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定価:10,780円(9,800円+税)
判型:A5変形
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内容紹介
◆主体的な「知」の構築と他者の痛みへの共感◆
「知の民主化はいかに可能か」という問題意識に基づき、第二次世界大戦後の「人権の国際的保障」の発展のダイナミズムを、国際社会(第Ⅰ部)、フランス・カナダ(第Ⅱ部)、日本(第Ⅲ部)という3つのレベルで検討。相互対話を通じて「知」を繰り上げ、すべての人の「結ぶ幸せ」を実現する、共生社会建設を目指す。第Ⅳ部には書評8編も収録。
「知の民主化はいかに可能か」という問題意識に基づき、第二次世界大戦後の「人権の国際的保障」の発展のダイナミズムを、国際社会(第Ⅰ部)、フランス・カナダ(第Ⅱ部)、日本(第Ⅲ部)という3つのレベルで検討。相互対話を通じて「知」を繰り上げ、すべての人の「結ぶ幸せ」を実現する、共生社会建設を目指す。第Ⅳ部には書評8編も収録。
目次
『人権法・人権政策のダイナミズム』(学術選書)
窪 誠(大阪産業大学経済学部教授)著
【目 次】
・まえがき
◆第1部 国際社会におけるダイナミズム
◇1 国際人権法のパラダイムチェンジ
はじめに
1 近代的パラダイム―支配者の支配者による支配者のための人権
2 パラダイムチェンジの論理的必然性
3 社会連帯パラダイム―個人支配者の人権から社会連帯の人権へ
おわりに―意思決定手段と救済手段の多元化
◇2 国際的人権保障の推進
1 人権政策学の必要性
2 出発点:「結ぶ幸せ」と「切る幸せ」
3 「共生社会建設型人権政策」と「支配者裁量型人権政策」
4 国際的人権保障における判断決定者と被判断決定者の分離
5 分離解消の曙光
おわりに
◇3 ヨーロッパ社会憲章の発展とその現代的意義
はじめに
1 ヨーロッパ社会憲章の発展
2 ヨーロッパ社会憲章の現代的意義
おわりに
◇4 マイノリティの文化的権利
はじめに
1 同化主義の中のマイノリティ
2 同化主義の放棄と当事者判断の尊重
3 新たな文化的権利の展開
おわりに
◇5 国際人権から見たアジアのマイノリティ
はじめに:マイノリティの存在と認識
1 『アジアにおけるマイノリティ権』
2 国連におけるマイノリティ
3 マイノリティ保護の歴史
4 マイノリティ保護の発展
5 無視されたマイノリティ
おわりに:国際人権という知の脱植民地化
◇6 判例紹介:ロマの健康への権利―欧州ロマ権利センター対ブルガリア事件
1 事 実
2 決定要旨
3 解 説
◇7 人権政策としての移民政策―国際人権法における外国人の人権
1 はじめに
2 国家人権から普遍的人権へ
3 外国人の形式的人間化
4 外国人の実質的人間化
5 おわりに
◇8 「諸言語のための共通ヨーロッパ基準枠組(CEFR)」と移民規制
1 問題の所在
2 CEFRに依拠した移民規制の現実
3 CEFRの想定する目的
4 CEFRが想定する評価
◇9 国際人権の光と闇―普遍性論議を超えて
はじめに
1 普遍性論議の問題設定の誤り
2 普遍性論議の論理
3 普遍性論議の成立条件
4 人権普遍性論議の弊害
5 普遍性論議を超えて
◇10 人権の普遍的発展を阻害する「人権の普遍性」論議
はじめに
1 「人権の普遍性」論議の分類
2 「人権の普遍性」論議の機能
3 「人権の普遍性」論議の背景
おわりに
◇11 国連「法の支配」プログラム―ある知のあり方
はじめに
1 「法の支配」プログラムの非論理性と非一貫性
2 国家建設プログラムとしての「法の支配」
3 新自由主義の道具としての「法の支配」
4 「法の支配」プログラムの論理的進展
おわりに
◇12 国連と「市民社会」
はじめに
1 1992年国連事務総長年次報告書
2 1995年 コペンハーゲン社会開発宣言および行動計画
3 2004年カルドーゾ報告書
おわりに
◆第2部 フランス・カナダにおけるダイナミズム
◇13 フランスの国家人権諮問委員会と共和国行政斡旋官―行政がイニシアチブをとる国内人権機関
はじめに
1 国家人権諮問委員会
2 フランス共和国行政斡旋官
結 び
