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2023年4月4日発売

ジアース教育新社

出版社名ヨミ:ジアースキョウイクシンシャ

包摂の学級経営

若手教師は現場で主体的に育っていく
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内容紹介
若手教師は現場で成長する――
 長年教師を務めた著者が、公立小学校の教職経験4~10年の若手教師の学級に密着し、アクションリサーチの手法を用いて、教師がどのように学級経営を改善していき、どのような成長を遂げていくか、その過程を実証した一冊。
 学級の観察や教師たちへのインタビューなどを通して、現場の「声」をていねいに掬い、教師が児童間の関係を理解することによって「包摂の学級経営」が可能になることを明らかにした。著者が4年という歳月をかけて追究したことの足跡は、研究者のみならず教師にとっても貴重なものである。
目次
はじめに

第Ⅰ部 「包摂の学級経営」とは何か
第1章 なぜ「若手教師の包摂の学級経営」なのか
1.本書の目的と背景
(1)本書の目的
(2)小学校教師の職能発達における学級経営実践の重要性
(3)問題の所在
2.小学校若手教師の職能発達に着目した先行研究
(1)小学校教師の職能発達に関する研究の動向と課題
(2)教職経験・年齢の違いに着目した研究の動向と課題
(3)「若手」という時期に着目した研究の動向と課題
3.本書の課題と構成
4.分析枠組み
5.基本概念の整理
(1)学級経営
(2)学級経営観
(3)若手教師
(4)職能発達
(5)教師による児童間関係理解
6.本書が目指す「包摂の学級経営」
(1)「包摂(インクルージョン)」とは何か
(2)「包摂の学級経営」とは何か

第2章 「包摂の学級経営」へのアクションリサーチ(action research)によるアプローチ
1.教師の語りに着目する意義
(1)事例研究(case study)を選択する理由
(2)若手教師の語りに着目するする理由
2.アクションリサーチ(action research)の有効性
(1)アクションリサーチとは何か
(2)本研究におけるアクションリサーチの意義
(3)アクションリサーチに臨む筆者の立ち位置
(4)アクションリサーチにおける「改善協議」の捉え方
3.調査の概要
(1)フィールドワークの概要
(2)参与観察
(3)インタビュー調査
(4)アンケート調査
(5)研究の手続き

第Ⅱ部 アクションリサーチを通した学級経営改善過程―管理主義(教師主導)から包摂(子ども主体)へ
第3章 強い教師主導から子ども主体への学級経営改善―ナカニシ先生の事例
1.改善前―「目立つ子」中心の強い教師主導だった学級経営の実態と課題
(1)児童の実態―新しいクラス集団を肯定的に受け止める児童と不安感を抱える児童
(2)学級経営方針―目立つ児童に強い影響を受ける教師主導の学級経営
2.改善の第1段階―「教師による児童間関係理解」の観点の導入
(1)年度当初の学級経営の課題―引き出しが少ないから改善のビジョンが描けない
(2)教師はどのように「教師による児童間関係理解」の観点を取り入れていったのか
3.改善の第2段階―「教師による児童間関係理解」に基づく実践
(1)事例1―逸脱行動を繰り返す目立つ児童タダシに向き合う
(2)事例2―クラスのリーダー的存在の目立つ児童ミツオに向き合う
(3)事例3―目立たない児童ユウヤを疎外するミキに向き合う
(4)事例4―児童間の根深い課題の改善に繋がる学級会の取り組み
(5)事例5―発達障がいのあるショウタに向き合う
4.改善方策の成果と課題―教師主導から子ども主体への学級経営改善
(1)教師が捉える学級経営の変化―学級理解の視野の広がり
(2)児童が捉える学級経営の変化―クラスの児童全員が学級を楽しいと認識
(3)「教師による児童間関係理解」の効果―意識的にすべての子どもに向き合う学級経営へ

第4章 「学級の危機」を乗り越えすべての子どもに向き合う学級経営改善
     ―カワモト先生の事例
1.改善前―いきなり「学級の危機」を迎えた学級経営の実態と課題
(1)学級経営方針―目立つ児童に強い影響を受ける教師主導の学級経営
(2)児童の実態―逸脱行動を繰り返す目立つ児童と巻き込まれる他の児童
2.改善の第1段階―「教師による児童間関係理解」の観点の導入
(1)年度当初の学級経営の課題―対症療法に終始し改善のビジョンが描けない
(2)教師はどのように「教師による児童間関係理解」の観点を取り入れていったのか
3.改善の第2段階―「教師による児童間関係理解」に基づく実践
(1)事例1―4月の「学級の危機」に向き合う
(2)事例2―学力不振のヨシオに向き合う
(3)事例3―共に目立たない児童ユリとアキラの関係性改善に向き合う
(4)事例4―良好な人間関係の育成に繋がるソーシャルスキル学習の取り組み
4.改善方策の成果と課題―教師主導から子ども主体への学級経営改善
(1)教師が捉える学級経営の変化―学級理解の視野の広がり
(2)児童が捉える学級経営の変化―クラスの半数以上の児童が学級を楽しいと認識
(3)「教師による児童間関係理解」の効果―意識的にすべての子どもに向き合う学級経営へ
5.小括―管理主義(教師主導)から包摂(子ども主体)への学級経営改善を促したアクションリサーチ
(1)学級理解の問い直しと広がり
(2)児童同士の良好な関係性の育成
(3)ホリスティックな視点で捉える学級経営改善

