近刊検索 デルタ

2020年3月12日発売

花鳥社

出版社名ヨミ:カチョウシャ

古代日本文学が物語る婚姻・出生伝承

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内容紹介
伝承はどのように生み出され、なぜ記されたのか。

古事記、日本書紀、風土記、万葉集、日本霊異記などを対象に、王権神話に関わる婚姻や、異類婚姻譚、異常出生譚を取り上げ、それぞれを文学史的流れの中に位置づける。
個別の文献や話型の枠を越えて広く見渡し、伝承の背後に隠された古代人の世界観を解き明かす。
目次
凡例

序章 伝承を読み解く方法―本書の目的と構成―
 一 本書の目的と研究方法
 二 取り上げる作品とその意味について
 三 本書の構成と各章で取り上げる伝承の概要

第一章 『古事記』『日本書紀』の神々に見る婚姻伝承の差異
第一節 山の神オホヤマツミ―女神から男神への成立事情―
 一 はじめに
 二 『日本書紀』のオホヤマツミ
 三 『古事記』のオホヤマツミ
 四 『日本書紀』と『古事記』におけるオホヤマツミ像の比較
 五 まとめ
第二節 天孫の母ヨロヅハタヒメ―降臨神話の系統との関わり―
 一 はじめに
 二 ヨロヅハタヒメの登場場面の確認
 三 ヨロヅハタヒメの神名の差異と天孫降臨神話の展開
 四 「栲」の語の意味と「栲幡」の名について
 五 まとめ

第二章 天皇の婚姻・出生伝承と神話の再利用
第一節 大后ヒバスヒメ―新しいタイプの皇后誕生―
 一 はじめに
 二 『日本書紀』との比較
 三 「大后」の呼称
 四 ヒバスヒメの薨去について
 五 ヒバスヒメとサホビメ
 六 サホビメの排除
 七 まとめ
第二節 醜女マトノヒメ―神話を書き換え利用する王権の物語―
 一 はじめに
 二 マトノヒメの位置
 三 イハナガヒメ神話との比較
 四 「見畏」の語について
 五 サホビメとの関係
 六 マトノヒメの死
 七 まとめ
第三節 采女童女君一夜孕みの話型から排除されゆく女性―
 一 はじめに
 二 春日和珥氏について
 三 采女について
 四 童女君の名称と人物像ついて
 五 一夜孕みと父親の疑い
 六 父親の判明
 七 まとめ

第三章 『風土記』に見る巫女的女性の婚姻・出生伝承
第一節 ワキイラツメの逃走婚―『播磨国風土記』比礼墓説話―
 一 はじめに
 二 〔Ⅰ〕景行天皇の下向について
 三 〔Ⅱ〕ワキイラツメの婚姻について
 四 〔Ⅲ〕ワキイラツメの死と墓について
 五 まとめ
第二節 異類婚の失敗―『肥前国風土記』褶振説話―
 一 はじめに
 二 褶振説話異伝との比較
 三 〔Ⅰ〕鏡の渡段の考察
 四 〔Ⅱ〕褶振峰段の考察
 五 〔Ⅲ〕後日譚の考察
 六 まとめ
第三節 母子の別離と在地信仰の終焉―『常陸国風土記』晡時臥山説話―
 一 はじめに
 二 説話の舞台
 三 ヌカビコとヌカビメ
 四 正体不明の男の訪問
 五 子の出生
 六 子の成長
 七 母子の別離
 八 ヌカビコ震殺
 九 社の造立と祭祀形態の変化
 十 まとめ

第四章 始祖・神婚伝承から『日本霊異記』仏教説話への変容
第一節 仏舎利を握った娘―信仰の力を示す装置―
 一 はじめに
 二 女子の出生
 三 仏舎利の出現
 四 女子の死
 五 説話解釈
 六 まとめ
第二節 ヨロヅノコの死―仏教信仰の拡大と非仏教信仰の衰退―
 一 はじめに
 二 歌謡の流行
 三 ヨロヅノコについて
 四 正体不明の男の求婚
 五 ヨロヅノコの死
 六 鏡作坐天照御魂神社の祭神について
 七 説話解釈
 八 まとめ
第三節 舎利菩薩の誕生―民衆教化のための説話生成―
 一 はじめに
 二 妻の出産
 三 肉塊の出生と女子の誕生
 四 女子の成長と出家
 五 尼と二人の僧侶
 六 大安寺の戒明
 七 舎利菩薩
 八 説話解釈と自土意識
 九 まとめ
第四節 石の出生―自土意識と共同体伝承―
 一 はじめに
 二 県の氏の女に関する考察
 三 石の出生
 四 父の判明
 五 説話解釈
 六 まとめ

第五章 『万葉集』巻第十六に歌われる古代人の婚姻観
 一 はじめに
 二 当該歌の人物について
 三 「嗤」について
 四 歌の表現について
 五 左注について
 六 婚姻と美醜
 七 まとめ

終章 古代文学史の中の婚姻・出生伝承と課題
 一 はじめに
 二 第一章について
 三 第二章について
 四 第三章について
 五 第四章について
 六 第五章について
 七 婚姻・出生伝承の文学史的な流れ
 八 今後の課題

初出論文一覧
参考文献
後書き
索引(主要語彙/神名・人名/研究者名)
著者略歴
青柳 まや(アオヤギ マヤ aoyagi maya)
1985年 神奈川県生まれ。 2007年 相模女子大学学芸学部日本語日本文学科卒業 2017年 二松學舍大学大学院文学研究科博士後期課程国文学専攻修了 博士(文学) 現在 二松學舍大学文学部国文学科非常勤講師 専攻 古代日本文学 論文 「『日本書紀』神代紀におけるオホヤマツミの婚姻について」(「古代文学会「古代文学」58号、2019年3月)
タイトルヨミ
カナ:コダイニホンブンガクガモノガタルコンインシュッセイデンショウ
ローマ字:kodainihonbungakugamonogatarukoninshusseidenshou

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