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2015年10月9日発売

笠間書院

出版社名ヨミ:カサマショイン

『太平記』をとらえる 第二巻

『太平記』をとらえる
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内容紹介
 『太平記』は、南北朝期の四十年に及ぶ戦乱をともかくも描ききった、文字どおり希有の書である。しかし、四十巻という膨大な分量をもつことや、これに取り組む研究者が少ないことなどから、依然として基本的な部分での研究課題を積み残している。
 『太平記』研究になお残る課題を少しずつでも解明することをめざし、『『太平記』をとらえる』を全三巻で刊行する。本書はその第二巻である。

 第二巻は、第一章「『太平記』における説話の淵源と機能」、第二章「『太平記』に描かれた「歴史」」、第三章「神田本『太平記』―本文の探求―」の三章を設け、六篇の論文と四篇のコラムを収録。執筆は、張 静宇/森田貴之/佐伯真一/金木利憲/北村昌幸/長坂成行/大坪亮介/小秋元段/和田琢磨/大森北義。巻末には六篇の論文の英語・中国語・韓国語の要旨も収載。「二〇一四年度『太平記』研究国際集会」での研究発表をもとにした論集です。

【例えば『太平記』研究では、表現の基底や挿入説話の典拠に依然不明な問題が多く残されている。また、同時代の争乱を描いた『太平記』は、眼前の情報をどのように収集し、記事化していったのか。これらの問題を明らかにすることは、『太平記』の成立論・作者論に新たな局面をもたらすことになるだろう。諸本研究にも課題は多く残されている。古態とされる伝本を再吟味することによって、私たちの『太平記』のイメージは少なからず修正を迫られるはずだ。加えて、これらとはやや次元を異にする問題であるが、国際化・情報化の進む研究環境のなかで、国内外の研究者がどうネットワークを構築し、課題を共有して解決に導くかについても、考えてゆかなければならない時期にさしかかっている。こうした様々な課題に少しずつ挑むことにより、つぎの時代の研究基盤を準備したいというのが、本シリーズのねらいである。】
目次
はじめに―作者の文学史的環境と政治的・社会的環境を明らかにする▼小秋元段

1●『太平記』における説話の淵源と機能

1 『太平記』巻三十八「大元軍事」と宋元文化▼張 静宇
 1 はじめに
 2 大元の老皇帝の夢
 3 西蕃の帝師
 4 刲股納書
 5 おわりに

2 『太平記』と弘法大師説話―引用説話の射程―▼森田貴之
 1 はじめに
 2 巻一二「大内裏造営の事」神筆説話
 3 巻一二「神泉苑の事」請雨説話

●コラム 『太平記』の「良将」に関する覚書▼佐伯真一
 1 軍記物語の合戦と「将」
 2 『太平記』の「良将」と「名将」
 3 『太平記秘伝理尽鈔』における「良将」

●コラム 『太平記』に残る漢籍受容の足跡―『白氏文集』の本文系統について―▼金木利憲
 1 日本文学と『白氏文集』
 2 『太平記』所引『白氏文集』の本文系統
 3 結論

2●『太平記』に描かれた「歴史」

1 『太平記』における諸卿僉議―南朝の意思決定をめぐる諸問題―▼北村昌幸
 1 はじめに
 2 後醍醐天皇と諸卿僉議
 3 後村上天皇と諸卿僉議
 4 南朝関連情報の窓口
 5 おわりに

2 高師泰の枝橋山荘造営をめぐる脇役の周縁―『太平記』注解補考(三)―▼長坂成行
 1 はじめに
 2 菅在登殺害事件
 3 菅在登出詠の法楽和歌
 4 大蔵権少輔重藤について
 5 上杉重能の最期をめぐって

●コラム 『太平記』と仁和寺―天正本系の一増補箇所から―▼大坪亮介
 はじめに
 1 天正本系の増補箇所
 2 高野山一心院と仁和寺
 3 高野山一心院主・仁和寺勝宝院主の法脈と日野僧正頼意
 おわりに

3●神田本『太平記』―本文の探求―

1 神田本『太平記』本文考―巻十六を中心に―▼小秋元段
 1 はじめに
 2 神田本本文の基底─玄玖本との比較から─
 3 神田本巻十六の古態性
 4 神田本の古態性に対する留保
 5 巻十五後半について
 6 むすび

2 室町時代における本文改訂の一方法―神田本『太平記』巻三十二を中心に―▼和田琢磨
 1 はじめに
 2 双行形式本文の状態
 3 神田本巻三十二の底本
 4 まとめ