◇14 フランス差別禁止政策の新展開―「反差別闘争および平等のための高等機関」を中心に
はじめに
1 差別禁止の法的枠組み
2 錯綜した差別禁止政策
おわりに
◇15 フランスの差別禁止法制から学ぶもの
はじめに
1 国は主人公である国民が人権を守るためにある。
2 差別は社会正義の問題であり犯罪である。
3 差別は社会正義の問題であるからこそ,国内問題に止まらず 国際問題である。
4 差別は,個人行為の問題から,社会状況の問題へ
5 平等から衡平へ
6 差別被害者は効果的に救済されねばならない
7 国内人権機関の重要な役割:立法・実施・制度改善のサイクル
8 日本の現状と課題
おわりに
◇16 共生社会型人権ビジョンのありかた―カナダ構造的差別アプローチから学ぶこと
はじめに
1 アベラ報告書に見る共生社会型人権ビジョン
2 カナダ最高裁判例に見る救済概念の相対化
3 市民活動が活用する「構造的差別」概念
おわりに
◆第3部 日本におけるダイナミズム
◇17 なぜ,日本国憲法「公共の福祉」概念が,国連人権機関で問題とされるのか?
はじめに
1 規約人権委員会が指摘する「公共の福祉」概念の問題
2 「公共の福祉」概念についての日本政府による説明
3 「公共の福祉」に関する日本政府の対応の原因
おわりに
◇18 国際法学からの問題提起と憲法学からの応答
1 窪誠:誰のための何のための憲法学なのか
2 紙谷雅子(学習院大学教授) 市民のための憲法学とは
◇19 新たな人権理念の構築にむけて
はじめに
1 国家裁量型人権ビジョンと反差別運動
2 反差別運動の成果と問題点
3 今後の方向性:新しい社会建設のための人権へ
4 何ができるか
おわりに
◇20 震災と人権
はじめに
1 災害対応の三段階
2 今回の震災における対応の問題点―情報共有の欠落
3 横の「とも」と縦の「共」
4 人権より上の「公共の福祉」
5 政府にとっての人権―「思いやり」
6 欧米の公と日本の公
7 諸外国の法制度および国際条約における「知る権利」
8 国際貢献と国際管理
おわりに―私たちの目指す社会
◇21 判例紹介 マイノリティの教育権
1 事実の概要
2 判 旨
3 解 説
◇22 外国人に対する差別禁止法制
はじめに―外国人に対する差別禁止法制の国際的進展と日本の遅れ
1 国家による人権侵害被害者としての外国人
2 社会的差別被害者であるマイノリティとしての外国人
3 日本の人権は,個人の権利ではなく,国家の裁量権限
おわりに―国家裁量型人権概念から,共生社会建設型人権概念へ
◇23 日本に作られようとする人権救済機関とは?
はじめに
1 人権委員会設置の経緯―人権施策の3重の矮小化
2 新たな委員会とは―現行人権擁護委員制度の改編
3 新たな委員会の理念的側面―「救済」=「行政による規制」
おわりに
◇24 人権擁護法をめぐる政治的・社会的状況
はじめに
1 有事法制整備状況
2 有事法制補完のための法整備状況
3 司法制度改革の状況
おわりに
◇25 見える戦争と見えない戦争
はじめに
1 人権のための戦争
2 「戦争はいかがわしい商売だ」
3 見えない戦争理論としての新自由主義経済学
4 ショック・ドクトリン
5 世界で起こっていること
6 日本で起こっていること
おわりに
◆第4部 書 評
◇26 国際人権NGOネットワーク編『ウォッチ!規約人権委員会―どこがずれてる?人権の国際基準と日本の現状―』
◇27 タル・タマリ『西アフリカのカースト 同族結婚の職人と楽人』
1 学際的研究の成果
2 西アフリカの伝統社会
3 近代化による変化
4 カーストの起源
5 今後の課題
◇28 金東勲『国際人権法とマイノリティの地位』
◇29 「現代的人権」に基づく「もうひとつの世界」建設―阿部浩己『抗う思想/平和を創る力』
◇30 知の暴力をいかに乗り越えるか―阿部浩己『国際法の暴力を超えて』
フオーマットされた知
国際法の暴力性と排除された者たちの招喚
国際法と制度の「自然化」
新たな知の可能性
◇31 岡本雅享『民族の創出―まつろわぬ人々,隠された多様性』
◇32 漫画『ギャングース』
◇33 「科学研究」の名で正当化されてきた差別―科学は当事者の存在に敬意を払い,彼らの声を聴け―金子マーティン『ロマ民族の起源と言語―インド起源否定論批判』
