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内容紹介
誰もがさまよう「難民」の時代に

1枚1枚に、人生が集約されている。そして人生はまた、1枚の写真へ収斂されていく。——梨木香歩

「2015 年9月9日、オーストリア・ウイーン西駅。欧州から日本への帰途にあった私は、空港へ向かうバスに乗り換えるために降りた駅のホームで、あふれんばかりに押し寄せる人の波に突如としてのみ込まれた」——写真家・鷲尾和彦がとらえたのは、自国を逃れてヨーロッパへと向かう中東やアジアの人々。
遥か遠くの存在と分類されがちな彼らと自分を分けるものは、果たしてあるのか。不安や希望を抱えながら「移動」を続ける1人ひとりの表情に表れる人生に思いを馳せるうち、読者は自らの人生を重ね合わせていく。
「移動」が制限されるパンデミックを経験したいまだからこそ、手元におき、何度でも静かにめくってほしい美しい写真集です。

【推薦のことば】
大竹昭子(文筆家)
コロナ禍にあるいま、これらの写真は以前とはまったく違って見えてくる。答えのある生きかたに慣れすぎて、それを奪われた状態を経験したことのない自分たちのいまを重ねて見ずにはいられないのだ。たしかに彼らは究極の宙吊り状態にあるが、もしかしたら人間は本来こうやって生きてきたのではないか。そんな声がどこかからひっそりと流れてくるようだ。

栢木清吾(移民研究者・翻訳家)
ここには現代の「難民」の生を特徴づける決定的な経験が活写されている。
待つ、いや待たされる、という経験である。
彼・彼女たちは、ずっと待つことを強いられているのだ(…)
多くの人びとが閉じられた空間で「日常」の再開を待ち望んでいる今日、この写真集がきっかけとなり、その「非日常」をずっと「日常」として生きさせられてきた人びとへの関心が高まることを期待してやまない。

園田 涼(ピアニスト)
「音楽にとって大事なことは音楽以外のすべてだ」という著名なピアニストの言葉がある。
鷲尾さんの写真を見ながら、なぜか僕はこの言葉を思い出していた。
僕の眼にとても音楽的に映る写真たち。会ったこともない、そしてこれからも会うことはないであろう人々の眼の奥に、僕は音楽を感じる。ハーモニー、ビート、メロディ、そしてまたビート....。

サヘル・ローズ(俳優・タレント)
小さな身体で大きな荷物を背負い、家族の悲しみを受け止めている。
彼等の名前は、「難民」ではない。
素晴らしい生命に溢れた「ひと」です。(…)
写真の中で彼等は生きてる。
息をして私たちを見ている。
ね、どうか目をそらさずに、彼等の瞳に隠された言葉を抱きしめてあげて。
「難民になりたい人など、いないよ」
目次
【収録エッセイ】
Station 鷲尾和彦
人生が集約されている 梨木香歩
著者略歴
鷲尾和彦(ワシオカズヒコ washiokazuhiko)
兵庫県生まれ。1997年より独学で写真を始める。世界的な視点から「日本」を捉えた作品を一貫して制作している。 写真集に、海外からのバックパッカーを捉えた『極東ホテル』(赤々舎、2009)、『遠い水平線 On The Horizon』(私家版、2012)、日本各地の海岸線の風景を写した『To The Sea』(赤々舎、2014)、共著に作家・池澤夏樹氏と東日本大震災発生直後から行った被災地のフィールドワークをまとめた書籍『春を恨んだりはしない』(中央公論新社)などがある。washiokazuhiko.com
梨木香歩(ナシキカホ nashikikaho)
1959年生まれ。作家。『西の魔女が死んだ』で日本児童文学者協会新人賞、新美南吉児童文学賞、小学館文学賞を受賞。他の小説作品に『沼地のある森を抜けて』(紫式部文学賞)『裏庭』(児童文学ファンタジー大賞)『ピスタチオ』『海うそ』『f植物園の巣穴』『椿宿の辺りに』など。エッセイに『春になったら莓を摘みに』『水辺にて』『渡りの足跡』(読売文学賞随筆・紀行賞)『エストニア紀行』『鳥と雲と薬草袋』『やがて満ちてくる光の』『風と双眼鏡、膝掛け毛布』など。児童文学作品に『岸辺のヤービ』などがある。
タイトルヨミ
カナ:ステーション
ローマ字:suteeshon

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夕書房の既刊から
鷲尾和彦/著・写真 梨木香歩/解説
青木真兵/著 青木海青子/著・イラスト
澤口たまみ/著 横山雄/イラスト
亀山亮/著・写真 山川徹/解説 大滝ジュンコ/解説
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