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2018年4月18日発売

北大路書房

出版社名ヨミ:キタオオジショボウ

中学生の数学嫌いは本当なのか

証拠に基づく教育のススメ
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内容紹介
日本の中学生の4割以上は「数学嫌い」であるというアンケート調査の結果は,本当に「科学的」であると言えるのか? 本書では,「潜在連想」という視点から実証的に生徒のホンネへと迫り,「偽装○○嫌い」の検出と救出を試みる。中学校教諭と教育心理学者による「教育の科学化」への挑戦。集団式簡易潜在連想テストの実施マニュアル付き。

◆主な目次
はじめに
第1章 証拠に基づく教育の必要性
第2章 国際調査での日本の子どもたちの成績
第3章 アンケート調査の問題点
第4章 潜在連想構造を探る新しい検査法:こころのX線検査
第5章 学校教育現場で使える集団式潜在連想テストの開発
第6章 「偽装数学嫌い」生徒の検出
第7章 「偽装数学嫌い」生徒の救出
第8章 「こころのX線検査」のその他の活用例
第9章 教育の科学的研究の重要性:まとめに代えて
付 章 FUMIEテスト実施マニュアル
おわりに
目次
はじめに

第1章 証拠に基づく教育の必要性
1.教育は間違った印象に左右されやすい
2.証拠に基づく教育
3.何が証拠なのか
 1)調査結果は証拠にならない
 2)因果関係の証拠はランダム化比較対照実験でしか得られない
 3)ランダム化比較対照実験だというだけでは証拠不十分
4.この本で述べたいこと
                           
第2章 国際調査での日本の子どもたちの成績
1.国際学力調査
2.PISA調査
 1)「ゆとり教育」とPISAショック
 2)幻だったPISAショック
3.TIMSS調査
 1)TIMSS調査に現れた日本の子どもの特徴
 2)「成績が良くて好き」から「成績が良いのに嫌い」になる
4.日本の子どもは嘘をついているのではないか

第3章 アンケート調査の問題点
1.学校で多用されるアンケート調査
2.アンケート調査の問題点:回答者が嘘をつく
 1)嘘を見破る工夫
 2)嘘をつかせない工夫
 3)善意の嘘
3.アンケート調査の問題点:意識と無意識
 1)フロイトの無意識とヘルムホルツの無意識
 2)ロールシャッハテストの限界
4.国際学力調査のアンケート結果も正しいとは限らない

第4章 潜在連想構造を探る新しい検査法:こころのX線検査
1.潜在意識の科学的研究:プライミング効果
2.知識ネットワークモデルと潜在的認知プロセス
3.潜在的社会的態度測定のための潜在連想テストの開発
 1)潜在的プロセスを反応時間で探る
 2)反応時間の差に表れる潜在連想構造
4.潜在連想テストの活用の広がりと発展
 1)プロジェクト・インプリシット
 2)単一の測定対象のための潜在連想テスト

第5章 学校教育現場で使える集団式潜在連想テストの開発
1.学校では潜在連想テストは使えない
2.紙版の潜在連想テストというアイディア
3.集団式簡易潜在連想テスト「FUMIEテスト」の開発
 1)キー押し反応の代わりに○×をつける
 2)「速さ」を1分間の作業量で測る
 3)ターゲット分類課題の廃止
 4)評価語の選択と単語の提示順序の決定
 5)作成されたFUMIEテストの信頼性と妥当性を測る
 6)より良いものにするため改良を重ねる

第6章 「偽装数学嫌い」生徒の検出
1.学校での「研究」とは
2.FUMIEテストを用いた「偽装数学嫌い」生徒の検出
 1)なぜ日本の中学生は数学を嫌うのか
 2)中学生のホンネを探る
3.なぜ「数学嫌い」を偽装するのだろうか

第7章 「偽装数学嫌い」生徒の救出
1.やらなければ負けない
2.「偽装数学嫌い」生徒の戦略
 1)数学と性差のステレオタイプとその真偽
 2)不安と自信と自己暗示
 3)間違った自己暗示の修正
3.「偽装を見破ること」の効果の科学的検証:ランダム化比較対照実験
 1)「偽装数学嫌い」生徒の検出と2分割
 2)「偽装数学嫌い」生徒の半分への潜在意識調査結果のフィードバック
 3)効果の検証
4.この研究から得られた「証拠」
 1)嘘の情報では効果が見られない
 2)より確かな「証拠」とするために

第8章 「こころのX線検査」のその他の活用例
1.世界から取り残される日本の教育研究者たち
2.「こころのX線検査」の活用例
 1)中学生の教科嫌いと潜在意識の乖離
 2)中学生の集団登山前後での「登山」に対する潜在意識の変化
 3)障害者に対する潜在的態度測定
 4)外国人に対する潜在的態度測定
3.その他の「こころのX線検査」の活用の可能性
 1)「学校」に対して否定的な潜在イメージを持つ生徒への予防対策
 2)不登校児童生徒の「学校」に対する潜在イメージの変化
 3)「ひらめき☆ときめきサイエンス」の効果の科学的検証
 4)中学生の潜在的な価値観:中学生にとって一番「良いイメージのもの」
4.「こころのX線検査」という新しいツール

第9章 教育の科学的研究の重要性:まとめに代えて
1.教育の科学化
2.ランダム化も比較対照も科学の常識
 1)比較対照条件の重要性
 2)ランダム化が必要な人文社会科学系の実験
3.実験を120年以上前に導入した心理学
4.「教育の科学化」と実験教育学・教育心理学
5.教育心理学の停滞と復権
6.学校におけるランダム化比較対照実験の重要性の理解と協力

付 章 FUMIEテスト実施マニュアル

おわりに

文献
索引
著者略歴
内田 昭利(ウチダ アキトシ uchida akitoshi)
内田昭利(うちだ・あきとし) 2017年 博士(文学)北海道大学大学院文学研究科論文博士 現在 長野市立犀陵中学校教諭 《主著・論文》  内田昭利・守一雄 (2015).潜在連想テストによる「偽装数学嫌い」中学生の検出と対策 数学教育学論究, 97臨時増刊, 33-40. Uchida, A., & Mori, K. (2017). Detection and treatment of fake math-dislikes among Japanese junior high school students. International Journal of Science and Mathematics Education, 15, (Published Online).
守 一雄(モリ カズオ mori kazuo)
守 一雄(もり・かずお) 2007-2017年 東京農工大学大学院工学研究院教授 現在 松本大学教育学部教授 《主著・論文》 やさしいPDPモデルの話 新曜社1996年 コネクショニストモデルと心理学(共編著) 北大路書房2001年 Mori, K. & Arai, M. (2010). No need to fake it: Reproduction of the Asch experiment without using confederates. International Journal of Psychology, 45, 390-397.
タイトルヨミ
カナ:チュウガクセイノスウガクギライハホントウナノカ
ローマ字:chuugakuseinosuugakugiraihahontounanoka

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