共和国 我が社の一冊 2018
- 収容所のプルースト
- ジョゼフ・チャプスキ/著 岩津航/訳
- 共和国
- 978-4-907986-42-1
出版社からのおすすめコメント
零下40度の収容所での生活。そこで自分の内面を荒廃から救うために想起されたのが、プルーストの『失われた時を求めて』でした。本書はそのとき同房者に語るために筆記されたノートを基にしたものです。
2018年最初に出した1冊ですが、発売直後に高橋源一郎さんがツイッターでつぶやいてくださったのを皮切りに、望外にも多くの書評をいただきました。あるブックフェアでは、お客さんから「『収容所のプルースト』の出版社さんですか!?」とお声がけいただいたので、まさに「2018年の1冊」といえそうです。プルーストを未読でも心配ありません。むしろ本書を読み終えると、この大長篇に挑んでみたくなります。ぜひご一読ください。内容紹介
1939年のナチスとソ連による相次ぐポーランド侵攻。このときソ連の強制収容所に連行されたポーランド人画家のジョゼフ・チャプスキ(1896 - 1993)は、零下40度の極寒と厳しい監視のもと、プルースト『失われた時を求めて』の連続講義を開始する。その2年後にチャプスキは解放されるが、同房のほとんどが行方不明となるという歴史的事実の過程にあって、『失われた時を求めて』はどのように想起され、語られたのか? 現存するノートをもとに再現された魂の文学論にして、この長篇小説の未読者にも最適なガイドブック。- https://www.ed-republica.com