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定価:2,200円(2,000円+税)
判型:四六
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内容紹介
東南アジア各国・各地域に暮らすイスラームの歴史と現状をはじめ、その信仰実践や日常生活、また各国の近代的国民国家の枠組みの中でイスラームがどのように異なる形で位置付けられているか、またイスラームと政治がかかわる重要な事項などを知る小事典的一冊。
目次
はじめに
Ⅰ 東南アジア・ムスリム社会の多様性とその歴史
第1章 東南アジア・ムスリム社会の概観――多様性とその歴史
第2章 東南アジアのイスラームをどのように見るのか――「穏健」を越えて
第3章 商業の時代の東南アジア――イスラームの浸透と多様な展開
第4章 マレー半島におけるイスラームの広まりと社会変化――交易の中心からイスラーム教育の中心へ変貌したパタニ
第5章 スマトラ、ジャワ、マカッサルにおけるイスラームの広まりと社会変化――王国のイスラーム受容
第6章 スールー海域世界におけるイスラームの広まりと社会・政治的変容――国境の導入とムスリムの抵抗
第7章 植民地期と日本軍政期(インドネシア)――イスラーム指導者の政治的立場の変化
第8章 植民地期と日本軍政期(マラヤ)――イギリスの統治と近代イスラームの出現
第9章 植民地統治期以降のスールー海域世界とイスラーム――植民地化と海域世界のムスリムの抵抗
第10章 イスラーム改革主義――「真のイスラーム」への回帰と近代文明との調和
Ⅱ 信仰実践と日常生活
第11章 生活の中の六信五行――天国を目指す生き方の指針
第12章 信仰告白――日々唱え、目にするアラビア語
第13章 礼拝――様々なフレキシビリティ
第14章 義務と任意の断食――ラマダーン月の喜び
第15章 喜捨――インドネシアにおけるザカートの変容
第16章 巡礼――その現代的形態
第17章 服装――信仰とファッションの追求、グローバル化と多様化の進展
第18章 食とハラール――認識の多様性と認証制度
第19章 結婚と離婚――女性の社会的地位の変化と変わる結婚観
第20章 家族と女性――交錯する女性像と選択する自由
第21章 エンターテインメント――人気コンテンツとしてのイスラーム
【コラム1】マレーシアの日常に増えてゆくアラビア語
Ⅲ 各国のイスラームと諸制度
第22章 インドネシア――人々の多様なイスラーム実践と、国家とウラマーの関与
第23章 マレーシア――多民族国家の「唯一の公式宗教」
第24章 ブルネイ――イスラーム的価値観の醸成を支える制度
第25章 シンガポール――多民族・多宗教国家における少数者のムスリムに配慮した制度
第26章 タイ――支援と管理が結びついた制度
第27章 フィリピン――宗教的多元性を制度化する
第28章 ミャンマー――仏教徒社会のマイノリティ
第29章 カンボジア――カンボジアのマイノリティ・ムスリム チャム人の離散の歴史
第30章 ベトナム――「ホイザオ」の現在
Ⅳ イスラームと政治・市民運動
第31章 インドネシアのダアワ運動――その政治的・社会的インパクト
第32章 マレーシアのダアワ運動――学生運動から官製の社会運動へ
第33章 インドネシアにおける政治的競争とイスラーム――社会の分断を読み解く
第34章 マレーシアの政治・政党とイスラーム――世界のすべてとしてのイスラーム
第35章 タイ南部の分離独立運動とイスラーム――政府との戦いは「ジハード」か
第36章 インドネシアとマレーシアにおけるフェミニズム運動――運動の発展と法制度改革の異なる経路
第37章 フィリピンにおけるムスリム政治運動の変容――武装闘争と政党政治
第38章 ムスリム少数派への不寛容――インドネシアとマレーシアの事例から
第39章 武装闘争派の思想とネットワーク――グローバルな闘争のローカルな歴史
第40章 ミャンマーにおけるロヒンギャ問題――国内に暮らすロヒンギャの状況
【コラム2】マレーシアに暮らすロヒンギャ
Ⅴ イスラーム知識の伝達と教育
第41章 東南アジアのムスリムが学ぶイスラームの知識――「普通のムスリム」と「学者」とその間
第42章 イスラーム知識をどのように学ぶのか――近代化と知識の担い手の多様化
第43章 インドネシアのポンドック・プサントレン――「民」による教育
第44章 学校以外の場で学ぶイスラーム――インドネシアのモスクにおけるイスラーム学習
第45章 タイのイスラーム教育――受け継がれるマレーの伝統と「タイ・ムスリム」の創造
第46章 フィリピン南部ミンダナオのイスラーム教育の変容――イスラーム写本とズンバ
【コラム3】クルアーン学習テキスト『イクロ』創案とその普及
【コラム4】ムスリム女性の教育とリバース・ジェンダー・ギャップ――成績の良い女の子と勉強しない男の子?
