近刊検索 デルタ

2014年11月20日発売

笠間書院

出版社名ヨミ:カサマショイン

『太平記』をとらえる 第一巻

『太平記』をとらえる
このエントリーをはてなブックマークに追加
内容紹介
 『太平記』は、南北朝期の四十年に及ぶ戦乱をともかくも描ききった、文字どおり希有の書である。しかし、四十巻という膨大な分量をもつことや、これに取り組む研究者が少ないことなどから、依然として基本的な部分での研究課題を積み残している。
 『太平記』研究になお残る課題を少しずつでも解明することをめざし、『『太平記』をとらえる』を全三巻で刊行する。本書はその第一巻。
 第一巻は、第一章「『太平記』における知と表現」、第二章「歴史叙述のなかの観応擾乱」、第三章「神田本『太平記』再考」の三章を設け、六篇の論文と四篇のコラムを収録。執筆は、北村昌幸/森田貴之/長谷川端/山本晋平/ジェレミー・セーザ/小秋元段/兵藤裕己/長坂成行/和田琢磨/阿部亮太。巻末には六篇の論文の英語・中国語・韓国語の要旨も収載。
 二〇一三年八月十八日(日)・十九日(月)に東京の法政大学で開催された「二〇一三年度『太平記』研究国際集会」での研究発表をもとにした論集です。

【例えば『太平記』研究では、表現の基底や挿入説話の典拠に依然不明な問題が多く残されている。また、同時代の争乱を描いた『太平記』は、眼前の情報をどのように収集し、記事化していったのか。これらの問題を明らかにすることは、『太平記』の成立論・作者論に新たな局面をもたらすことになるだろう。諸本研究にも課題は多く残されている。古態とされる伝本を再吟味することによって、私たちの『太平記』のイメージは少なからず修正を迫られるはずだ。加えて、これらとはやや次元を異にする問題であるが、国際化・情報化の進む研究環境のなかで、国内外の研究者がどうネットワークを構築し、課題を共有して解決に導くかについても、考えてゆかなければならない時期にさしかかっている。こうした様々な課題に少しずつ挑むことにより、つぎの時代の研究基盤を準備したいというのが、本シリーズのねらいである。】…はじめにより
目次
はじめに―新たな研究基盤の構築をめざして ▼小秋元段

1●『太平記』における知と表現

1 『太平記』の引歌表現とその出典 ▼北村昌幸
 1 はじめに
 2 引歌表現の概観
 3 『古今集』および『新古今集』との関係
 4 八代集抄出本利用の可能性
 5 名所歌集利用の可能性
 6 おわりに
 『太平記』の引歌典拠一覧

2 『太平記』テクストの両義性―宣房・藤房の出処と四書受容をめぐって―▼森田貴之
 はじめに〜「忠臣不事二君」の論理
 1 『太平記』における忠臣論〜万里小路宣房の場合〜
 2 『太平記』の忠臣論〜万里小路藤房の場合〜
 3 『孟子』の王道理想観と『太平記』
 4 『太平記』の理想〜伍子胥と藤房〜
 5 おわりに〜『太平記』の終末部の論理

●コラム 「桜井別れの図」に思う ▼長谷川端

●コラム 新井白石と『太平記秘伝理尽鈔』に関する覚書▼山本晋平
 1 新井白石と『理尽鈔』との接点
 2 『読史余論』の建武行賞記事をめぐって

2●歴史叙述のなかの観応擾乱

1 下剋上への道―『太平記』に見る観応擾乱と足利権力の神話―▼ジェレミー・セーザ
 はじめに
 1 『太平記』という「エピステーメー破裂」の伝達装置
 2 下剋上への道―「ヘテロトピア」としての『太平記』―
 3 『太平記』に見る観応擾乱と「草創の不発」
 おわりに

2 『太平記』巻二十七「雲景未来記事」の編入過程について▼小秋元段
 1 はじめに
 2 巻二十七の異同の概要
 3 巻二十七の本文異同にかかわる主な先行研究
 4 「雲景未来記事」の位置と評価
 5 神田本・西源院本の古態性に対する疑問
 6 諸本の検討
 7 吉川家本の検討
 8 むすび

●コラム 『太平記』の古態本について▼兵藤裕己

3●神田本『太平記』再考

1 神田本『太平記』に関する基礎的問題 ▼長坂成行
 1 はじめに、研究史の紹介
 2 伝来について
 3 書誌的事項の補足
 4 二重・三重・四重の符号について
 5 巻十七について
 6 巻三十二の双行表記をめぐって
 7 結びにかえて

2 神田本『太平記』本文考序説―巻二を中心に―▼和田琢磨
 はじめに
 1 研究史概観
 2 仁和寺本『太平記』の検討
 3 神田本本文と他系統本文
 4 まとめと課題

