アートダイバー 我が社の一冊 2021
- ラムからマトン
- 梅津庸一/著・編集・イラスト 荒木慎也/著 岸井大輔/著 坂本夏子/著 新藤淳/著 ほか
- アートダイバー
- 978-4-908122-03-3
出版社からのおすすめコメント
今回おすすめしたいのは、2015年に刊行した書籍『ラムからマトン』。作品制作のみならず、批評、展覧会企画、アーカイブ、メディア活動など、年を追うごとに活動領域を広げ、トリックスターとしての活躍が目覚ましい梅津庸一のデビューから2015年頃までの活動にフォーカスしたモノグラフである。
梅津の原点ともいえる活動やコンセプトを踏まえることで、その後、梅津がパープルームを含む多彩な活動に展開していく力学かがわかる貴重なドキュメントとなっている。2021年の重版に際し、従来4パターンあった表紙に3パターンを加え、合計7種の表紙が楽しめる特殊なアートブックとなった。
内容紹介
1982年生まれの現代美術家・梅津庸一の存在感は、ここ数年、非常に高まっています。実作での評価はもちろんのこと、その鋭利でイメージ豊かな言説や、私塾「パープルーム予備校」の創設は、多くの人を巻き込みながら、美術界にひとつのうねりをおこしています。
梅津の作品は、近代洋画の様式から受験絵画メソッドなどをベースに、柔らかな色彩に溢れた官能的なものですが、その背後には一貫したコンセプトが流れています。それはデビュー作となる2005年の《フロレアル(わたし)》にすでにあらわれており、その後もバリエーションを加えながら、現在まで深化し続けています。
タイトルの『ラムからマトン』には、「ラム」(子羊の肉=デビュー時)から「マトン」(成長した羊の肉=現在)までという意味が含まれています。同様に、この本には、デビュー作から現在に至るまでの代表作をカラー図版で掲載しています。
そして、それら梅津の作品や活動に対し、気鋭の評論家やクリエイターたちがそれぞれの視点から文章を寄せていただいたのがこの書籍です。1980年代生まれを中心とした、間違いなく今後の美術批評を担うことになる論客たちによるテキストは、いかに梅津庸一を読み解き、美術に新たな展望を与えるのでしょうか。
加えて、梅津自身によるテキストで、多くの批評家に注目を浴びた「優等生の蒙古斑」も再収録。こちらも必読です。
また、デザインには『コンテンポラリー・アート・セオリー』(イオスアートブックス、2014)での美しい装丁が記憶に新しい木村稔将さんを招き、上製本+スリーブケースの豪華なつくりとなりました。ケースに貼られた表紙絵は4パターン。アートブックともいえるような美しい仕上がりになっておりますので、ご期待ください。
なお、ネット書店などでは出荷はランダムとなり、表紙絵のご 指定には対応できません。ご希望の表紙がある場合は、書店店頭で実際にお選びいただくか、アートダイバーホームページより直接お買い求め下さい。- https://artdiver.tokyo/