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定価:4,840円(4,400円+税)
判型:A5
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内容紹介
長期にわたり種々の戦争が継続した東南アジア大陸部において、犠牲者としてのみ見られがちな地域住民は戦中・戦後の社会変化にどのような「生存戦略」をもって関わってきたのか。オーラルヒストリーを重視し、勝者の戦後史とは異なる「被戦争社会」の実相を描く。
目次
はしがき
調査対象地地図
序論 東南アジア大陸部の戦争と地域住民の生存戦略をみる視点[瀬戸裕之/河野泰之]
1.本研究における問題意識
2.「東南アジア大陸部の戦争」に着目する意義
3.「地域住民の生存戦略」に着目する意義
4.研究手法としてのオーラル・ヒストリーの重視
5.各地域の戦争の概要と生存戦略をみる視点
6.本書の構成
第Ⅰ部 国家政策からの選択的逸脱が生存戦略となった事例
第1章 総力戦期における北部ベトナムの地域住民の生存戦略――銃後の女性たちの経験と語りから[岩井美佐紀]
はじめに
1.調査地と方法論
2.総力戦と地域住民の生存戦略
3.女性たちの経験から銃後の家族の生存戦略を考える
4.家族と地域の生存戦略を支えるケアの倫理
まとめ
第2章 低強度戦と東北タイ辺境開発史への背理/合理を生きた50年――ある共産党拠点跡地に暮らす農民らの半生から[倉島孝行]
はじめに
1.東北タイ辺境開拓史概観――森林/農地フロンティア地帯を例に
2.CPT対タイ政府攻防史――治安当局の動向と戦略を中心に
3.東北タイの一CPT拠点とその周辺農民4名の半生
まとめ
第Ⅱ部 生業転換が生存戦略となった事例
第3章 ラオス中部地域にみる被戦争社会の変容と地域住民の生存戦略――戦争期の組織的移住と生活再建を中心に[瀬戸裕之]
はじめに
1.ラオス中部地域における戦争の性格と展開
2.内戦期における中部地域住民の戦争経験
3.ヴィエンチャン県における戦争避難民による社会変容
まとめ
第4章 ポル・ポト時代後の内戦下における女性たちの生計戦略――カンボジア・シェムリアップ市を事例として[佐藤奈穂]
はじめに
1.カンボジアの内戦と女性
2.内戦下のシェムリアップ市内の状況
3.ポル・ポト時代以降の女性の生計維持
まとめ
第5章 山茶が動かす冷戦史――冷戦期タイ国北部山地における人口構成の変遷[片岡樹]
はじめに
1.タイ山地社会における冷戦と人口変動の概略
2.民養村周辺の歴史
3.山茶をめぐる民族間関係
まとめ
第Ⅲ部 宗教活動が生存戦略となった事例
第6章 ミャンマーにおける戦争と中国国境周辺地域の変容――少数民族タアーン(パラウン)の生存の技法[小島敬裕]
はじめに
1.ミャンマー北部における独立後の戦争の特徴
2.タアーン民族解放軍(TNLA)の主張
3.タアーン族の村人たちの生存戦略
4.タアーン族避難民の都市部寺院への受け入れ
まとめ
第7章 マージナルな存在を生きる――ベトナム南部カトリック信徒の戦中・戦後史[大野美紀子]
はじめに
1.解放区から入植地へ,そして穀倉地帯へ――ドンタップムオイ地域の変貌
2.調査地カィンフン村における宗教概況
3.戦時下に生きる家族の離散と放浪――インフォーマントの紹介
4.「戦後」地域社会の変化
5.地域社会の中でマージナルな存在を生きる
6.カトリックを巡る地域社会の変化
まとめ
おわりに 戦中・戦後の生存戦略と被戦争社会に関する仮説[瀬戸裕之/河野泰之]
1.本書で扱った各事例からみる地域住民の生存戦略
2.被戦争社会における社会変容に関する仮説
関連年表
索引
あとがき
編著者・執筆者紹介
調査対象地地図
序論 東南アジア大陸部の戦争と地域住民の生存戦略をみる視点[瀬戸裕之/河野泰之]
1.本研究における問題意識
2.「東南アジア大陸部の戦争」に着目する意義
3.「地域住民の生存戦略」に着目する意義
4.研究手法としてのオーラル・ヒストリーの重視
5.各地域の戦争の概要と生存戦略をみる視点
6.本書の構成
第Ⅰ部 国家政策からの選択的逸脱が生存戦略となった事例
