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2021年2月1日発売

東京大学出版会

出版社名ヨミ:トウキョウダイガクシュッパンカイ

アラブ近代思想家の専制批判

オリエンタリズムと〈裏返しのオリエンタリズム〉の間
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内容紹介
アラブ・イスラームにおける専制主義をめぐってナフダ(復興)第二世代と呼ばれる思想家たちは,近代を模索するアラブ世界をいかにとらえていたのか.自由や民主主義を希求し,現在にも連なる開かれた知を求める思想の展開を明らかにする.
目次
序 章 問題の所在――独自性論批判
  一 『専制の性質』再考
  ニ 二つのアプローチで強調される専制の「不可避性」
  三 両アプローチへの反論
  四 三つの視角からみるナフダ第二世代の新たな専制批判
  五 本書の構成


第一部 「公正な専制者」からメカニズムの理解へ

第一章 独自性論の背景――ナフダ第一世代までの専制批判
  一 独自性論の背景
  ニ ズルムからイスティブダードへ
  三 1870年代以降の帝国主義と批判勢力のネットワーク

第二章 ムハンマド・アブドゥにおける二つの認識体系
     ――「公正な専制者」の概念の再検討
  一 はじめに――現状認識からの出発
  ニ ウラービー革命時代の専制批判
  三 敗北から亡命時代へ――帝国主義批判から再び教育者へ
  四 再び体制内改革派として――「公正な専制者」と認識の一貫性
  五 観念論と実体論の並存
 
第三章 観念化する専制批判――アラブ亡命知識人の源流
  一 共通の努力,共通のつまづき
  ニ ジャマールッディーン・アフガーニーの専制批判
  三 ハリール・ガーニムの専制批判
  四 観念化する専制批判

第四章 アディーブ・イスハークにおける自由と専制主義
     ――新しき政治規範と抑圧のシステム
  一 実践から理論へ
  ニ イスハークの政治的実践
  三 イスハークにおける〈政治的規範〉としての自由
  四 「抑圧のシステム」としての専制主義
  五 帝国主義の中の専制権力
  六 鏡としての〈自由〉と〈専制〉


第二部 専制システムの解体理論

第五章 進化論的アプローチによるアラブの専制批判
     ――シブリー・シュマイイルの思想を中心に
  一 〈共通の精神〉からみるアラブの進化論受容
  ニ アラブ近代思想における進化論の受容と専制批判
  三 改革実践のための進化論的アプローチ

第六章 アブドゥッラー・ナディームにおける〈金持ちの専制〉批判
     ――国民的団結を求めて
  一 民衆の立場から
  ニ 政治評論とフィクション
  三 『笑いと泣き』における特権層批判
  四 「狂信者」とのレッテルに抗して
  五 中流意識と生産階級の視角
  六 エリートの言語支配に抗して

第七章 『専制の性質』再考――西欧の影響とアラブの共通精神
  一 西欧の影響とアラブの共通精神
  ニ 『専制の性質』の政治的背景――アブデュルハミト体制の三つの権力基盤
  三 専制批判の理論的発展
  四 自己批判から政治固有の論理へ

結 論 ナフダ時代の専制批判から学ぶもの
  一 二つの循環論的な閉域
  ニ 民族主義,イスラーム主義,マルクス主義思想の閉塞性
  三 オリエンタリズムと〈裏返しのオリエンタリズム〉の間


The Arab Critique of Despotism in the Modern Age:
Between Orientalism and “Orientalism in Reverse”
Hiroki OKAZAKI
著者略歴
岡崎 弘樹(オカザキ ヒロキ okazaki hiroki)
日本学術振興会特別研究員
タイトルヨミ
カナ:アラブキンダイシソウカノセンセイヒハン
ローマ字:arabukindaishisoukanosenseihihan

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