---
・あとがき
・初出一覧
・索 引
窪 誠(大阪産業大学経済学部教授)著
【目 次】
・まえがき
◆第1部 国際社会におけるダイナミズム
◇1 国際人権法のパラダイムチェンジ
はじめに
1 近代的パラダイム―支配者の支配者による支配者のための人権
2 パラダイムチェンジの論理的必然性
3 社会連帯パラダイム―個人支配者の人権から社会連帯の人権へ
おわりに―意思決定手段と救済手段の多元化
◇2 国際的人権保障の推進
1 人権政策学の必要性
2 出発点:「結ぶ幸せ」と「切る幸せ」
3 「共生社会建設型人権政策」と「支配者裁量型人権政策」
4 国際的人権保障における判断決定者と被判断決定者の分離
5 分離解消の曙光
おわりに
◇3 ヨーロッパ社会憲章の発展とその現代的意義
はじめに
1 ヨーロッパ社会憲章の発展
2 ヨーロッパ社会憲章の現代的意義
おわりに
◇4 マイノリティの文化的権利
はじめに
1 同化主義の中のマイノリティ
2 同化主義の放棄と当事者判断の尊重
3 新たな文化的権利の展開
おわりに
◇5 国際人権から見たアジアのマイノリティ
はじめに:マイノリティの存在と認識
1 『アジアにおけるマイノリティ権』
2 国連におけるマイノリティ
3 マイノリティ保護の歴史
4 マイノリティ保護の発展
5 無視されたマイノリティ
おわりに:国際人権という知の脱植民地化
◇6 判例紹介:ロマの健康への権利―欧州ロマ権利センター対ブルガリア事件
1 事 実
2 決定要旨
3 解 説
◇7 人権政策としての移民政策―国際人権法における外国人の人権
1 はじめに
2 国家人権から普遍的人権へ
3 外国人の形式的人間化
4 外国人の実質的人間化
5 おわりに
◇8 「諸言語のための共通ヨーロッパ基準枠組(CEFR)」と移民規制
1 問題の所在
2 CEFRに依拠した移民規制の現実
3 CEFRの想定する目的
4 CEFRが想定する評価
◇9 国際人権の光と闇―普遍性論議を超えて
はじめに
1 普遍性論議の問題設定の誤り
2 普遍性論議の論理
3 普遍性論議の成立条件
4 人権普遍性論議の弊害
5 普遍性論議を超えて
◇10 人権の普遍的発展を阻害する「人権の普遍性」論議
はじめに
1 「人権の普遍性」論議の分類
2 「人権の普遍性」論議の機能
3 「人権の普遍性」論議の背景
おわりに
◇11 国連「法の支配」プログラム―ある知のあり方
はじめに
1 「法の支配」プログラムの非論理性と非一貫性
2 国家建設プログラムとしての「法の支配」
3 新自由主義の道具としての「法の支配」
4 「法の支配」プログラムの論理的進展
おわりに
◇12 国連と「市民社会」
はじめに
1 1992年国連事務総長年次報告書
2 1995年 コペンハーゲン社会開発宣言および行動計画
3 2004年カルドーゾ報告書
おわりに
◆第2部 フランス・カナダにおけるダイナミズム
◇13 フランスの国家人権諮問委員会と共和国行政斡旋官―行政がイニシアチブをとる国内人権機関
はじめに
1 国家人権諮問委員会
2 フランス共和国行政斡旋官
結 び
◇14 フランス差別禁止政策の新展開―「反差別闘争および平等のための高等機関」を中心に
はじめに
1 差別禁止の法的枠組み
2 錯綜した差別禁止政策
おわりに
◇15 フランスの差別禁止法制から学ぶもの
はじめに
1 国は主人公である国民が人権を守るためにある。
2 差別は社会正義の問題であり犯罪である。
3 差別は社会正義の問題であるからこそ,国内問題に止まらず 国際問題である。
4 差別は,個人行為の問題から,社会状況の問題へ
5 平等から衡平へ
6 差別被害者は効果的に救済されねばならない
7 国内人権機関の重要な役割:立法・実施・制度改善のサイクル
8 日本の現状と課題
おわりに
◇16 共生社会型人権ビジョンのありかた―カナダ構造的差別アプローチから学ぶこと
はじめに
1 アベラ報告書に見る共生社会型人権ビジョン
2 カナダ最高裁判例に見る救済概念の相対化
3 市民活動が活用する「構造的差別」概念
おわりに
◆第3部 日本におけるダイナミズム
◇17 なぜ,日本国憲法「公共の福祉」概念が,国連人権機関で問題とされるのか?