第1章 総力戦期における北部ベトナムの地域住民の生存戦略――銃後の女性たちの経験と語りから[岩井美佐紀]
はじめに
1.調査地と方法論
2.総力戦と地域住民の生存戦略
3.女性たちの経験から銃後の家族の生存戦略を考える
4.家族と地域の生存戦略を支えるケアの倫理
まとめ
第2章 低強度戦と東北タイ辺境開発史への背理/合理を生きた50年――ある共産党拠点跡地に暮らす農民らの半生から[倉島孝行]
はじめに
1.東北タイ辺境開拓史概観――森林/農地フロンティア地帯を例に
2.CPT対タイ政府攻防史――治安当局の動向と戦略を中心に
3.東北タイの一CPT拠点とその周辺農民4名の半生
まとめ
第Ⅱ部 生業転換が生存戦略となった事例
第3章 ラオス中部地域にみる被戦争社会の変容と地域住民の生存戦略――戦争期の組織的移住と生活再建を中心に[瀬戸裕之]
はじめに
1.ラオス中部地域における戦争の性格と展開
2.内戦期における中部地域住民の戦争経験
3.ヴィエンチャン県における戦争避難民による社会変容
まとめ
第4章 ポル・ポト時代後の内戦下における女性たちの生計戦略――カンボジア・シェムリアップ市を事例として[佐藤奈穂]
はじめに
1.カンボジアの内戦と女性
2.内戦下のシェムリアップ市内の状況
3.ポル・ポト時代以降の女性の生計維持
まとめ
第5章 山茶が動かす冷戦史――冷戦期タイ国北部山地における人口構成の変遷[片岡樹]
はじめに
1.タイ山地社会における冷戦と人口変動の概略
2.民養村周辺の歴史
3.山茶をめぐる民族間関係
まとめ
第Ⅲ部 宗教活動が生存戦略となった事例
第6章 ミャンマーにおける戦争と中国国境周辺地域の変容――少数民族タアーン(パラウン)の生存の技法[小島敬裕]
はじめに
1.ミャンマー北部における独立後の戦争の特徴
2.タアーン民族解放軍(TNLA)の主張
3.タアーン族の村人たちの生存戦略
4.タアーン族避難民の都市部寺院への受け入れ
まとめ
第7章 マージナルな存在を生きる――ベトナム南部カトリック信徒の戦中・戦後史[大野美紀子]
はじめに
1.解放区から入植地へ,そして穀倉地帯へ――ドンタップムオイ地域の変貌
2.調査地カィンフン村における宗教概況
3.戦時下に生きる家族の離散と放浪――インフォーマントの紹介
4.「戦後」地域社会の変化
5.地域社会の中でマージナルな存在を生きる
6.カトリックを巡る地域社会の変化
まとめ
おわりに 戦中・戦後の生存戦略と被戦争社会に関する仮説[瀬戸裕之/河野泰之]
1.本書で扱った各事例からみる地域住民の生存戦略
2.被戦争社会における社会変容に関する仮説
関連年表
索引
あとがき
編著者・執筆者紹介
著者略歴
瀬戸 裕之(セト ヒロユキ seto hiroyuki)
新潟国際情報大学国際学部准教授。
名古屋大学大学院国際開発研究科博士後期課程満期退学,学術博士。
主な著作に,『現代ラオスの中央地方関係――県知事制を通じたラオス人民革命党の地方支配』(京都大学学術出版会,2015年),「司法省元高官の視点からみるラオス現代史――フイ・ポンセーナー博士の経験から」(『新潟国際情報大学国際学部紀要』4:21-42,2019年),「1991年憲法制定前におけるラオス地方議会法制の変遷――1988年地方人民議会選挙とその帰結を中心に」(『アジア法研究』2015:241-260,2016年)など。
河野 泰之(コウノ ヤスユキ kouno yasuyuki)
京都大学東南アジア地域研究研究所教授。
東京大学農学系研究科博士課程修了,農学博士。
主な著作に,『論集モンスーンアジアの生態史 第1巻 生業の生態史』(弘文堂,2008年),『地球圏・生命圏・人間圏――持続型生存基盤とは何か』(京都大学学術出版会,2010年),『地球圏・生命圏の潜在力――熱帯地域社会の生存基盤』(京都大学学術出版会,2012年)など。
タイトルヨミ
カナ:トウナンアジアタイリクブノセンソウトチイキジュウミンノセイゾンセンリャク
ローマ字:tounanajiatairikubunosensoutochiikijuuminnoseizonsenryaku
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