文学通信 我が社の一冊 2018
- 国語の授業の作り方
- 古田尚行/著
- 文学通信
- 978-4-909658-01-2
出版社からのおすすめコメント
創業1年目で、出版した本はどれも愛着があるのですが本書を(1冊を選ぶのは本当に難しいです)。内容には自信がありました。おまけに編集しながら著者の「学ぶ」「問う」ことへの姿勢に、私自身影響をかなり受けるという特典もあったり。ただ著者は刊行時、まだ無名の存在といってもよく、弊社として2冊目の刊行であったため、印刷所にデータを突っ込んだときはドキドキでした。この金は回収できるのか、と。しかしそれは杞憂でした。きちんと売れ続けてくれて助かっています。新人の本だからといって焦る必要はなく、書かれたテキストこそを信頼しようと再認識することにもなった本であり、文学通信の浮上のきっかけを与えてくれた本です。内容紹介
教育実習生とその指導教員のために。これから教員になる人と、すでに教壇に立っているすべての人に。
本書は、中学校・高等学校で初めて授業をすることになる教育実習生を念頭に、実際に国語の授業を組み立てていくノウハウを、授業を詰めていく過程や、振る舞い方や言葉遣い、それらを支える考え方や思想、またその意味など、いわゆる暗黙知とされている部分まで踏み込み、言語化して伝えます。
全体を「授業の前に」「授業中のこと」「授業の後に」「授業作りのヒント集」「授業作りで直面する根本問題」「授業の作り方・事例編」「教材研究のための文献ガイド」の7章で構成。
どのような学校に勤めようが、どのような授業になろうが、それらに適応する普遍的な国語の授業方法や視点があるとの考えから述べられているので、既に現場に出ている教員にとっても、普段の授業を見直すことができるものにもなっています。また本書で提示される具体的な授業作りは、教育現場と文学・語学研究の場との乖離の問題をより深く見つめ直せるものにもなっています。
国語教育や文学研究に携わる人すべてに読んでもらいたい、はじめての授業マニュアルです。
【今回、私が本書で述べてきたことは一人の授業者の「暗黙知」を言語化するという営みです。
いろいろな実践を収めた書籍や論文には優れたものも多いのですが、それらの多くは「なぜ」その学習過程にしたのか、その理論的な枠組みはどのような目標や目的において援用されたのかを説明するものはあっても、そして具体的な問い方やアプローチやその授業の成果や課題は述べられたとしても、そこからさらに実際の授業を詰めていく詳細な振る舞い方や言葉遣い、それらを支える考え方や思想、その意味を一つの流れの中で説明しているものは少ないように思います。…(中略)…「体験しないとわからない」ような知の説明は少しでも言語化されて開かれていく必要があると思いました。この目的がどこまで達成できたのかは心許ないのですが、本書の内容が少しでも役に立ち、そして本書を読んで読者から声(賛同する声、批判する声も含めて)が上がっていくことがあれば、筆者としてはこれにまさるものはありません。】…「おわりに」より- http://bungaku-report.com/