●コラム 『太平記』巻一巻末の増補記事―〈もう一つの歴史叙述〉の可能性―▼大森北義
 はじめに
 1 矢代論について
 2 〈もう一つの歴史叙述〉
 3 『太平記』における異文の位相

□外国語要旨

英語▼ジェレミー・セーザ訳
中国語▼張静宇訳
韓国語▼李章姫訳
著者略歴
『太平記』国際研究集会(タイヘイキコクサイケンキュウシュウカイ taiheikikokusaikenkyuushuukai)
張 静宇(チョウ セイウ chou seiu)
北京外国語大学北京日本学研究センター博士課程 研究分野○中世文学・中日比較文学 著書等○「『太平記』と呂洞賓の物語」(軍記・語り物研究会第四〇四会例会発表、二〇一五年一月二十五日)など。
森田 貴之(モリタ タカユキ morita takayuki)
南山大学人文学部准教授 研究分野○和漢比較文学 著書等○「『太平記』と元詩─成立環境の一隅─」『國語國文』第七六巻第二号(京都大学文学部国語学国文学研究室、二〇〇七年二月)、「『唐鏡』考─法琳の著作の受容─」『台大日本語文研究』第二〇期(國立臺灣大學日本語文學系、二〇一〇年一二月)、「女主、昌なり─日本中世における則天武后像の展開─」『論集 中世・近世の説話集と説話』和泉書院、二〇一四年など。
佐伯 真一(サエキ シンイチ saeki shinichi)
青山学院大学文学部教授 研究分野○中世日本文学・軍記物語 著書等○『戦場の精神史─武士道という幻影─』(日本放送出版協会二〇〇四年)、『平家物語大事典』(共編。東京書籍二〇一〇年)など。
金木 利憲(カネキ トシノリ kaneki toshinori)
明治大学文学部兼任講師 研究分野○日中比較文学・書誌学 著書等○「藤原定家『奥入』所引の漢籍─『白氏文集』を中心として」『白居易研究年報』第十号(勉誠出版、二〇〇九年十二月)、「『太平記』に見る『白氏文集』本文の交代 ─旧鈔本から版本へ」『アジア遊学』Vol.‌140(勉誠出版、二〇一一年四月)、「宮内庁蔵那波本『白氏文集』巻三・四(新楽府)の書き入れについて」『白居易研究年報』第十四号(勉誠出版、二〇一四年一月)など。
北村 昌幸(キタムラ マサユキ kitamura masayuki)
関西学院大学文学部教授 研究分野○中世文学・軍記物語 著書等○『太平記世界の形象』(塙書房、二〇一〇年)、「筑紫合戦と『太平記』」(『中世の軍記物語と歴史叙述』所収、竹林舎、二〇一一年)など。
長坂 成行(ナガサカ シゲユキ nagasaka shigeyuki)
奈良大学名誉教授 研究分野○中世軍記文学 著書等○『伝存太平記写本総覧』(和泉書院、二〇〇八年)、『穂久邇文庫蔵太平記〔竹中本〕と研究(下)』(未刊国文資料刊行会、二〇一〇年)など。
大坪 亮介(オオツボ リョウスケ ootsubo ryousuke)
大阪市立大学大学院文学研究科都市文化研究センター研究員・神戸松蔭女子学院大学非常勤講師 研究分野○中世文学・軍記物語 著書等○「『太平記』における北条氏の治世─大尾記事との関わり─」(『國語國文』第八十一巻第八号、二〇一二年)、「公武関係の転換点と大内裏─『太平記』の大内裏造営記事をめぐって─」(神戸説話研究会『論集 中世・近世説話と説話集』(和泉書院、二〇一四年)など。
小秋元 段(コアキモト ダン koakimoto dan)
法政大学文学部教授 研究分野○日本中世文学・書誌学 著書等○『太平記・梅松論の研究』(汲古書院、二〇〇五年)、『太平記と古活字版の時代』(新典社、二〇〇六年)など。
和田 琢磨(ワダ タクマ wada takuma)
東洋大学文学部准教授 研究分野○太平記・室町軍記 著書等○『『太平記』生成と表現世界』(新典社、二〇一五年)など。
大森 北義(オオモリ キタヨシ oomori kitayoshi)
愛知淑徳大学非常勤講師 研究分野○中世軍記文学 著書等○『『太平記』の構想と方法』(明治書院、昭和六三年三月)。「『太平記』始発部の歴史叙述と合戦記」(『古典遺産』六三号、平成十六年三月)。「『太平記』の『文学』と楠木正成」(『軍記と語り物』第五一号、平成二七年三月)など。
タイトルヨミ
カナ:タイヘイキヲトラエル
ローマ字:taiheikiotoraeru

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