Ⅵ グローバル化の中の東南アジアとイスラーム
第47章 東南アジア・ムスリムの生活の変化――消費社会の進展の中で
第48章 ハラール認証制度――産業社会におけるイスラーム実践
第49章 イスラーム金融――グローバリゼーションと世界の趨勢の中で
第50章 ソーシャルメディアと説教師の活動――国境を越えるインドネシアのムスリム説教師
第51章 ハドラミーのグローバルネットワーク――宣教者としての活動
【コラム5】LGBTを巡るグローバルな言説とイスラームの相克
Ⅶ 人物を通じてみる東南アジアのイスラーム
第52章 アル=ラーニーリーとアル=ファターニー――キターブが結ぶつながり
第53章 ワリ・ソンゴ――ジャワのイスラーム化を体現する聖者たち
第54章 アフマド・ダフランとハシム・アシュアリ――インドネシア二大イスラーム団体の創設者
第55章 モハマド・ナシール――20世紀インドネシアを生きたイスラーム指導者
第56章 サイイド・ムハンマド・ナキーブ・アル=アッタース――「知識のイスラーム化」論から見えるもの
第57章 アンワール・イブラヒムとニック・アジズ――「イスラーム復興」の多様性
第58章 アブドゥルラフマン・ワヒドとヌルホリス・マジッド――リベラルなイスラームの2つの道
第59章 ドモカオ・アロントとサラマト・ハシム――フィリピンのムスリム知識人
第60章 リイス・マルクスとザイナ・アンワール――インドネシアとマレーシアにおけるイスラミック・フェミニズムの発展
Ⅷ 東南アジアのムスリムと日本
第61章 歴史の中の日本と東南アジアのイスラーム――戦前・戦中の日本の関与
第62章 日本の文化外交における東南アジアのムスリム――共感と相互理解の醸成
第63章 東南アジアのムスリムツーリスト――旅行先としての日本
第64章 日本に暮らす東南アジアのムスリム――コミュニティの形成と進む多層化
【コラム6】ムスリムの人々との出会い――日本のインドネシア人留学生を通して
Ⅰ 東南アジア・ムスリム社会の多様性とその歴史
第1章 東南アジア・ムスリム社会の概観――多様性とその歴史
第2章 東南アジアのイスラームをどのように見るのか――「穏健」を越えて
第3章 商業の時代の東南アジア――イスラームの浸透と多様な展開
第4章 マレー半島におけるイスラームの広まりと社会変化――交易の中心からイスラーム教育の中心へ変貌したパタニ
第5章 スマトラ、ジャワ、マカッサルにおけるイスラームの広まりと社会変化――王国のイスラーム受容
第6章 スールー海域世界におけるイスラームの広まりと社会・政治的変容――国境の導入とムスリムの抵抗
第7章 植民地期と日本軍政期(インドネシア)――イスラーム指導者の政治的立場の変化
第8章 植民地期と日本軍政期(マラヤ)――イギリスの統治と近代イスラームの出現
第9章 植民地統治期以降のスールー海域世界とイスラーム――植民地化と海域世界のムスリムの抵抗
第10章 イスラーム改革主義――「真のイスラーム」への回帰と近代文明との調和
Ⅱ 信仰実践と日常生活
第11章 生活の中の六信五行――天国を目指す生き方の指針