はじめに
1 規約人権委員会が指摘する「公共の福祉」概念の問題
2 「公共の福祉」概念についての日本政府による説明
3 「公共の福祉」に関する日本政府の対応の原因
おわりに
◇18 国際法学からの問題提起と憲法学からの応答
1 窪誠:誰のための何のための憲法学なのか
2 紙谷雅子(学習院大学教授) 市民のための憲法学とは
◇19 新たな人権理念の構築にむけて
はじめに
1 国家裁量型人権ビジョンと反差別運動
2 反差別運動の成果と問題点
3 今後の方向性:新しい社会建設のための人権へ
4 何ができるか
おわりに
◇20 震災と人権
はじめに
1 災害対応の三段階
2 今回の震災における対応の問題点―情報共有の欠落
3 横の「とも」と縦の「共」
4 人権より上の「公共の福祉」
5 政府にとっての人権―「思いやり」
6 欧米の公と日本の公
7 諸外国の法制度および国際条約における「知る権利」
8 国際貢献と国際管理
おわりに―私たちの目指す社会
◇21 判例紹介 マイノリティの教育権
1 事実の概要
2 判 旨
3 解 説
◇22 外国人に対する差別禁止法制
はじめに―外国人に対する差別禁止法制の国際的進展と日本の遅れ
1 国家による人権侵害被害者としての外国人
2 社会的差別被害者であるマイノリティとしての外国人
3 日本の人権は,個人の権利ではなく,国家の裁量権限
おわりに―国家裁量型人権概念から,共生社会建設型人権概念へ
◇23 日本に作られようとする人権救済機関とは?
はじめに
1 人権委員会設置の経緯―人権施策の3重の矮小化
2 新たな委員会とは―現行人権擁護委員制度の改編
3 新たな委員会の理念的側面―「救済」=「行政による規制」
おわりに
◇24 人権擁護法をめぐる政治的・社会的状況
はじめに
1 有事法制整備状況
2 有事法制補完のための法整備状況
3 司法制度改革の状況
おわりに
◇25 見える戦争と見えない戦争
はじめに
1 人権のための戦争
2 「戦争はいかがわしい商売だ」
3 見えない戦争理論としての新自由主義経済学
4 ショック・ドクトリン
5 世界で起こっていること
6 日本で起こっていること
おわりに
◆第4部 書 評
◇26 国際人権NGOネットワーク編『ウォッチ!規約人権委員会―どこがずれてる?人権の国際基準と日本の現状―』
◇27 タル・タマリ『西アフリカのカースト 同族結婚の職人と楽人』
1 学際的研究の成果
2 西アフリカの伝統社会
3 近代化による変化
4 カーストの起源
5 今後の課題
◇28 金東勲『国際人権法とマイノリティの地位』
◇29 「現代的人権」に基づく「もうひとつの世界」建設―阿部浩己『抗う思想/平和を創る力』
◇30 知の暴力をいかに乗り越えるか―阿部浩己『国際法の暴力を超えて』
フオーマットされた知
国際法の暴力性と排除された者たちの招喚
国際法と制度の「自然化」
新たな知の可能性
◇31 岡本雅享『民族の創出―まつろわぬ人々,隠された多様性』
◇32 漫画『ギャングース』
◇33 「科学研究」の名で正当化されてきた差別―科学は当事者の存在に敬意を払い,彼らの声を聴け―金子マーティン『ロマ民族の起源と言語―インド起源否定論批判』
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・あとがき
・初出一覧
・索 引
著者略歴
窪 誠(クボ マコト kubo makoto)
大阪産業大学経済学部教授
タイトルヨミ
カナ:ジンケンホウ ジンケンセイサクノダイナミズム
ローマ字:jinkenhou jinkenseisakunodainamizumu
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