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2020年10月6日発売

ヘウレーカ

出版社名ヨミ:ヘウレーカ

ヒロインたちの聖書ものがたり

キリスト教は女性をどう語ってきたか
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内容紹介
聖書に登場する女性たちは男性に比べると圧倒的に少ないですが、男性中心の古代社会で、歴史に翻弄され失意の人生を送った女性もいれば、機知と機転でたくましく生き延び祝福された人生を終えた女性もいる。そうしたヒロインたちの生身の姿を生き生きと描き直すことによって、聖書全体の流れを俯瞰しようというのが本書の試みです。

ヒロインたちは、夫に裏切られたり、屈強な男たちに武力で囲まれたり、若くして夫と死別したり、誠実な夫を権力者に殺されたりしました。また、若い側女への嫉妬、無理解な夫への義憤、女同士の競争、さらにはレイプと家族による沈黙の強要など、聖書は彼女たちの過酷な現実をそのままに語ります。しかし、それでも希望を失わず自らの人生に向き合い、絶望的な時代に、未来に信頼することをやめなかった女性たちがいたのです。本書はかのじょたちの視点で聖書のものがたりを語ります。

聖書に関心があるけれど、全体の流れがわからず、分厚くて読み通すことが難しいと思っている人にとっては、ヒロインたちのものがたりを通して聖書が伝えたいメッセージの輪郭が見えてくるでしょう。また、ある程度聖書になじんでいる方にとっては、聖書が提起する人間と社会にまつわる重い課題にあらためて対面する契機となることでしょう。
目次
まえがき

プロローグ 聖書のものがたりと歴史

第1章 祝福された女たち──旅の途上で
1 エデンの園からの出発 (たびだち)──エバ
2 子どもを産めない女主人、自由を求める女奴隷──サラとハガル
3 顔も知らない夫の元へ──リベカ
4 媚薬を奪いあう妻たち、そして男たちの闘争──レアとラケルと娘ディナ
5 やもめの服を脱ぎ捨てて──タマル
6 約束の地を目指す旅──ヨケベド、ファラオの娘、ミリアム、ツィポラ

第2章 生き残りを賭けて──戦乱と混迷
1 滅ぼし尽くす聖戦(ヘレム)を生き延びた遊女──ラハブ
2 非情な戦場を生き抜くには──デボラとヤエル
3 父の名誉に命を賭ける──エフタの娘
4 貧しいやもめたちのさいごの賭け──ナオミとルツ

第3章 語り出す女たち──王国の統一、その光と影
1 神は貧しい者を引き上げる、とかのじょは歌った──ハンナ
2 亡霊の声を取りつぐ──エン・ドルの口寄せの女
3 恋愛と政略結婚に翻弄される王女──ミカル
4 預言者のように語る賢女──アビガイル
5 ファム・ファタール(運命の女)──バト・シェバ
6 沈黙を強いられた王女──ダビデの娘タマル

第4章 権威と権力を身に纏う女たち──王国の分裂と崩壊
1 王妃はマスカラをたっぷりと塗った──イゼベル
2 神殿から引きずり出された女王──アタルヤ
3 王にも預言者にも夫にも媚びない──シュネムの女
4 敬虔王ヨシヤに改革を進言する預言者──フルダ
5 美と知恵の化身──ユディト

第5章 イエスと共に生きる
1 主のしもべ──イエスの母マリア
2 イエスに触れる──長血の女とヤイロの娘
3 イエスに話しかける──シリア・フェニキアの女
4 ヤコブの井戸のかたわらで──サマリアの女
5 イエスの足元で学ぶ姉妹──マルタとマリア
6 イエスに愛された冷徹な弟子──マルタ
7 破壊と死とメシアの意味──ナルドの香油の女
8 悔い改めた娼婦──罪の女
9 イエスの同伴者──マグダラのマリア
エピローグ 忘れ去られた女たち
あとがき
著者略歴
福嶋裕子(フクシマユウコ fukushimayuuko)
青山学院大学理工学部教授、宗教主任(チャプレン)としてキリスト教概論を担当。ハーバード大学神学部博士課程修了(専門:新約聖書と初期キリスト教の諸起源)。聖書に登場する「寡婦(やもめ)」のように古代社会で周辺に生きる人びとに関心を持つ。訳書に『叫び声は神に届いた──旧約聖書の12人の祈り』(W.ブルッゲマン著、日本キリスト教団出版局、2014年)、共著『3.11以降の世界と聖書──言葉の回復をめぐって』(日本キリスト教団出版局、2016年)がある。
タイトルヨミ
カナ:ヒロインタチノセイショモノガタリ
ローマ字:hirointachinoseishomonogatari

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