第12章 信仰告白――日々唱え、目にするアラビア語
第13章 礼拝――様々なフレキシビリティ
第14章 義務と任意の断食――ラマダーン月の喜び
第15章 喜捨――インドネシアにおけるザカートの変容
第16章 巡礼――その現代的形態
第17章 服装――信仰とファッションの追求、グローバル化と多様化の進展
第18章 食とハラール――認識の多様性と認証制度
第19章 結婚と離婚――女性の社会的地位の変化と変わる結婚観
第20章 家族と女性――交錯する女性像と選択する自由
第21章 エンターテインメント――人気コンテンツとしてのイスラーム
【コラム1】マレーシアの日常に増えてゆくアラビア語
Ⅲ 各国のイスラームと諸制度
第22章 インドネシア――人々の多様なイスラーム実践と、国家とウラマーの関与
第23章 マレーシア――多民族国家の「唯一の公式宗教」
第24章 ブルネイ――イスラーム的価値観の醸成を支える制度
第25章 シンガポール――多民族・多宗教国家における少数者のムスリムに配慮した制度
第26章 タイ――支援と管理が結びついた制度
第27章 フィリピン――宗教的多元性を制度化する
第28章 ミャンマー――仏教徒社会のマイノリティ
第29章 カンボジア――カンボジアのマイノリティ・ムスリム チャム人の離散の歴史
第30章 ベトナム――「ホイザオ」の現在
Ⅳ イスラームと政治・市民運動
第31章 インドネシアのダアワ運動――その政治的・社会的インパクト
第32章 マレーシアのダアワ運動――学生運動から官製の社会運動へ
第33章 インドネシアにおける政治的競争とイスラーム――社会の分断を読み解く
第34章 マレーシアの政治・政党とイスラーム――世界のすべてとしてのイスラーム
第35章 タイ南部の分離独立運動とイスラーム――政府との戦いは「ジハード」か
第36章 インドネシアとマレーシアにおけるフェミニズム運動――運動の発展と法制度改革の異なる経路
第37章 フィリピンにおけるムスリム政治運動の変容――武装闘争と政党政治
第38章 ムスリム少数派への不寛容――インドネシアとマレーシアの事例から
第39章 武装闘争派の思想とネットワーク――グローバルな闘争のローカルな歴史
第40章 ミャンマーにおけるロヒンギャ問題――国内に暮らすロヒンギャの状況
【コラム2】マレーシアに暮らすロヒンギャ
Ⅴ イスラーム知識の伝達と教育
第41章 東南アジアのムスリムが学ぶイスラームの知識――「普通のムスリム」と「学者」とその間
第42章 イスラーム知識をどのように学ぶのか――近代化と知識の担い手の多様化
第43章 インドネシアのポンドック・プサントレン――「民」による教育
第44章 学校以外の場で学ぶイスラーム――インドネシアのモスクにおけるイスラーム学習
第45章 タイのイスラーム教育――受け継がれるマレーの伝統と「タイ・ムスリム」の創造
第46章 フィリピン南部ミンダナオのイスラーム教育の変容――イスラーム写本とズンバ
【コラム3】クルアーン学習テキスト『イクロ』創案とその普及
【コラム4】ムスリム女性の教育とリバース・ジェンダー・ギャップ――成績の良い女の子と勉強しない男の子?
