田畑書店 我が社の一冊 2019
- ガラスの蜂
- エルンスト・ユンガー/著 阿部重夫/訳 谷本愼介/訳
- 田畑書店
- 978-4-8038-0367-9
出版社からのおすすめコメント
103歳の天寿をまっとうしたドイツの大巨人ユンガー。人生全部伝説みたいなキャリアのユンガー。今作は彼の中篇に属する小説。訳書にはたっぷりの注釈と解説と合わせ初めての方にも存分に今作とユンガーを堪能できるようになっています。なお、表紙に使われた実物のガラスの蜂は不慮の事故により2度割れ、その一部は裏表紙に掲載されている。内容紹介
ドローンが赤く光った。
殺意か警告か――不気味な羽音とともに無数に湧きだす透明な〈幽体〉の軍団。
大戦敗北の屈辱に、ドイツ軍の精鋭が幻視した黙示録は、現代の恐怖となる。
2つの世界大戦を通して地獄を見たドイツ最高峰の知性「20世紀のゲーテ」が、およそ半世紀以上も前に《現代のディストピア》を幻視していた!
ユンガーは第一次大戦に出征、死屍累々の惨状からナチス台頭を予見し、第三帝国では森に隠遁して昆虫採集に明け暮れ、戦時はヒトラー暗殺計画の国防軍幹部に宛て極秘回覧文書を起草した。見るべきほどのことは見つ。戦後に洞察したのは恐るべきオートマトン(自動機械)の未来だった。
本書は「ガラスの蜂」全訳に、詳細な訳注(全269項目90ページ)、物語の背景や現代的意義を説く解説「ドローンはSeyn(存在)の羽音を鳴らす」を付す。- http://tabatashoten.co.jp/1936-2/