●コラム 天理本『梅松論』と古活字本『保元物語』―行誉の編集を考える―▼阿部亮太

□外国語要旨

英語▼ジェレミー・セーザ訳
中国語▼鄧 力訳
韓国語▼李章姫訳
著者略歴
『太平記』国際研究集会(タイヘイキコクサイケンキュウシュウカイ taiheikikokusaikenkyuushuukai)
http://www18.ocn.ne.jp/~koa/26301.html
北村 昌幸(キタムラ マサユキ kitamura masayuki)
関西学院大学文学部教授。研究分野○中世文学・軍記物語 著書等○『太平記世界の形象』(塙書房、二〇一〇年)、「等持院百首雑歌考」(『人文論究』六〇―一、二〇一〇年)など。
森田 貴之(モリタ タカユキ morita takayuki)
南山大学人文学部准教授。研究分野○和漢比較文学 著書等○「『太平記』と元詩─成立環境の一隅─」『國語國文』第七六巻第二号(京都大学文学部国語学国文学研究室、二〇〇七年二月)、「『太平記』の漢詩利用法─司馬光の漢詩から─」、『國語國文』第七九巻第三号(京都大学文学部国語学国文学研究室、二〇一〇年三月)、「『唐鏡』考─法琳の著作の受容─」『台大日本語文研究』第二〇期(國立臺灣大學日本語文學系、二〇一〇年一二月)など。
長谷川 端(ハセガワ タダシ hasegawa tadashi)
中京大学名誉教授。研究分野○中世軍記物語 著書等○『太平記の研究』(汲古書院、一九八二年)、『太平記 創造と成長』(三弥井書店、二〇〇三年)、『新編日本古典文学全集 太平記』全四巻(小学館、一九九四〜九八年)、『太平記を読む 新訳』第四・五巻(おうふう、二〇〇七年)など。
山本 晋平(ヤマモト シンペイ yamamoto shinpei)
同志社大学大学院博士後期課程。研究分野○日本近世思想史 著書等○「『太平記秘伝理尽鈔』における楠木正成の死―「謀」と「道」の間で―」関西軍記物語研究会編『軍記物語の窓 第四集』(和泉書院、二〇一二年十二月)、「『太平記秘伝理尽鈔』の「理」―合理的思惟の論理と構造―」『軍記と語り物』四九(二〇一三年三月)、「『太平記秘伝理尽鈔』における「謀」―「道」との関わりから―」『文化学年報』(同志社大学文化学会)六三(二〇一四年三月)など。
ジェレミー・セーザ(ジェレミー・セーザ jeremii・seeza)
ミドルテネシー州立大学准教授。研究分野○軍記物語、太平記 著書等○The Myth of Peace: Taiheiki and the Rhetoric of War(博士論文)。
小秋元 段(コアキモト ダン koakimoto dan)
法政大学文学部教授。研究分野○日本中世文学・書誌学 著書等○『太平記・梅松論の研究』(汲古書院、二〇〇五年)、『太平記と古活字版の時代』(新典社、二〇〇六年)など。
兵藤 裕己(ヒョウドウ ヒロミ hyoudou hiromi)
学習院大学文学部教授。研究分野○日本文学・芸能 著書等○『太平記〈よみ〉の可能性』(講談社学術文庫、二〇〇五年)、『琵琶法師』(岩波新書、二〇〇九年)、『平家物語の読み方』(ちくま学芸文庫、二〇一一年)など。
長坂 成行(ナガサカ シゲユキ nagasaka shigeyuki)
奈良大学名誉教授。研究分野○中世軍記文学 著書等○『伝存太平記写本総覧』(二〇〇八、和泉書院)など。
和田 琢磨(ワダ タクマ wada takuma)
東洋大学文学部准教授。研究分野○太平記・室町軍記 著書等○「近世における軍記物語絵巻の一様相──『平家物語絵巻下絵』『根元曾我物語絵巻』『楠公一代絵巻』─」(『絵が物語る日本 ニューヨーク スペンサー・コレクションを訪ねて』三弥井書店、二〇一四年)。「『太平記』「序」の機能」(『日本文学』六一︲七、二〇一二年)など。
阿部 亮太(アベ リョウタ abe ryouta)
法政大学大学院博士後期課程。研究分野○日本中世文学 著書等○論文 「古活字本『保元物語』編者考─『壒囊鈔』を用いた評論群を中心に─」(『文学・語学』第二〇七号、二〇一三年)など。
タイトルヨミ
カナ:タイヘイキヲトラエル
ローマ字:taiheikiotoraeru

※近刊検索デルタの書誌情報はopenBDのAPIを使用しています。

-- 広告 -- AD --

【AD】
今、注目すべき第三書館の本
止められるか俺たちを 暴走族写真集
日本には暴走族がいる

-- 広告 -- AD --

もうすぐ発売(1週間以内)
新着:ランダム(5日以内)

>> もっと見る

※近刊検索デルタの書誌情報はopenBDのAPIを利用しています。