Ⅵ グローバル化の中の東南アジアとイスラーム
第47章 東南アジア・ムスリムの生活の変化――消費社会の進展の中で
第48章 ハラール認証制度――産業社会におけるイスラーム実践
第49章 イスラーム金融――グローバリゼーションと世界の趨勢の中で
第50章 ソーシャルメディアと説教師の活動――国境を越えるインドネシアのムスリム説教師
第51章 ハドラミーのグローバルネットワーク――宣教者としての活動
【コラム5】LGBTを巡るグローバルな言説とイスラームの相克
Ⅶ 人物を通じてみる東南アジアのイスラーム
第52章 アル=ラーニーリーとアル=ファターニー――キターブが結ぶつながり
第53章 ワリ・ソンゴ――ジャワのイスラーム化を体現する聖者たち
第54章 アフマド・ダフランとハシム・アシュアリ――インドネシア二大イスラーム団体の創設者
第55章 モハマド・ナシール――20世紀インドネシアを生きたイスラーム指導者
第56章 サイイド・ムハンマド・ナキーブ・アル=アッタース――「知識のイスラーム化」論から見えるもの
第57章 アンワール・イブラヒムとニック・アジズ――「イスラーム復興」の多様性
第58章 アブドゥルラフマン・ワヒドとヌルホリス・マジッド――リベラルなイスラームの2つの道
第59章 ドモカオ・アロントとサラマト・ハシム――フィリピンのムスリム知識人
第60章 リイス・マルクスとザイナ・アンワール――インドネシアとマレーシアにおけるイスラミック・フェミニズムの発展
Ⅷ 東南アジアのムスリムと日本
第61章 歴史の中の日本と東南アジアのイスラーム――戦前・戦中の日本の関与
第62章 日本の文化外交における東南アジアのムスリム――共感と相互理解の醸成
第63章 東南アジアのムスリムツーリスト――旅行先としての日本
第64章 日本に暮らす東南アジアのムスリム――コミュニティの形成と進む多層化
【コラム6】ムスリムの人々との出会い――日本のインドネシア人留学生を通して
著者略歴
久志本 裕子(クシモト ヒロコ kushimoto hiroko)
上智大学総合グローバル学部准教授。東京外国語大学大学院地域研究専攻科修了。博士(学術)。専門分野:地域研究(マレーシア)、文化人類学、比較教育学。主な関心はマレーシアおよび周辺地域におけるイスラームの学びと教育の変化、多文化・宗教の共生。1999年にマレーシアに留学してからマレーシアの研究をはじめ、2005年から2019年にかけて約10年マレーシアに滞在し調査を行う。マレーシア国際イスラーム大学勤務を経て2019年から現職。
【主な著作】
『イスラーム文化事典』(編集委員、丸善出版、2022年)、「マレー・ムスリムの女子教育はなぜ必要とされたのか――20世紀初頭から1960年代までのマラヤにおける女子教育観の錯綜」(長澤栄治 監修、服部美奈・小林寧子 編著『イスラーム・ジェンダー・シリーズ3 教育とエンパワーメント』明石書店、2020年)、『変容するイスラームの学びの文化――マレーシア・ムスリム社会と近代学校教育』(ナカニシヤ出版、2014年)。
野中 葉(ノナカ ヨウ nonaka you)
慶應義塾大学総合政策学部准教授。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科後期博士課程修了。博士(政策・メディア)。専門分野:地域研究(インドネシア)。主な関心は同地域における人々のイスラームの受容や実践とその広がり。高校時代にスラウェシ島マカッサル(当時の名称はウジュンパンダン)に1年間留学して以来、インドネシアの魅力に取りつかれ、大学院在学中(2004年~)から現在に至るまで、頻繁に現地を訪れ調査を実施。最近は日本のムスリムの宗教実践や共生社会にも関心を持つ。
【主な著作】
「宗教と衣服」(蘆田裕史・藤嶋陽子・宮脇千絵 編『クリティカル・ワード ファッションスタディーズ:私と社会と衣服の関係』フィルムアート社、2022年)、「インドネシアのムスリマ活動家たちの結集――世界的に稀な女性ウラマー会議開催」(長澤栄治 監修、鷹木恵子 編『イスラーム・ジェンダー・シリーズ2 越境する社会運動』明石書店、2020年)、「信じること・装うこと――インドネシア人女性たちのヴェールと服装」(『コンタクト・ゾーン』9、2017年)、『インドネシアのムスリムファッション――なぜイスラームの女性たちのヴェールはカラフルになったのか』(福村出版、2015年)。
タイトルヨミ
カナ:トウナンアジアノイスラームヲシルタメノロクジュウヨンショウ
ローマ字:tounanajianoisuraamuoshirutamenorokujuuyonshou
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