目次

序言―世界から漱石を読むということ
第１章 『こころ』の仕組み；『こころ』と反復
思いつめ男に鈍い男―夏目漱石「こころ」
「こころ」：ロマン的〈異形性〉のために
深淵に置かれて―『黄粱一炊図』と先生の手紙 デニス・ワッシュバーン
コラム◎ 乃木将軍の殉死と先生の死をめぐって―「明治の精神」に殉ずるということ
第２章 『こころ』というテクストの行間；語り続ける漱石―二十一世紀の世界における『こころ』
クィア・テクストとしての『こころ』―翻訳学を通して スティーブン・ドッド
『こころ』と心の「情緒的」な遭遇
「道のためなら」という呪縛
第３章 誕生後一世紀を経た『こころ』をめぐって；朝日新聞の再連載からみる「こころ」ブーム
コラム◎ シンポジウム「一世紀後に読み直す漱石の『こころ』」を顧みて
『こころ』の授業実践史―教科書教材と学習指導の批判的検討
カタストロフィへの迂回路―「イメージ」と漱石
研究史◎ 夏目漱石『こころ』研究史
Abstracts