近刊検索 デルタ

2000年4月20日発売

京都大学学術出版会

出版社名ヨミ:キョウトダイガクガクジュツシュッパンカイ

ラオ人社会の宗教と文化変容

東北タイの地域・宗教社会誌
地域研究叢書12
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内容紹介
東北タイ,ラオスに別れ住むラオ人たちが,それぞれに異なる居住地域の風土と国家的な宗教の枠組みの中で,どのようにその文化状況を変えていったのか? 一国一村に限定した従来の民族誌を越え,地方と国家,一農村と集落間関係のなかに宗教の布置と動態,担い手の実践の変容を捉える.文化人類学と地域間研究の新しいスタイルを拓く.
目次
序 本書の課題と目的
 序-1 対象の周辺
 序-2 対象への接近
第一章 東南アジア上座部仏教徒社会研究と課題
 1-1 「実践宗教」へ
 1-2 タンバイア以前
 1-3 タンバイアの村落宗教論
 1-4 体系化と現実
 1-5 展望
第二章 「ラオ」人社会はどこにあるか
 2-1 「ラオ」は誰か
 2-2 差異化されたラオ―タイの「民族内関係」
 2-3 ラオと東北タイ
 2-4 イサーンの生成
 2-5 東北タイにおける「民族」間関係
第三章 東北タイにおけるラオ人集落の形成過程と宗教構成
 3-1 調査村とその周辺
 3-2 MN村における口述記録
 3-3 「ハーナーディー」をめぐる若干の考察
 3-4 宗教構成からみた村落類型
第四章 村落宗教の構造と変容
 4-1 東北タイ・ラオ系村落宗教の概要と「現在」―D村から
 4-2 仏教実践の諸相(1)
 4-3 仏教実践の諸相(2)
第五章 東北タイにおける仏教とモータム
 5-1 モータムの所在
 5-2 守護力の概念とモータム―仏教実践と異界の相克
 5-3 仏教守護力の担い手モータム
 5-4 モータムと信奉者の社会的関係
 5-5 国教化過程にみる頭陀行僧とタンマ
 5-6 仏教実践者としてのモータム
第六章 村落宗教の変節と「森の寺」  6-1 村落の変貌
 6-2 年中仏教行事と出家行動(1965年~1985年)
 6-3 功徳と貨幣経済
 6-4 成熟者の権威のゆくえ
 6-5 D村における「森の寺」の成立
 6-6 「森の寺」をめぐる考察
終章 ラオ人社会の現在と実践宗教の行方

【付録】モータムになること―口述史にみる師弟関係の系譜
  付-1 タム・オラハン派の師弟関係の系譜
  付-2 タム・ルオンポー派の系譜

  あとがき
  註
  参考文献
  索引
著者略歴
林 行夫(ハヤシ ユキオ hayashi yukio)
京都大学東南アジア研究センター助教授 1995年 大阪府生まれ 1981-83年 タイ国チューラロンコーン大学に留学 1988年 龍谷大学大学院博士課程(社会学専攻)単位取得退学 国立民族学博物館研究部助手を経て、1993年より現職。 主な著訳書 Inter-Ethnic Relations in the making of Mainland Southeast Asia Vol.1, CSEAS, Kyoto University, 1998 『ドンデーン村の伝統構造とその変容』(1990)創文社 『王権の位相』(1991)弘文堂 『実践宗教の人類学―上座部仏教の世界』(1993)京都大学学術出版会 『東南アジア大陸部における「民族」間関係と「地域」の生成』(1996)京都大学東南アジア研究センター 『岩波講座文化人類学・宗教の現代』(1997)岩波書店 『カンボジア―社会と文化のダイナミクス』(1998)古今書院
タイトルヨミ
カナ:ラオジンシャカイノシュウキョウトブンカヘンヨウ
ローマ字:raojinshakainoshuukyoutobunkahenyou

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