近刊検索 デルタ

2020年3月23日発売

ウェイツ

現代アート経済学Ⅱ 脱石油・AI・仮想通貨時代のアート

このエントリーをはてなブックマークに追加
内容紹介
美学、美術史のみならず経済的、政治的な視点から、現在進行形のアートについて世界の状況を的確に把握。目まぐるしく変化する現代アートを "美しい" や "素晴らしい" といった無邪気な評価や、一見研ぎ澄まされた既存のマーケティング手法、さらには単なるトレンドに迎合しただけでは、いずれ評価されなくなるばかりか、結局は美術館での展示や収蔵とは無縁の "なんちゃって現代風アート" として消えてしまう。
 本書では、美術史や哲学、美学が持つ叡知と照らし合わせ、"今" という時代に必要とされるべき同時代表現が何であるのかを見極めつつ、社会との関係性についても、あらゆる事象を精査した上で慎重に考察を進めている。例えば、レオナルド・ダ・ヴィンチの作品が、500億円以上で落札された背景には、美学、美術史的な価値だけではなく、貴重な文化遺産の世界分布状況や、エネルギー資源を巡る環境変化、更には軍需産業の伸張とも関連している。
 他方、日本が抱える社会的な問題に対して、日本の将来に向けてアートや文化の役割はますます重要になっている。すなわち、世界が独善的な方向に向かいつつある現在、私たちが古くから大切にしてきた「寛容性」や「多様性」は、その重要性をますます高めており、このことは、日本の「優れた文化や芸術」と「長い歴史と伝統」について、多くの人々が誇りに思っている点からも明らかだ。こうした思想を活かした「広義のアート」や文化施策の萌芽についても、本書では様々な事例と共に紹介している。文化による国益追求は国家の存亡を懸けた闘いであり、同時に熾烈な経済戦争でもある。それはネット、新聞、TVで報じられる政治的なニュースや、読者の皆さんが日々シノギを削っておられるビジネス活動とも非常に相似的といえる。
 本書は、自らのアルゴリズム(問題解決の方法や手順、算法)によって、アート作品をはじめとするあらゆる図像から、"ファクト(真実)" を導き出せるようなスキルの涵養を目指している。今まで取っ付きにくいからと「現代アート」を敬遠していた方にこそ、是非読んでいだきたい。
目次
はじめに
第1章 金融商品としてのアート
1-1 世界一高額なアート作品
1-2 市政を左右する文化財の時価総額
1-3 代理戦争としてのアート・フェア
1-4 都市興しの切り札
第1章 註釈
第2章 中国巨大アート市場-桁外れのコレクターたち
2-1 オークション史上第2位 210億円のモディリアーニ
2-2 再開発が進む上海・西岸地区の美術館
2-3 上海のギャラリーとアート・フェア
2-4 ライバルの動向-香港、シンガポール、台北
第2章 註釈
第3章 産油国ロイヤル・ファミリーが見据える脱石油後の世界
3-1 史上最高額作品の購入者
3-2 ペルシャ湾に浮かぶ一大文化集積地
3-3 名品は中東に集まる
第3章 註釈
第4章 華やかなファッション界とメジャー美術館の相互依存関
4-1 世界中からセレブリティが集まる「METガラ」のレッド・カーペット
4-2 趣向を凝らした年次テーマ展
4-3 ファッション展の世界でも、台頭するチャイナ・パワー
4-4 アートとファッションの共存関係
4-5 スーザン・ソンタグの「キャンプ」について考える
第4章 註釈
第5章 今後の成長が期待されるLGBTQ市場とアートの深い関係
5-1 大きな成長が期待されるLGBTQ(レインボー)市場
5-2 2017年ロンドンで開催された2つの展覧会と人工知能の父
5-3 アジアで初めてとなる公立美術館でのLGBTQ展
5-4 海外と大きく隔たる日本の現状
5-5 多様性が有する大いなる可能性
第5章 註釈
第6章 驚異的スピードで進化するアート×AI、そしてバイオテクノロジーの現在
6-1 技術革新がビジネスやアートに及ぼす大きな影響
6-2 メディア・アート-その特徴と問題点
6-3 AIによる表現生成・デザイン分野の現状
6-4 AIが自ら創作するアート作品
6-5 バイオとアートの出会いが生む、新たな可能性
6-6 「承認欲求」を求めるか、自らと向き合うか
第6章 註釈
第7章 ブロックチェーンが拓く、仮想通貨時代のアート
7-1 ビットコインとは一体何か?
7-2 ビットコインの優位性
7-3 ブロックチェーンとは一体何か?
7-4 ブロックチェーンの優位性
7-5 ブロックチェーンのビジネスや社会システムへの応用
7-6 日本におけるアートのブロックチェーン・ビジネス
第7章 註釈
第8章 美術館淘汰の時代
8-1 美術館に新しいライバル登場
8-2 日本の美術館が生き残る術
第8章 註釈
終章 終わりに:文化・芸術が果たす役割
9-1 大阪・関西万博2025+統合型リゾート施設とアート
9-2 アートの「早期危機発見装置」と「ファクト・チェック(事実検証)」機能
9-3 ケース・スタディ:「あいちトリエンナーレ2019」問題について考える
9-4 日本が有する伝統的な「エコロジー」及び「ダイバーシティ」思想
9-5 終わりに:文化が創る日本の未来
終章 註釈
あとがき
著者略歴
宮津 大輔(ミヤツ ダイスケ miyatsu daisuke)
アート・コレクター、横浜美術大学教授、森美術館理事。1963年東京都出身。1994年以来企業に勤めながら収集したコレクションやアーティストと共同で建設した自宅が、国内外で広く紹介される。台北當代藝術館(台湾・台北)の全館を使用した大規模なコレクション展や、笠間日動美術館とのユニークなコラボレーション展などが開催され話題となった。文化庁「現代美術の海外発信に関する検討会議」委員や「Asian Art Award 2017」、「ART FUTURE PRIZE・亞洲新星獎2019」の審査員等を歴任。また、「クローズアップ現代+」(NHK)といった報道特集から、人気のバラエティ番組まで、テレビでも幅広く活躍中。
タイトルヨミ
カナ:ゲンダイアートノケイザイガク ニ ダツセキユ エーアイ カソウツウカジダイノアート
ローマ字:gendaiaatonokeizaigaku ni datsusekiyu eeai kasoutsuukajidainoaato

※近刊検索デルタの書誌情報はopenBDのAPIを使用しています。

本日のピックアップ
経済産業調査会:吉田親司 
ナカニシヤ出版:樋口耕一 
ミネルヴァ書房:大豆生田啓友 三谷大紀 
ミネルヴァ書房:ミネルヴァ書房編集部 
ミネルヴァ書房:山縣文治 福田公教 石田慎二 ミネルヴァ書房編集部 
新着:ランダム(5日以内)

>> もっと見る


連載記事

発売してからどうです(仮)

>> もっと見る

※近刊検索デルタの書誌情報はopenBDのAPIを利用しています。