識に埋没する個人的体験
実生活の中で見られるつながり
  第1例 第2例

第12章 つながりの検討 2.スタンフォードの理論
PMIRモデル 人間行動における超常的要因
  日常生活の中で起こる超常現象の特性
物体が対象になった事例
  仕組まれていたかのような偶然 妨害的な形をとって現われる現象 事実を正しくとらえることに対する抵抗 抵抗に起因する反応―心理療法を進める際の目印 いくつもの“偶然”が重なった事例
人物が関与する事例 奇跡的“偶然”
  身体感覚として伝わる現象 予知的現象 多数の人びとが同時に救われた“ 奇跡” 外部からの警告あるいは直観
適合行動理論へ
  無自覚的な目標指向的行動 “ 偶然の一致” と適合行動 検証可能な仮説 超常現象の研究者自身が経験した目標指向的行動の実例
サヴァン症候群の位置づけ
  オリヴァー・サックスが観察した事例 私が観察した神童の事例
目標指向性の起源はどこにあるのか 本質的な問題へ

終 章
心の実在論
  心と主体性 “多生の縁” 心理学の「種(たね)のまき直し」 
生物の進化史における意識の位置づけ
  認知と意識 進化と意識 意識の“相反”性 矛盾動作 “内心”に操作される意識 人間の能力と意識 
生物学における見えない糸
  生物社会学をめぐるつながり 生物社会におけるつながり 
“人生劇”あるいは“運命”
  “超常劇”的現象に見られる目標指向性 アラン・ヴォーンが提示する仮説群 
“幸福”とは何か 
  サヴァンの洞察 “運命”に対する態度 予兆と予知 至高の境地 修行者としての人類
著者略歴
笠原敏雄(カサハラトシオ kasaharatoshio)
1947年生まれ。早稲田大学第一文学部心理学科卒業。病院での臨床経験(心理職)を経て、1996年4月、心理療法を行ないながら、クライエントとともに人間の心の本質を探究することを目的に〈心の研究室〉開設、現在に至る。超心理学、超常現象の研究家としても知られ、著・編著・訳書多数。著書:『隠された心の力ー唯物論という幻想』、『懲りない・困らない症候群ー日常生活の精神病理学』『幸福否定の構造』(春秋社)、『希求の詩人・中原中也』(麗澤大学出版会)、『本心と抵抗ー自発性の精神病理』(すぴか書房)、『超心理学読本』(講談社プラスα文庫)ほか。編著書:『サイの戦場ー超心理学論争全史』(平凡社)、『超常現象のとらえにくさ』『多重人格障害ーその精神生理学的研究』『偽薬効果』(春秋社)ほか。翻訳書:『がんのセルフコントロール』(共訳、創元社)、『前世を記憶する子どもたち 1・2』『前世の言葉を話す人々』『生まれ変わりの刻印』(春秋社)、『もの思う鳥たちー鳥類の知られざる人間性』(日本教文社)ほか
タイトルヨミ
カナ:ニンゲンノツナガリトココロノジツザイ
ローマ字:ningennotsunagaritokokoronojitsuzai

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