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2024年3月26日発売

法政大学出版局

出版社名ヨミ:ホウセイダイガクシュッパンキョク

問いとしての尊厳概念

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内容紹介
これまで「尊厳」概念の議論は、生命倫理や医療倫理の領域で、欧米圏での議論が中心であったが、本論集はその枠組みを超えて、高齢者やジェンダーなどの社会問題から、人権、正義、法、プラトンやハイデガーなどの哲学における概念の再構築、儒教、仏教、イスラーム、そして文学や動植物ら被造物の「尊厳」を論じる。問いを新たに惹起して諸問題の議論を継続する「問いとしての尊厳概念」を創出する。
目次
編者前書き 「Argument Stopper」から「Argument Provoker」へ(加藤泰史)

第Ⅰ部 原理的考察

1 看護倫理学と「高齢者の尊厳」の問題・序説(加藤泰史)

2 批判の根拠──社会的正当化秩序における人権概念について(ライナー・フォアスト/桐原隆弘゠訳)

3 尊厳へのケイパビリティと公共的相互性(後藤玲子)

4 人間の尊厳はくるむようにして守られる(品川哲彦)

5 「尊厳」概念の不確定性をめぐって(宇佐美公生)

6 被造物の尊厳──比較衡量可能な内在的価値の可能性(岩佐宣明)

7 尊厳の崇高論──崇高としての尊厳と価値の問題(高木駿)

第Ⅱ部 欧米圏の概念史的考察

1 プラトンにおける「魂の尊厳」(齊藤安潔)

2 カントにおける尊厳と教育(ヨハネス・ギージンガー/柳橋晃・片山勝茂゠訳)

3 ハイデガーは人間にいかなる尊厳を見出しているのか?(森永駿)

4 人間の尊厳とは、権利をもつ権利である──誤解されてきたボン基本法のメッセージ(クリストフ・エンダース/吉田量彦゠訳)

5 一九四五年以後の人間の尊厳──人権史における一つの激変がもたらした、さまざまな帰結について(アルント・ポルマン/吉田量彦゠訳)

第Ⅲ部 非欧米圏の概念史的考察

1 生まれてこないものの尊厳──仏教と反出生主義(前川健一)

2 グローバル化萌芽期における霊魂の不滅に関する言説をめぐって(武田祐樹)

3 日本の近代化における女性の尊厳意識への目覚め(上原麻有子)

4 関係概念としての〈尊厳〉──『ひかりごけ』と『バートルビー』における〈食〉と〈生〉の共振をめぐって(ギブソン松井佳子)

5 春秋学の微辞と中華の復興(小島毅)

6 儒教的表現意識と個の表白──「詩言志」理解の変化をめぐって(牧角悦子)

7 中国古典哲学における人間の尊厳の観念──儒教思想の再構成(張千帆/高畑祐人゠訳)

8 オスマン社会における「尊厳」(小松香織)

◎参考資料「尊厳概念のグローバルスタンダードの構築に向けた理論的・概念史的・比較文化的研究」活動記録(齊藤安潔・小倉康寛・森永駿・加藤泰史゠編)

編者後書き それでもなお、「尊厳ある社会」の構築に向けて(加藤泰史)

執筆者・訳者紹介
著者略歴
加藤 泰史(カトウ ヤスシ katou yasushi)
加藤 泰史(カトウ ヤスシ) 1956年生まれ。名古屋大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。椙山女学園大学国際コミュニケーション学部教授、一橋大学名誉教授。哲学・倫理学。『人文学・社会科学の社会的インパクト』(共編著、法政大学出版局、2023年)、『スピノザと近代──ドイツ思想史の虚軸』(編著、岩波書店、2022年)、Kant’s Concept of Dignity, Berlin/Boston: De Gruyter, 2019 (Gerhard Schönrichとの共編著)、ほか。
タイトルヨミ
カナ:トイトシテノソンゲンガイネン
ローマ字:toitoshitenosongengainen

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