第Ⅲ部 「包摂の学級経営」実現のための実践を通した若手教師の意識変容過程
第5章 管理主義の強い自律性志向から子ども主体と協働性重視へ―ナカニシ先生の事例
1.「教師による児童間関係理解」に基づく実践を通した子ども観・指導観の変容
(1)初期状態に見られた意識と行為の特徴―厳しい教師主導の指導観
(2)「児童間関係理解」に基づく実践と意識変容との関連
2.学級会実践を通した子ども観・学級観の変容
(1)学級会実践を通した意識変容過程
(2)学級会実践を通した意識変容過程の特徴
3.学年団教師との実践の協働化による協働性の重視
4.異動校(B校)における子ども主体の学級経営実践の継続
(1)B校における2年間の学級経営実践の特徴
(2)B校における2年間の意識変容過程の特徴
5.4年間にわたる意識変容過程―管理主義から自律性志向を維持した子ども主体と協働性重視の学級経営観へ

第6章 子どもの問題に目を閉ざしがちな強い他律性志向から子ども主体と協働性重視へ
    ―カワモト先生の事例
1.「教師による児童間関係理解」に基づく実践を通した指導観の変容
(1)初期状態に見られた意識と行為の特徴―子どもの問題に目を閉ざしがちな指導観
(2)「児童間関係理解」に基づく実践と意識変容との関連
2.学級会実践を通した子ども観・学級観の変容
(1)分析枠組み
(2)学級会実践を通した意識変容過程
(3)学級会実践を通した意識変容過程の特徴
3.学年団教師との実践の協働化による指導観・授業観の変容と協働性の重視
(1)初期状態における学年団教師との関係性と意識の様相
(2)学年団教師の影響による指導観・授業(教材)観の変容過程―5~6年生の2年間
4.異動校(C校)における子ども主体の学級経営実践の継続
(1)C校における2年間の学級経営実践の特徴
(2)C校における2年間の意識変容過程の特徴
5.4年間にわたる意識変容過程―子どもの問題に目を閉ざしがちな他律性志向から積極的に関わる子ども主体と協働性重視の学級経営観へ

結論部 「包摂の学級経営」の実現を目指す若手教師の職能発達
第7章 「包摂の学級経営」を目指す実践を通した若手教師の職能発達の特徴
1.子ども主体の学級経営実践を通して若手教師は主体的に育っていく
(1)学級経営実践を通した学級経営観の変容と職能発達との関連
(2)小学校若手教師(教職経験およそ4~10年)の職能発達の特徴と構造
2.若手教師間に形成された関係性の特徴―協働文化の特徴を有する関係性の構築
(1)5年生当初における学年団教師の硬直していた関係性(X年4月)
(2)アクションリサーチにおける学年団教師の協働性の萌芽(X年4月~7月)
(3)アクションリサーチ終了以降における学年団教師の主体的な協働性の形成(X年8月~X+1年3月)
(4)6年生にもち上がった学年団教師の主体的な協働性の確立(X+1年4月~X+2年3月)
3. 本書の成果と若手教師の職能発達への示唆
(1)本書の成果―若手教師の職能発達過程を捉える新たな視角
(2)「包摂の学級経営」の推進と若手教師の職能発達支援への示唆

補 章 「包摂の学級経営」の実現と若手教師の職能発達を促進した組織的要件
1. プロセスとしての「包摂の学級経営」を実現させた「チーム5年」の協働
(1)「チーム5年」の背景としてA校の組織力
(2)アクションリサーチにおける「チーム5年」(前半)の協働と
  「包摂の学級経営」との関連―子どもの隠れた排除に向き合う
(3)アクションリサーチ終了以降における「チーム5年」(後半)の協働と
  「包摂の学級経営」との関連―どの子も活躍できる教育活動の創造
2. プロセスとしての「包摂の学級経営」の実現と若手教師の職能発達を支えた校長のリーダーシップ
(1)アサダ校長のリーダーシップ(X年度)
(2)ヨシオカ校長のリーダーシップ(X+1年度~X+4年度)
(3)プロセスとしての「包摂の学級経営」の実現と若手教師の職能発達を支え促した組織的要件

参考文献一覧
著者略歴
中村 映子(ナカムラ エイコ nakamura eiko)
タイトルヨミ
カナ:ホウセツノガッキュウケイエイ
ローマ字:housetsunogakkyuukeiei

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