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2019年12月25日発売

青弓社

出版社名ヨミ:セイキュウシャ

価値生理学序論

坂口安吾、太宰治、亀井勝一郎を読み解くことから
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内容紹介
似た境遇で同時期に活躍した著述家3人の作品から他者との関わり方とその結果生じるストレスの耐性の差異を読み解いて、人には生理的に規定される価値観があることを推論する。さらにカントや村上春樹をも対象にして時代を超えた価値観の3類型を提示する。
目次
はじめに

第1部 坂口安吾と太宰治と亀井勝一郎

第1章 青少年期までの亀井勝一郎と坂口安吾
 1 亀井勝一郎の軌跡
 2 青少年期までの軌跡から推定される亀井勝一郎の特性
 3 坂口安吾の軌跡
 4 青少年期までの軌跡からわかる安吾の諸特性

第2章 青少年期までの二人の軌跡からの「対人ストレス耐性」の導入
 1 「対人ストレス耐性」の導入
 2 「対システムストレス耐性」の導入
 3 対人ストレス耐性から推定される人生の軌跡

第3章 対人ストレス耐性大である亀井
 1 亀井が対人ストレス耐性大と推定されること――主に二十代前半までの軌跡から 
 2 亀井の青年期以降の対人ストレス耐性大としての軌跡
 3 対人ストレス耐性大である亀井勝一郎

第4章 対人ストレス耐性小か無である安吾
 1 安吾は対人ストレス耐性小か無と推定――主に二十代前半までの軌跡から
 2 青年期以降の安吾の軌跡――対人ストレス耐性小か無の軌跡
 3 安吾の理念性――対人ストレス耐性小か無の無理念性あるいは弱小理念と強大理念否定
 4 安吾のアナーキスト性――対人ストレス耐性小か無
 5 安吾の現実主義(反理想主義)――対人ストレス耐性小か無
 6 安吾の社会運動性小か無――対人ストレス耐性小か無
 7 安吾の信仰性小か無、祈り親和性小か無
 8 安吾の歴史・伝統・文化意識小か無、死後の名誉・業績評価小か無――対人ストレス耐性小か無
 9 安吾は対人ストレス耐性小か無

第5章 太宰の生い立ちと青春期まで――対人ストレス耐性中と推定
 1 対人ストレス耐性中――太宰の登場
 2 太宰の幼少期からの成長体験
 3 太宰の青年期までの軌跡
 4 大理念(「大きな物語」)であるマルクス主義への太宰の反応
 5 青年期までの外形的・内面的軌跡から、太宰は「対人ストレス耐性中」と推定

第6章 「対人ストレス耐性中」についての一般論
 1 対人ストレス耐性中に適合的な「他存在を信じる強度中」である「信頼」「信義」
 2 対人ストレス耐性中が準拠する「中集団」
 3 対人ストレス耐性中の「中理念」
 4 「対人ストレス中」と「対人ストレス耐性中」
 5 対人ストレス耐性中での罪責性認識大、罪責性認定中、罪責性意識中
 6 対人ストレス耐性中での信仰性中、祈り親和性中
 7 対人ストレス耐性中での連帯性中、社会運動性中
 8 対人ストレス耐性中での歴史・伝統・文化意識中、死後の名誉・業績評価中
 9 対人ストレス耐性中の特徴のまとめ

第7章 青年期以降の太宰の軌跡――対人ストレス耐性中
 1 大理念(「大きな物語」)・大東亜共栄圏思想への反応――中理念、中集団側性、連帯性中
 2 太宰は中集団側――対人ストレス耐性中
 3 太宰の「他存在を信じる強度中」である「信頼」「信義」そして「友情」「同情」「人情」の重要視――対人ストレス耐性中
 4 太宰の中理念性――「準強理念性」「中間原理」、「相反価値止揚理念性」と「折衷主義」:対人ストレス耐性中
 5 太宰の罪責性認識大、罪責性認定中、罪責性意識中と、「人間(対人ストレス耐性中)失格」
 6 太宰の信仰性中と祈り親和性中
 7 太宰は連帯性中、社会運動性中
 8 太宰の歴史・伝統・文化意識中、死後の名誉・業績評価中
 9 対人ストレス耐性中である太宰のまとめ

第8章 亀井、太宰、安吾の相互批評――対人ストレス耐性大/中/小か無の相互批評
 1 相互批評の生理
 2 太宰と亀井の相互批評
 3 太宰と安吾の相互批評
 4 亀井と安吾の直接的ではない相互批評
 5 対人ストレス耐性大/中/小か無からの相互批評のまとめ

第2部 世界へそして現代へ

第1章 「価値生理学」序論――「対人ストレス耐性三類型論」がもつ意義
 1 「対人ストレス耐性三類型論」とは
 2 「対人ストレス耐性三類型論」の意義

第2章 「対人ストレス耐性三類型論」の応用――日本近現代文学
 1 対人ストレス耐性大だろう夏目漱石
 2 対人ストレス耐性小か無だろう遠藤周作
 3 対人ストレス耐性大だろう大江健三郎
 4 対人ストレス耐性小か無だろう村上春樹

第3章 「対人ストレス耐性三類型論」の応用――世界の哲学、思想
 1 対人ストレス耐性大だろうカント
 2 対人ストレス耐性中だろうヘーゲル
 3 対人ストレス耐性小か無だろうニーチェ
 4 対人ストレス耐性によって規定される哲学内容
 5 対人ストレス耐性大だろうマルクス

第4章 「対人ストレス耐性三類型論」の応用――現代日本の哲学、思想
 1 対人ストレス耐性小か無だろう中島義道
 2 対人ストレス耐性中だろう小林よしのり
 3 対人ストレス耐性小か無だろう古市憲寿

第5章 「価値生理学」序論――「対人ストレス耐性三類型論」のまとめ
 1 第1部のまとめ――対人ストレス耐性大の亀井勝一郎、対人ストレス耐性中の太宰治、そして対人ストレス耐性小か無の坂口安吾
 2 第2部のまとめ

あとがき
著者略歴
田中 健滋(タナカ ケンジ tanaka kenji)
1953年、北海道生まれ。精神科医、前電気通信大学教授。専攻は精神医学。著書に『日本人の利益獲得方法』(新曜社)、『統合的分裂病病態論――精神病理学と生物学的精神医学の統合的理解』(創造出版)、共著に『大学生のための「健康」論――健康・運動・スポーツの基礎知識』(道和書院)、『分裂病症状をめぐって』(星和書店)、『第5回読売論壇新人賞入選論文集‘99』(読売新聞社)など。
タイトルヨミ
カナ:カチセイリガクジョロン
ローマ字:kachiseirigakujoron

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