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2023年9月15日発売

新曜社

出版社名ヨミ:シンヨウシャ

物語戦としてのロシア・ウクライナ戦争

物語生成のポストナラトロジーの一展開
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内容紹介
ロシアによるクリミア併合に始まる21世紀型戦争の特質は「物語の戦い」にある。AI「物語生成システム」を研究する著者が、ロシア・ウクライナ戦争を巡る当事国の情報戦と、日本における専門家・タレント評論家による言論の戦いを物語論の視点から分析。


目次

まえがき

序 論
 1 「大きな物語の終焉」後、物語にまみれた戦争が起こった
 2 問題点――ロシアの強さ? そして物語

第一章 ロシア・ウクライナ戦争の物語生成機構
 1 ナラトロジーと物語生成論の構図で見るロシア・ウクライナ戦争
  1・1 ロシア・ウクライナ戦争の年代記、ストーリー、物語言説
  1・2 歌舞伎風物語にするとしたら
 2 「物語の戦い」とその諸概念
  2・1 偽情報物語とその具体例、その理論的背景
  2・2 物語戦

第二章 物語生成のポストナラトロジーの方法─理論的背景
 1 時代の変化と物語理論の変化――ポストクラシカルナラトロジー、ポストナラトロジー
  1・1 (古典的な)ナラトロジー
  1・2 ポストクラシカルナラトロジー
  1・3 ポストナラトロジー
 2 物語生成システムと認知科学・人工知能
  2・1 物語生成システム
  2・2 認知科学・人工知能としての物語生成
 3 物語生成のポストナラトロジー
  3・1 ポストナラトロジーから物語生成のポストナラトロジーへ
  3・2 ロシア・ウクライナ戦争の統合物語生成システムモデルに向けて

第三章 ロシアとウクライナの物語戦─交差と離反の観点から見る
 1 豊島の著書に見る日本のロシア・ウクライナ戦争論の典型構造
 2 プーチンとロシアの物語
  2・1 物書きの伝統とプーチンの「ロシア > ウクライナ」思想  
  2・2 プーチン=ロシアの近年の物語論的動向
 3 ウクライナおよび支援国の物語論的対抗
  3・1 ゼレンスキーの演説と情報発信
  3・2 ウクライナ政府のロシア関係偽情報対策
  3・3 娯楽的物語コンテンツ
  3・4 アメリカ政府からのロシア偽情報物語への対抗
  3・5 日本政府の立場と行動および日本が抱える未完物語
 4 ウクライナからの物語生成
  4・1 ロシア史との交差を含むウクライナの歴史物語の概要
  4・2 悲劇の混沌またはウクライナ軽視の歴史と伝統――ブラッドランド、スターリニズムとナチズムの挟撃
  4・3 マイダン革命とそれ以降
 5 物語の亀裂から覗くリアリティとそれを語る物語――ワシーリー・グロスマンと物語の最後の砦
  5・1 『万物は流転する』におけるレーニン批判
  5・2 『人生と運命』における「道行」の物語構造
  5・3 内部への多重的・多元的参入の物語構造
  5・4 「尽し」の羅列技法

第四章 日本のロシア・ウクライナ戦争見取り図――中間報告
 1 文献の調査・分析とロシア・ウクライナ戦争オントロジーに向けて
  1・1 文献資料の収集
  1・2 概念と主題の抽出からロシア・ウクライナ戦争オントロジーへの展望
  1・3 橋下徹の場合
 2 ロシア・ウクライナ戦争を巡る日本の物語戦の論評的考察
  2・1 日本におけるロシア・ウクライナ戦争物語戦の俯瞰のために
  2・2 ロシア・ウクライナ戦争原因論の構造整理
  2・3 停戦・降伏勧奨論――様々な反米論・親露論の切り張り型プロパガンディストとしての橋下徹
  2・4 楽観的な非戦主義プロパガンディストとしての想田和弘――「戦後民主主義」のほとんどコミカルな徹底
  2・5 ウクライナ客体論および二項対立批判論
  2・6 権威主義的修辞という現象
  2・7 日本言論人の対立‐交替の季節

結 論
あとがき
注 / 参考文献


装幀=新曜社デザイン室 
著者略歴
小方 孝(オガタ タカシ ogata takashi)
岩手県立大学ソフトウェア情報学部教授
タイトルヨミ
カナ:モノガタリセントシテノロシウクライナセンソウ
ローマ字:monogatarisentoshitenoroshiukurainasensou

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